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「難民になる」というには全てを失うということなんだ(映画レビュー「Peace by chocolate」)


Peace by chocolate

カナダに難民として逃れたシリア人家族のストーリーを描いた映画。

シリアの人たちの人柄や雰囲気が表現されていて、僕が中東・欧州で聞いてきた話と共通することも多く、「そうなんだよね…」と何度もおもいながら観ていました。

(ドイツ。シリア難民を受け入れている街中のスーパーにはアラビア語の表記も)

 
言葉の問題で経験を活かした仕事に就けない父。
書類が不十分で大学に行けない息子。
ビザが取れずにレバノンに取り残された娘と孫。
難民という制限のなかで、自分の夢と守るべき家族との葛藤。

「難民のせいでビジネスを邪魔された」と非難する住民と、
「全てを失った彼らに手を差し伸べるべきだ」と支える住民。
 

息子タレクのスピーチにと、はっとさせられました。

「難民になるというのは全てを失うということです。
 
あなたたちと同じように家族を愛し、
あなたたちと同じように平和を愛しています。

ただ違うのは、同じように死ぬことができない、ということです」

ただ住んでいた場所に住めなくなったことで
当たり前のことを当たり前にできなくなった。
どんな経験や積み重ねてきたものがあっても。

僕が同じ立場になった時に、同じように頑張れるかな…と思うと、自信がありません。

「可哀想だから助けたい」じゃなくて、「尊敬するから手助けしたい」と思います。今の活動をしてるんだなぁ、と改めて感じます。

と、共に、そんな時に手を差し伸べられる自分でありたい、とも。
(タレクの家族を受け入れたカナダ人フランク、ほんまにすごい!)

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Posted by 中野 貴行 on Saturday, July 8, 2023


https://event0709.peatix.com


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