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60.入職⇄退職=人生∞

退職や転職について、少しお勉強してみます。

会社を辞めて転職したいと考えても、気になってしまうことがあります。

今の時代は転職も珍しいことではなくなりましたが、やはり気になります。
 
周囲の目……他者の目です。

周りの目が気になってなかなか転職に踏み出せない…という人も多いのではないかと思います。

周りの目が気になった時の1番最初にくる感情は“恥ずかしい”という気持ちでしょうか。

周りから、転職することに対して“逃げ”、“負け”という風に見られたくないはずです。

会社を辞めて“情けない奴”、“根性がない奴”、“気持ちが弱い奴”…等と思われるのが怖くて転職する勇気が持てないわけです。

転職に対してマイナスイメージを持っている人がいるのは確かです。

特に団塊世代の方達は、終身雇用が良いものとする時代で働いてきただけに、転職に対して良いイメージを持っていない人も多いです。

“転職したい”と打ち明けると“無責任だ”、“根気が足りない”……と説教されるはずです。

そのように言われて転職したいという気持ちを押さえ込み、“転職は恥ずかしいこと”と結論づけて最後まで収入も上がらず、未来への成長も感じられないまま定年を迎える…なんてこともあるのかなと思います。
 
しかし…実は、転職は全く恥ずかしいことではありません。

転職したいなら、転職は堂々とするものです。

転職は視野を広げ、スキルアップに繋がります。
 
今の社会は経済成長期とは違って、維持存続に必死な企業にとっては、使い捨てのコマのように従業員を見ているところもよくあります。
 
だから個人の成長は関係なく、今居る部署で使えるからと最後までそのまま配置し、個人は努力しても入社した時のまま定年まで…ということもあり得ます。
 
転職することで自分の可能性を拡大して、将来的に見返してやれば良いだけのことです。

今居るところが全てではありませんし、自分を過小評価する必要もありません。

所謂、就職氷河期世代の考え方というやつです。 

厚生労働省の雇用動向調査結果の概要によると、2022年度の入職率は9.3%、離職率は8.7% でした。

 前年と比べると入職率が0.7 ポイント、離職率が0.6 ポイント上昇しました。

男性の入職率が8.1%、離職率が7.8%、女性の入職率が10.7%、離職率が9.8%でそれぞれ入職超過になっています。

就業形態別に見ると、一般労働者の入職率が7.8%、離職率が6.8%で入職超過になり、パートタ イム労働者の入職率が13.2%、離職率が13.7%で離職超過となっています。

入職率では宿泊業、飲食サービス業が20.3%と最も高く、次いで生活関連サービス業、娯楽業が 14.2%となっています。

離職率では宿泊業、飲食サービス業が15.0%と最も高く、次いで教育、学習支援業が12.2%になっています。
 
特に宿泊、飲食サービス業はアルバイト雇用率も高いので、それに応じて離職率が高くなるのではないかと考えられます。
 
そもそも、人はどうして働くのか…ということから考えてみます。

生活する為には、お金がないといけないから…というのももちろんあります。
 
戦後などの日本がまだ貧しかった時代には、生きていく為に…少しでも豊かな生活をする為に、どんな仕事でも一心不乱に働かなくてはいけなかった時代がありました。
 
“人はなぜ働くのか”といった疑問を抱く余裕もなく、働かざるを得ない状況だったはずです。
 
今はバブル期ほどの勢いとはかけ離れていますが、現在の日本も世界的に見ればまだまだ恵まれている状況にあると考えられます。
 
非正規労働者が増えているなどの問題はありますが、半数以上の日本人にとっては、まだ、生き方や働き方をある程度自由に選択することができている社会なのかなと感じています。
 
単に生活の糧を得るだけではなく、生きがいを見つける為、自分の成長の為、自分の才能や能力を発揮する為(自己実現)、社会の一員として務めを果たす為(社会貢献)……など、人が働く理由も多様化しています。
 
