男女兼用と男女同デザイン、どう違う?
無印良品のブランド「MUJI Labo」が話題です。
「MUJI Labo」2019年春夏シーズンから全アパレル商品を男女兼用で展開
https://www.fashionsnap.com/article/2019-01-15/mujilabo-19ss/
ジェンダーやLGBTに関心が高まる昨今の流れを汲んでの取り組みだと思いますが、ネットではかなり好評そうです。
「こういうのを待っていた!」その気持ちもよくわかるなぁと思います。
しかし、パタンナーとしては男女兼用って、「ちょっとどうだろう?」と。
ジェンダーの議論が進めば進むほど、男女の身体差は明確になるように思います。
私はフェミニストの側面がありますが、パタンナーとして身体と向き合う仕事のせいか、「身体差」は否定出来ませんし、しかし、それにより多くの人が悩んでるのもわかります。
何故なら私も悩んでるからです。
男女兼用の服はシルエットが同じにはならないのです。
特に女性が男女兼用の服を着た場合、バスト周りにシワが入り、妙に強調される可能性があります。
手前味噌ですが弊社の白いシャツの店レタルは、「男女同デザイン」をうたっています。
これは「男女兼用」とは違います。
同じデザインを違うパターンで展開しているのです。
男女、時に子どもまで同じデザインを着ているように見えるよう、細かいこだわりがあります。
この画像はレタルの妹ブランドAmipで販売した『ざっくりなカットソー』のパターンです。
トワルの画像はこちら。
こちらレディス。
こちらメンズ。
バストダーツがない服なので、どうしてもレディスはバストあたりにシワが出ますが、バストによる前身頃の持ち上がりを緩和するために、レディスは前下がりを付けています。
大きさも違うのが歴然としてるのがわかるでしょうか?
もう一度画像をアップします。
細かい話をすれば、前立てなどもメンズが30mmの場合、レディスは27〜28mmなどの調整をします。
私は元々メンズ服が好きでした。
メンズそのままをレディスで着たいのに、それが案外ありません。
変なギャザーが入ったり、襟が丸くなったり。
またウエストも妙にくびれていたり…。
それで作ったのが、この『オトコマエなシャツ』です。
メンズのフォーマルシャツのデザインにしながら、堅胸でバストダーツをとったりしています。
ウエストも絞っていますが、メンズ見えがするよう通常のウエスト位置より下げています。
面白いことにこれはレディスだけしか展開してないのですが、男性から「メンズで欲しい」という要望が来るのです。
このシャツは好評で「こういうのが欲しかった!」と仰るお客様が多く、私は作って良かったと思いました。
私は最初レディスのみしかパターンを引きませんでしたが、その後メンズボディも購入し、原型を作り、メンズも展開するようになりました。
メンズパタンナーじゃないので、メンズパターンの約束事がわかってない可能性もありますが、それも最近は面白いだろうと思って作っています。
実際レタルはLGBTの方からの購入も多いのです。
デザインに性別なんてない。
だけど、デザインの性別を失くすためにパターンは細かい工夫を凝らそう。
それがレタルの狙いです。
男女兼用も素敵ですが、どうぞ男女同デザインも興味を持って頂ければ幸いです。
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