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初心者が絶対に触りつづけるべきではないポケモンやパーティーはなにか?

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 量が増えてきたので一部飛ばしている記事がありますが、私の記事一覧で他の記事も掲載がありますので、もしご興味がある記事がありましたらご覧にただければ幸いです。

 初心者の方がポケモンを練習する際、いろいろなポケモンやパーティーを触ることは重要なことです。よって、理想を言うなら強いものだけでなく弱いものにも触れ、「なるほどだから弱いんだな」と納得するというのもまた一つの勉強だと考えられます。
 しかし、初心者が腕を上げるための取り組みとして考えるとき、なかには「初心者が1回触るのはいいとしても、初心者のうちはなるべく長く触らない方がいいもの」というのもあります。

 それは具体的なポケモンであり、具体的なパーティーなのですが、全てを挙げるのは非効率的かつ面白みもないと思いますので、いくつかのパーティーの具体例を挙げた中で、「どうしてなのか」を提示し、それに類似するも のはそうなんだよ、というのをご説明させていただきます。
 私もある程度いろいろな範囲の方とそれなりの回数対戦していますので、そういうものを見かけた蓄積もありますので・・・。

 なお、この記事は「やめときな!」というニュアンスを伝えたいための記事なので、結構強めな否定ニュアンスをあえて使っています。読んでいる方の中には「なんだよ!私はこれが好きなのに!」といった方もいらっしゃると思うのですが、そこは記事の趣旨的にご容赦いただきたく思います。

〇相手の麻痺バグを期待するための麻痺まきポケモン構築

 まず端的に言うと、ポケモン単体でいえばたすきジャローダがそのままなのでわかりやすいでしょう。
 とりあえず初手に(あまり考えずに)出して、へびにらみから入って相手が麻痺で動けなかったらリーフストームで押していこう、みたいな動きをするハイボ周辺やマスボでも順位があまり高くない方が非常に多い印象を受けます。
 また、パーティー単位でいえば、とりあえず相手を麻痺させてから、マイナーポケモンがひたすらビルドアップみたいなパーティーも、結構当たった印象があります。中には「そもそも麻痺させて積むなんてことしないでも普通にこの流れなら殴り合ってた方がそちらの勝ち筋あったのに・・・」という時ですらそれをしてくる方もいらっしゃいました。
 ムラっけ構築も事実上同じようなものですね。

 先に述べておきますが、別に麻痺をまく構築というのが弱いとか悪いとか言いたいわけではありません。というか、このゲーム、麻痺が割とお手軽にまけるくせに効果が強すぎるため、私はかなりゲームバランスを壊していると思っていますが、それだけの強さが麻痺にはあります。
 だから、論点はそこではありません。

 麻痺という状態異常は、大きく分けて「相手の素早さを半分にする」「相手が動けないターンが発生する可能性がある」という2つの効果があります。両方とも強すぎる効果ですが、前者は「麻痺になった時点で絶対発動しているもの」です。
 よって、基本的に「勝率を維持するレベルのプレイヤーが使用する麻痺」というのは、「相手の素早さを下げたことで勝ち筋を作る」ことがメインであって、「麻痺で動けない」ことをメインに期待する使い方をするわけではありません。
 例えばHBぶっぱレベルのハバタクカミがオーガポン対面ででんじはをうつプランでパーティーを組みたてたとして、その意味は「麻痺させてすばやさを下げておけば後ろで処理できるし、一回こちらのハバタクカミが先に動いて削っておけばダメージ乱数も関係ない」とかがメインであり、「相手がひたすら麻痺すればそれで突破できるぜ」ではないということです。勿論上振れ最大値をとれるに越したことはないですが、麻痺させた時点の最低値でも問題ない展開をプランニングしなければ、ただの運ゲーです。

 つまり、同じ麻痺からの積みであっても、積む側が先に動けるようになるだけで勝ち筋が固まるならいいのですが、動けないターンが発生することを期待して立ち回るのはただの運ゲーに近い。
 そして麻痺の確率は一定な以上、極論自分がしたいことができるかは確率論に終始するわけですから、麻痺バグだけを期待している試合展開しか期待しないなら、自分でサイコロでも振って勝手に自分で楽しんでいればいいのであって、対面にプレイヤーがいる必要がそもそもありません。
 要するに、その試合で勝とうが負けようが、自分の腕前のプラスになる要素は特にないのです。

