見出し画像

オンリーワンの学習スタイル構築方法〜『自分に合った学習法』とその理由を語れますか?〜

今回は、自分に合った学習法を身に付けるために、自身の課題/美点を分析するポイントについて話していこうと思います。

受験生には十人十色の学習法がありますが、これは、各生徒の特徴(長所 / 短所)が異なっていることに起因しています。そのため、自分に合った学習法を確立するためには、自身の特徴を把握する必要があります。

自身の特徴を踏まえた学習法とは、例えば、
英単語の暗記の際に、次のページの単語を覚えると前のページの単語を忘れてしまうので、3ページ進んだら1度前のページに戻ってテストをしてみる、といったものが挙げられます。

つまり、自身の特徴が掴めていなければ、効果的な学習法も見えてこないのです。
そこで今回は、自分に合った学習法を身に付けるための前段階として、自身の課題/美点を分析する際のポイントについて深掘りをしていこうと思います。

この分析を一言で言うと、学習の成果に対して「なぜそうなったのか?」を繰り返すことです。
ただ、「なぜ?」と考える事自体はどんな生徒も日々取り組んでいる事ではありますが、ポイントを抑えずに漠然と「なぜ?」を考えているだけでは効果的な分析とは言えません。
具体例を示した後に、中学生でも取り組むことができるように、分析時のポイントを絞ってお伝えします。

※これまでの記事では、効果的学習法分析ツール「Gmap-c」のGoal(目標設定)とMeasure(現状・成果の把握)について話をしており、今回は「③Analyze:ギャップの分析・課題の抽出」に相当します。

ここで、GoalからAnalyzeまでの具体例を示します。

自身の課題/美点を見出すためのAnalyzeのポイントは3つあります。
(A)GoalとMeasureのギャップを分析
(B)具体性のある分析
(C)ギャップの分析だけでなく、上手くいった要因も分析

それでは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

(A)GoalとMeasureのギャップを分析


一つ目は、GoalとMeasureのギャップを分析し、目標を達成できなかった原因を追求することです。上記の(1)の例では、単語の覚えた時間・個数や、単語のテストの正答率など、目標と成果の数値が異なっている点に着目して、これらの原因を追求しています。

(B)具体性のある分析


Analyze記入の際も、なるべく具体的である方が望ましいです。なぜなら、具体的であればあるほど、改善策として行動に落とし込みやすくなるからです。Analyzeの(1)英単語の例では、数値を用いる事で具体的な分析を可能にしています。この時に、数値を用いた分析ができる理由は、GoalとMeasureの際に数値を用いているからです。つまり、GoalとMeasureで数値を用いていると、具体的なギャップの分析がしやすくなると言えます。

一方で、注意しなければいけない事は、Measureの定性的な項目に対する分析です。なぜなら、定性的な項目は比較的抽象的なものが多いため、Analyzeも抽象的になりやすいからです。この時は、①Goalで説明したように、5W1Hや時間を用いて分析するように意識して頂くと、具体性を出すことができます。

今回の例では、「集中力が低下した」という成果に対して、「計算問題を80分連続で解くと途中で飽きる」というように、数字を用いて具体性を出した分析を行っています。このように数字を見出すことができれば、次回の学習(改善策)にアクションプランとして反映させやすくすることができます。

(C)課題の分析だけでなく、上手くいった要因も分析


学習の改善と言うと、目標と成果のギャップのうち、課題に目が行きがちですが、実は、学習で上手くいった要因の分析も非常に重要です。学習で上手くいった場合とは、目標通りまたは目標以上の成果を達成した場合のことです。

この分析が重要な理由は、自分に合った学習法を次回以降の学習に積極的に取り入れるためです。例えば、Analyzeの最後の項目のように、計算問題を継続して解き続けることでコツを掴むことができ、処理速度が上がったのであれば、別の単元で計算問題を扱う場合も、同様の学習方法が効率的な可能性が高くなります。このように、上手くいった要因の分析をすることで、自分に合った学習法を見つけることが出来るようになります。

さて、ここまでの分析を通して、自分に合う学習法と合わない学習法の分析をすることが出来ました。この後は、分析を基に改善策・継続すべき学習法を、次の学習で実施するのみです。しかし、分析をしても実際に行動に移せる人は非常に少ないのです。そこで次回は、分析内容を行動に落とし込むための方法をお伝えしたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!