こういう状況だからこそ、仕事に行き詰まりを感じた時に“自分は何の為に働いているのか”という悩みは深刻化してしまうのかもしれません。

選択肢があるということは“ここは本来、自分がいる場所ではないのではないか”と不安を感じる機会も多くなるということです。
 
でも“人はなぜ働くのか”、“ここに自分の存在意義はあるのか”といった哲学的な命題を考え続けて何にも手を付けられないでいるよりも、実際に楽しく働くにはどうするかという現実的な問題の解決に集中することも、時には大切です。

仕事を続ける中で嫌な目に遭うことも、もちろんたくさんあります。
 
しかし、その半面、仕事を通して得ることもたくさんあります。
 
上司や周囲の人に認められて悪い気はしないものです。
 
毎日の生活の中で“自分が必要とされている”と実感できる機会は、なかなか無いものですが、仕事をきっかけに自分の存在価値を認識できることもあります。
 
また、満足する収入を得ることができた時も“仕事をしていて良かった”と思う一瞬なのではないでしょうか。

ただし、忙しいばかりで充分な収入がない時には返って“こんな仕事を続けていて良いのか”と、疑心が生じるきっかけにもなります。

収入面で喜びを得ることができないどころか、生活に支障があるなどの場合には、思い切って転職を考えるというのも1つの方法かもしれません。
 
職場での人間関係も信頼関係が構築されていると感じることができれば、それは喜びになります。

しかし、お互いに相手を信じることができないような間柄のまま仕事を続けていても苦痛が募る一方です。

この場合も転職を視野に入れてみても良いと思います。
 
いろいろな状況に置かれている人がいます。

人の数だけ、抱えているものは違います。
 
中には“仕事での喜びをなかなか感じることができない”という人がいても無理はありません。

そんな場合は、将来設計や目標を持って働くというのも大事です。

毎日の仕事が辛くても“夢の実現の為”と思えば働く活力も沸いてくるかもしれません。
 
また、どんな仕事でも“押し付けられている”、“働かされている”と感じると労働意欲が削がれてしまいます。

与えられた仕事でも自分なりの工夫をして、主体的に働くことで生き生きと働くことができるかもしれません。

しかし、どんなに工夫をしても、どうしても仕事に楽しさが見いだせないという場合もあるかもしれません。
 
金銭面、人間関係などで納得がいかないというケースもあるでしょうし、そもそも自分がやりたくて始めたわけではない仕事はどうしても続けているうちにストレスが生じてしまいます。
 
そんな時には、自分がやりがいを感じることができる仕事に転職することが結局は一番の解決策になるのかもしれません。

ここからは退職について少々見てみます。
 
転職先でも同じ理由で退職という結果にならないように“なぜ前の会社を辞めることになったか”、“会社に求めていることは何か”を明確にして、会社を絞る必要があります。

どのような理由で退職を決めるのか……。
 
理由1:職場の人間関係

特に上司との関係性について悩む人が多いようです。

場合によっては、ストレスにより心身に影響を及ぼしてしまう人もいます。
 
就活生の会社選びの基準にも“どのような人が働いているか”という項目が上位にあり、同様に新卒の退社理由も人間関係が1位に挙がるなど、人間関係は若者を中心に重要視されています。
 
