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「スポーツが持つ力」と簡単に言いがちだけど、実際、地域経済とかにめちゃくちゃ役立ってる

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みなさんはスポーツが好きだろうか。実際多くの人達にとってスポーツは身近にはあるものの、本当に自分の人生の中でどっぷりハマっているというような人はあまりいないかもしれない。

私は子供の頃からサッカーをしているが、観戦しに行くというよりは、友達らと身体を動かしている方が好きだった。

スタジアムの雰囲気も嫌いではないが、単純に席によって試合が見づらいという問題もあるし、冬なら寒いし、変なうるさいおじさんがよくいるので、その人達の近くの席だと満足に楽しめないというのがあまり好きじゃなかった。

それなら家でテレビで見ようということになってしまう。もちろんそういううるさいオッサンも含めてのスポーツ観戦の楽しさである。

最近ではDAZNなどのサービスもあり、いろんな形でスポーツを楽しめると思う。5Gが導入されれば、カメラの性能の向上も相まって、より楽しいスポーツ観戦が様々な形で提供されるだろう。

私はサッカーを経験しているので、2002年の日韓ワールドカップから、サッカーがJリーグの層だけでなく、日本代表としてサッカーを見るような人達が増えて、国民的なスポーツに変化を遂げたと思う。

近年ではラグビーの日本代表でも同じような現象が起こっているし、代表から地域のラグビーリーグに行くファンも増えている。その衝撃はみなさんもニュースなどで目の当たりにしたはずだ。

野球もサッカーに人気を押されがちに見られていたが、なんだかんだ頑張っているし、野球は圧倒的に試合数が多いということや、試合時間がめちゃくちゃ長いことで、スポンサーなどの商業的な面から見ても結構おいしいスポーツであるという裏の事情もある。結局のところスタジアムでビールばかり飲んで、誰も試合を見てないんじゃないか説もある。もちろんそれで莫大な利益を上げている。

東京に住んでいると、気にする機会がないかもしれないが、地方ではスポーツを中心に地域経済が回っていたりする。それこそスタジアムの近くの田舎地域の小売店で野球グッズが売っていたり、Jリーグのグッズが売っていたり、優勝すれば優勝おめでとうセールをしたり、地域の一体感であったりコミュニティ形成に重要な役割を担っている。

観光名所があるわけでないので、観光地とは言えないが、スポーツ観戦に人が多く訪れることで、その街は賑わい始めるのである。

そしてスポーツというと、なんとなく渋谷で騒いでいるような、にわかファンに支えられている側面もあるが、実際に地方へ行ってみると老若男女幅広く、家族連れやお年寄りの方々まで楽しんでいる。

まさにそのチームで頑張っている選手は、地域の家族の応援を受けて毎試合頑張っているような印象である。

東京にいる人は、広島にはカープファンがいるんだろうな。と思っているかもしれないが、広島人=カープくらいの認識でいいかもしれない。ファンというよりは、広島がカープそのものである。若い女の子でも広島人とは何かと聞かれれば、カープとしか答えられないくらい、彼らの日常にとってカープは血となり骨となっている。

福岡はさらに人口が多いので、ばらつきがあるかもしれないが、やはり福岡のおじさん達にとって今日ホークスが勝ったかどうかは、日常そのものであるし、重要なコミュニティになっている。

単純に地域のコミュニティであるならば、その地域出身の人達でないと成し得ないように思ってしまいがちだが、Jリーグも野球もラグビーですら、その地域の出身で構成されているわけではないし、高校野球だって高校のある場所はその地域の名前がついているが、実際に活躍している学生たちは全国から集められた精鋭である事が多い。

要するに、その土地の出身者だからという理由で彼らはチームを応援しているわけではない。アイドルのように個人が好きだったり、チーム全体の箱推しのような概念もあり、いろんなかたちでのファンがいるだろうか、大体はチーム全体を好きな人が多い。

