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【本紹介】やっぱり面白い夢枕漠『陰陽師』

私は怖がりです。幽霊・お化けが(みたことないけど)怖い!

でも妖怪は昔から好きでした。

マニアで詳しいわけではないですが、『ゲゲゲの鬼太郎』を見て育った世代ですしね。

妖怪は恐ろしいけれど、少し愛嬌があったり間抜けだったり隙があるキャラクターも多いです。

そしてその妖怪を題材とした代表的なものとといえば、夢枕漠『陰陽師』を私は思い浮かべます。

平安時代、安倍晴明と源博雅のコンビが怪奇事件を解決していくシリーズ

かなり有名なので読んだことがある方も多いかと思います。

文章も情景描写も美しく読みやすい大好きな作品です。

個人的な読みどころです。

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熱い主人公たち

夢枕さんの作品は主人公たちがいつも魅力的!

『陰陽師』では真逆の晴明と博雅のお互いをとても尊重、尊敬し合う友情が描かれています。

このコンビにすっかりハマると、定番の会話も飽きるどころか嬉しくなるから不思議です。

博雅は暖かい人間身のある存在で、晴明はとてもクール。けれどこのクールなところが熱い!と思うのです。

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ものの怪という存在

やっぱり出てくる妖怪も面白いと思うのです。

平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。(文庫解説より引用)

「共存する」というところが個人的には好きです。

陰の部分、光があれば必ずできる影の存在。

「人がいる限り、妖怪が存在する」とも言えるのでしょうか。

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晴明の存在

ものの怪の存在を否定するのではなく、陰の存在が問題を起こしたらそれを(成敗ではなく)理解・解決していくと陰陽師・晴明という存在も不思議です。

陰と陽のバランスをとる存在は、中間的

式神を使い、どことなく存在自体が人間離れしています。

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海外からも注目される妖怪

映画、アニメ、漫画、小説、あらゆるところに出てくる妖怪って日本独特な文化なんですよね。

信じる信じないというより、存在自体が広く受け入れられているので、妖怪ってとても日本人的な考え方なのだ気づいたのは結構最近です。

今は、『千と千尋の神隠し』や『となりのトトロ』などのジブリ映画に限らず、海外でもその魅力や文化が認められているように感じます。

オーストラリアでも去年NSW州立美術館で『Japan Supernatural』という特別展が4ヶ月開催され、話題になりました。

村上隆氏の絵と巨大な鬼のスカルプチャーを中心に、葛飾北斎、歌川国芳、月岡芳年など古い絵画から青嶋千穂や松井冬子など現代アートまで幅広く、

「日本の幽霊と妖怪」が紹介されていてとても良い展覧会でした。


海外からも注目される妖怪たちがたくさん登場する『陰陽師』、

長いシリーズですが、短編集でどこから読んでも楽しめます。

そして何回読んでも面白いと思える作品です。

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おまけ(長いけど暇な人読んでね)

今日は本紹介夢枕漠『陰陽師』でしたが、この本について書こうと思った経緯があります。

ちょっとだらしない私は、ちょくちょくコンタクトレンズのつけおきケースの蓋をつけ忘れたりしてしまうのです。

そうすると、コンタクトレンズがケースの中にない、消えてしまうということが結構続きました。最初はちゃんと入れなかったのかとか、寝ぼけて倒したのかとか思いましたが、流石に続くと、

幽霊は怖いな〜、2weeksのコンタクトなのに数日って勿体ないな〜笑。となったのです。

ちゃんと蓋しろよって感じなのですが、幽霊ではなく妖怪(ならOK)かネズミの仕業ということで自分の中で落ち着かせ、蓋をすること!と心に誓ったのです。

それからしばらくはコンタクトがなくなることもありませんでした。

でもですね、一昨日くらいまたしてもケースの蓋をせずに寝てしまいました。

そして次の朝、やっぱりないのです!コンタクトが。

またしても怖くなったので、自分の中で

コンタクトを食べる妖怪、確定したのです。

え、でも妖怪って外国にはいないよなぁ

あ、妖怪といえば、あの展覧会はよかったよなぁ〜、

妖怪といえば、また『陰陽師』読みたいなぁ

となったのでした。

ちょっとどうでもいい話でした〜。

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note大学読書部の活動の一環としてアウトプットする読書をしています。

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