理由2:労働時間・休暇制度への不満

残業時間や休日出勤の頻度など、労働時間や休暇制度に不満を持って退職する人が多いようです。

長時間労働による過労から、心身に支障をきたしてしまう人が増加しているというデータもあります。

長時間労働が労働災害として認定されるなどの施策が取られてはいますが、未だに問題のある会社が多いようです。

改善される見込みがなく、長い目で見ても働き続けるのが難しいと感じた場合は、早めに退職を考える方が良さそうです。
 
ちなみに、労働者の健康障害と、会社との間の因果関係を判断する為に設けられた“過労死ライン(月の残業時間が80時間以上)”という基準も制定されています。
 
理由3:給与への不満

給与支払いの遅延やサービス残業と言われる残業時間分の給与が充分に支払われないこと、昇給がない、ボーナスの額が少ないなども退職理由として挙げられます。

どんなにやりがいのある仕事でも、生活がかかっているので給与に関しては特に厳しく考えている人が多いようです。

しかし、転職しても給与の増加が見込めないなどの理由から退職に踏み込めないという人もいます。
 
理由4:仕事内容にやりがいを感じられない

やりがいについては他の退職理由とセットで考える人が多く、それだけを理由に転職を考える人は少ないようです。

明確な基準がなく主観的な意見になってしまうので、退職理由としても納得感が得られにくいことが多いです。
 
理由5:昇進制度・待遇への不満

結果を残しているのにも関わらず、なかなか昇進できないというのも退職理由に挙がっています。

しかし、本人の能力不足ということも考えられるので、充分なキャリアやスキルなどがないと次の職場でも同じ待遇を受ける可能性もあります。

また女性活躍推進法などが制定されても、未だに女性は昇進しにくいのが現実です。

その為、キャリア志向の女性が待遇面に不満を抱いていることも多いようです。
 
理由6:起業・独立をする為

独立する為に辞めるという人もいます。

退職はマイナスなイメージを持たれがちですが、独立を推奨する企業も増えています。

そうした人の入れ替わりが速い企業には、スキルをつける為に全力で仕事に取り組む人が多く、常に革新的な事業を行えるというメリットがあります。

また、企業にポジティブな印象を残したまま退職できるので、建前の理由として使う人も多いようです。
 
理由7:家庭の事情など

特に女性は、結婚や出産、介護などの家庭の事情でやむをえず退職するという人も多いです。

最近は男性でも、家業などで退職するという人が増えてきています。

家庭や人生のことになると会社も引き止めにくくなるので、こちらも建前の理由として使う人も多いようです。
 
退職理由1位が“人間関係”ということからも、“仕事だから我慢する”、“給料もらっているから我慢しなきゃ”ということにはならず、働く環境には妥協できないと考えている人が多くいることがわかります。

一方で、会社の待遇が多少悪くても、人が良いから辞めないという人もいます。

人間関係は、仕事を続ける為の重要な指標となります。
 
また、退職を告げる際に本当の理由ではなく建前の理由を使う人も多いようです。

円満に退職したいと考えているなら、会社側や人間関係などの問題を指摘するのではなく“家庭の事情”、“やりがい”、“独立したい”など個人的な理由を伝えるのが良いといえます。
 
明らかに会社側に問題があって退職する際は、労働基準法に違反している証拠などがあれば、退職理由を会社責任にできる可能性があります。

会社責任になると受け取れる失業給付金が増えるので、転職活動時の負担が軽減できます。

“会社を辞めようか…”と思い立った際には、法的なことをよく調べてから行動するのも1つ良いかと思います。

逆に企業の人事の方は、自社が法令遵守できているか、何か落ち度はないか、今一度確認してみても良いと思います。
 
今の時代は、以前のように“定年まで務め上げることが美徳”という風潮も薄れてきて、転職することが当たり前のようになってきています。

その為、転職のしやすさも退職を後押ししている1つの理由だと思います。
 
退職する理由などをまとめてみると、人間関係や労働時間、待遇など自分ではどうしようもできない事情であることがほとんどです。
 
最近は仕事をしながら、退職も視野に入れているという人が多いです。

入社した時点で、既にそうなっている人も多いぐらいです。
 
日本で転職したいと考えている人は、毎年約700万人いると言われています。

しかし、実際に転職を果たす人は、そのうちの約半分の350万人ほどです。

半分の人は転職を考えていても、実際には行動に移せません。
 
その理由には様々なものがあると思われますが、“恥ずかしい”と感じて躊躇してしまう人もいるのかもしれません。
 
転職は“誰一人取り残さない世界”には欠かせない要素です。
 
それぞれ様々な事情があると思いますが、人生は一度切りなので後悔のない決断をして思い切って退職して新しいスタートを切っても何も恥ずかしいことではありません。

限られた時間を大切に有意義に使うべきと思います。
 
とにかく、人生最期に後悔が少ないように慎重に、そして、損をしないように決断をしていきたいものです。


写真はいつの日か…恵庭市で撮影したものです。
 
 

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