今更言われなくても知ってるよ、というくらい当たり前のことではあるが、改めて考えてみると不思議な事ではある。なぜ彼らはどこぞの誰かも知らない人達を応援するんだろうか。

簡単な言葉ではあるが、この「一体感」にこそ、スポーツの本当の力が隠されているような気がしている。もちろん、スポーツは健康に良いとか楽しいとか、カッコイイという楽しみ方でいい。

だが、経済的や社会コミュニティ的な面から見るとかなり有益で、スポーツにしか成し得ない稀有な現象が起こっていたりする。

大坂なおみやラグビー日本代表を見てもそうだが、彼らは日本人かという点が問題に上がったことがある。だが、彼らは日本を代表するスポーツ選手であることには間違いない。

スポーツをやると良いことの1つとして、スポーツの発祥や歴史を知ることで国際性が身につくことだと思う。サッカーをやっていない国が地球上にないように、地球上にボールがある限り世界中の人とサッカーを楽しむことが出来る。

そして世界のトップリーグで活躍している人というのは、世界各国の代表から選抜されたようなチームでプレーしている人がほとんどであるし、そうなるとどこの国の出身かなどは名刺代わりで「何歳でどこ出身」かというようなレベルでしか気にしなくなってくる。

だいたいサッカー好きな人に共通する性格だが、めちゃくちゃ上手い選手がいると、ネットで調べて、マイナーな国であるほど興奮するような性格に変わってくる。

ヨーロッパであれば歴史的な背景が複雑なので、選手の両親が旧ユーゴスラビアやソ連などであれば、国籍上は他のヨーロッパの国になっていても、その人のルーツは違うということがよくある。フランス系アルジェリア人がいたり、レバノン系ブラジル人がいたり、どのような経緯でプロの道までたどり着いたのか、その人のルーツを知ることはそれはそれで面白いが、別にその人自身が何人だろうがどうでもいいのである。

ある国にルーツを持つトッププレーヤーが、政治的な発言をすると試合に出られなくなったり、国民から大バッシングを受けるなど、海外でもそのような問題は起こる。しかし、そういう問題を超越して言語や宗教など関係なく、フェアに実力が評価できるのもスポーツの魅力ではある。

いきなり日本の総理大臣がゴリゴリの黒人や白人になったら、それは違和感があるかもしれないが、スポーツの世界ではもう見た目があまり気にならないようなレベルにまでなっているかもしれない。

そもそもなんでそのような問題が出たのかと遡ってみれば、相撲で日本人の横綱がいなくなったというような時から、外国人がどうとかスポーツの世界では言われていたなと思う。

日本における相撲と他のスポーツは立ち位置が少し違うかもしれないが、モンゴルから来た人達が強いことに腹を立てても仕方ない。それは日本人が相撲で勝てないだけの話で、別に彼らは何も悪く無い。

そういう意味では相撲界というのは、他のスポーツと違い、ある意味独特な日本のコミュニティを形成しているだろう。かなり閉鎖的な世界で、全国を巡業しているし、日本人自身もどう付き合えばいいか、わかりづらい面もある。

最近では、ジャパネットたかたの社長が長崎のJリーグチームを改革したが、地域に根づいて開発を進めるのは、地域貢献において非常に重要な事であるし、新しいスタジアムができることで、さらに大きく地域活性化に繋がり、観光や経済面で恩恵をもたらすと思う。

田舎の草原の真ん中で、スタジアム以外何もないようなアクセスが悪い場所だと、なかなか足が運びにくいかもしれないが、メインの駅から徒歩や無料バスで行けたり、バリアフリーが徹底されているとしたら、地域に根づくものになるに違いない。

今のスポーツ界は、コロナウイルスで経済に深刻なダメージが与えられるのは免れないと思うが、最終的に人間がなんとか生きてこれるのは、スポーツの力だったり、アーティストの歌だったり、そういう物が多い。

