パリ軟禁日記 43日目 「ウイルスと共に生きる」〜外出制限緩和プラン〜(フランスver.)
2020/4/28(火)
本日15時、国民議会にてエドゥアール・フィリップ首相による外出制限緩和についての計画発表があった。僕たちの今後数ヶ月に大きな影響を持つ談話だ。
そういうわけで、僕は仕事をそっちのけでTVをつけた。同僚とのグループチャットを見る限り、皆この時間はテレビかラジオに耳を傾けていたようだ。
以下、要約:
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基本方針として「ウイルスと共に生きる。」
これを前提に地方ごと、段階的に、外出制限を緩和していく。
3週間ごとに段階を2つに分け、現在の外出禁止が終了する5月11日から6月2日までを第一段階。6月2日から夏までを第二段階とする。
・5月11日から毎週70万件のウイルス検査を実施。
陽性判定が出た人は自宅か指定の施設にて14日間隔離。
・フランス国内の各地区をグリーンとレッドに分類。
グリーンゾーンは規制緩和されるが、レッドゾーンは各種制限が継続。
例えば、グリーンゾーンにおける公園や庭園は再開可能。
・テレワークは原則継続。
不可能な場合は,ローテーションを組む等して対応。
・都市における公共交通機関は5月11日より再開。
密集空間にならないような制限を設ける。またマスクの着用を義務化。
・住所から100km圏内における移動を自由化。 外出証明書の携帯不要。
100kmを越える場合は特別なの理由を記した外出証明書が必要。
・保育園,幼稚園,小学校は再開可能。登校は任意。
マスクやジェル等を供給するが,子供のマスク着用は義務づけない。
5月18日以降,中学校を再開可能。
市町村からマスクを供給し,先生も生徒もマスク着用を義務化。
・幼小中学校は,15人以下のクラスとする。
保育園は10人以下とし,医療従事者の子供が優先される。
高校は閉校のまま。5月末に,6月2日から再開できるか検討する。
・集団スポーツ、または室内スポーツは引き続き禁止。
ビーチは6月1日まで引き続き閉鎖。
・メディアセンター、図書館、小規模な美術館は再開可能。
大型美術館、映画館、劇場、スポーツジム、コンサートホール、ダンスホール、多目的ホールは引き続き閉鎖。カフェ・バー・レストラン、大型商業施設を除く、他の商業施設は再開可能。
マルシェ(市場)についても再開可能、各県の判断に任せる。
バー・レストランの再開については5月末に決定される。
・大規模なイベント・集会は9月まで引き続き禁止。
宗教的行事についても6月2日まで禁止。墓地は再開。
葬儀についても出席者20名までであれば可能。
公共の場、プライベートにおける集会は10人までとする。
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もちろん、これはあくまで計画であって、議会の投票を持って信任・否決が決まるため、まだ決定的ではない。
おおよそ予想通りではあるけれども、長い道のりになりそうだ。
基本的には、僕たちの生活リズムは変わらないだろう。
在宅勤務は続くよ、どこまでも。
希望があるとすれば、買い物できる範囲が広がる。
マルシェが再開するとなると調達可能な食料のクオリティも上がる。
いろいろな思いが錯綜した。
・近所のレンタルDVD屋さんは再開するだろうか。
気さくな店員のお兄さんに会って話がしたい。
・集団スポーツ、室内スポーツは引き続き禁止というのは理解。
では屋外の個人競技である、陸上、テニス、ゴルフは?
社会的距離をとったキャッチボールは合法…でよろしいですよね。
・自宅でお食事会、友人宅に遊びに行くことはできるようになるけれど、
この状況でお互いにリスクをとってまで「会おう!」となるだろうか。
このコロナ時代では、人と人の間の距離が持つ意味合いがこれまでと明確に変わってしまう。リアルで会う人は、感染のリスクを負ってまで会いたい人ということになる。ましてその人とキスをする、というのであればそれこそ命を賭けても惜しくない、というニュアンスが必然的に加わってくるだろう。文字通りに、命をかけた愛。
「ウイルスと共に生きる。」
仕方がないけど、もう少し辛抱してお付き合いいたしましょう。
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