みんな頑張ってるし、俺も頑張ろうとなれるかどうか、そのキッカケがあるかどうかで、人間というのは全然違った方向に進むこともある。

そういう時に助けられるのは人の力だと思うが、人と出会うにはやはり人が集まる場所が必要だろう。

これは私の思い込みかもしれないが、多分スタジアムとかに行っている人は、結婚する確率とかが高いんじゃないかと思っている。全く証拠はない。

もしかすると、観戦にガチすぎて結婚できない人もいるかもしれないが、スポーツが人をつなげる力はいろんなところで発揮されている気がする。

単純なことだが、金を集めることで私達の生活が豊かになることが多い。私達が普通にカレーを作ろうとして、具材を買って、ルーを買ってスパイスを買って、じっくりコトコト煮込んで、完成させると、それなりのコストと時間がかかるが、企業ががっつり大量にレトルトで売ってくれれば200円で買える。それと同じことがスポーツの地域貢献でも言える。

スポーツ観戦にしても、いろいろな場所から人が来たり、企業があることで単純に税金を納めて自治体の財政が潤ったり、その土地のブランドが向上したり、金をがっつり集めてくれれば、いろいろな効果をもたらすはずだ。

たくさんのお金を集めれば、個人レベルではどうにもできない100億円くらいの何かを買って、その100億の何かの恩恵を地域の市民全体が享受できるようなシステムを作れば、さらに地域が潤い、循環していくだろう。大きな金であれば、大きなパワーで動かせるのである。

たくさんの雇用も生まれるだろうし、街が発展して少子化なども問題も解決されるかもしれない。もちろん成功例だけ見ればそうなるが、何に金を使うかという面で考えると、日本は海外のようにもっとスポーツ産業全体が発展するように仕向けても良いと思う。

スポーツにおける金の使い方というのは、応援しているチームが勝とうが負けようが、チケット代に変化はない。私のように純粋に「試合」というものを楽しんでる人間は別かもしれないが、やはり贔屓をしているサポーターの人が多いし、ある特定の選手を応援していても、その選手が試合に出ないパターンもあるだろう。

そのときは金が無駄になったような感覚になるが、それでも「今日は勝てるかな」と再び応援に行けるのがスポーツの魅力である。それでこそサポーターである。

定年後に何するのか、というリタイア後の生活について不安を覚える人も多いかもしれないが、スポーツ観戦というのは、普通に良い過ごし方だと思う。1人でもいけるし、複数人でも楽しめる。大きな声も日常でなかなか出す機会はないだろう。実際そういう過ごし方をしている人もスタジアムではよく見かける。

定年後に働こうと思っても、がっつり週5で8時間働くのは嫌だな、という人は週末の試合がある日にスタジアムで2~3時間バイトすれば、社会のコミュニティに入りながらも、年金にプラスαで生活することが出来る。そういう働き方ができる点も、うまく地域コミュニティを形成できる要因かもしれない。

スタバが「第3の場所」というマーケティングをしているが、これからの時代は、自分にとっての「第3の場所」を見つける必要があるかもしれない。

下手な経済成長を目的にするくらいなら、何のために金を稼ぐのか、金が何に使われてどう私達の生活が豊かになっているかを見える化した方がいいかもしれない。国の規模だと厳しいかもしれないが、自分の住んでいる市町村の地域規模ならできそうだ。スタジアム運営をしているチームがそのような取り組みに関わっても面白いかもしれない。

なんとなく閉塞感がある日本で、何かの目的に一体となる感覚というのは、今の日本には重要だと考えている。スポーツと政治を一緒にするのは嫌だが、実際に似通った部分もいくらか有る気がする。

闇雲に個人が好き勝手に金を稼ごうとするより、地域全体がどのような理想に向かっていくのかを話し合えるような「一体感」を生み出せる場所が、スポーツの中にあってほしいと個人的に思っている。




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