 また、極端にいえばその構築がやたら強い(それもそれでつまらないゲームになると思いますが)とかになっていればまだ客観的にも仕方ないわけですが、絶対それ強くないよね?という動きを無理やりしているだけだと客観的にも虚無しか生まれません。
 ちょっと話がズレますが、他の記事でも書きましたがこのゲームには意思表示の方法がないため、極端なひどい運ゲーとしか思えない状態になると、対戦相手は「なんで私はこんな何の経験上のプラスにもならない運ゲーに突き合わされてストレスを受けないといけないんだ?」としか感じようがなくなり、(勿論その行為自体はよくないことですが)抗議のニュアンスで切断されたり放置されたりしてお互い楽しくないことになることもあります(対人対戦でそれをされて愉快な気分になる方がいたら、それはそれで正直どうかと・・・)。

 なので、でんじは等の麻痺を使う構築を使うにしても、「その麻痺をどう生かすか」によって練習になるかどうかは変わるものですので、そこおはよくご検討いただいたほうがよいと思います。

〇一撃技を使うことが勝ち方に必須で織り込まれているポケモン・構築

 具体的な例を挙げるときに匙加減が難しいのですが、一番極端な例だと、クワガノンが初手からせんせいのつめを持ってハサミギロチンを打ってきたことがありました。

 私自身は一撃技の搭載は否定派の人間で、ある理由から環境に存在する1種類のポケモンだけは一撃技を搭載するのも仕方ないと思っている以外は非搭載の人間です(その関係で記事を一つ作ろうと思っています)。
 よってヘイラッシャも地割れを搭載せず使っていた人間なので、その意味で主観がまじればそもそも一撃技を初心者が使うのはどうかとも思っています。

 ただ、まあそれはそれとして、「まあどうしても仕方ないならハサミギロチンを打とうか」という趣旨でのクワガノンにハサミギロチンを搭載するのを仮に許容したとしてもです。
 せんせいのつめでハサミギロチンを打っている時点で、「それで勝ってやろう」という意図がそもそもあるのがみえみえですよね。言うまでもないですが確率的に成立する確率はかなり低く、まともに勝とうとしていないのは明らかです。
 正直に言えば、先ほどの話よろしく「わざわざ対戦相手に不快感をばらまかずに、勝手に自分で確率計算して満足しててくれ」というジャンルの話ですが、これはさすがに極端な例としても、「一撃技を打たないとまず勝てない」というか「それをうつのが前提で組まれている構築」は他にも存在します。

 いわゆる受けルーパーの方界隈でも、「邪道すぎてそれは受けループではないのではないか」という評価がされる場合もあるようですが(私も割とそれには共感しますが)、SVの受けループでは、一撃技を乱打するような構成になっているものもあります。
 私は勝ちたくてランクマッチをやっているので、SVのランクマッチで受けループを使う気はないのであまり詳しくありませんが、実際受けを回すのは難しい環境なので、一撃技に頼らないとそもそも成立していないという考え方の方がそういったものを作るのかもしれません。
 ただ、少なくとも初心者の方が練習として取り組むとき、そういったパーティーを使っても結局乱数で勝敗が決まっているようなものになりがちなので、あまり意味がありません。
 ただでさえ受けループは初心者向きではなく、勝ちやすいパーティーでもないし、下手な受けループは相手にいい感情を与えないことも多いので、複数相乗効果でおすすめできないものになります。

 環境によっては一撃技の搭載を許容せざるをえない環境が出てくるのかもしれませんが、少なくとも初心者の方が勝ち方を勉強する中で、この手のものは触れるべきではないでしょう。

〇やりたいことを詰め込みすぎたドリームすぎるポケモン・構築

 以前、「スカーフトリックサーフゴーに自己再生を入れたもの」や「わるだくみをいれたもの」が一時的に流行ったことがありました。割と発想としては相手の思考のすきまをついたもので、「スカーフなんだから自己再生はないだろうと見せかけて実はある」ことを勝ち筋に組み込んだものでした。
 なので、私個人としてはこの段階で当時としても否定派(特に今はトリック自体が妨害される可能性がさらに増えているのもあり)ですが、少なくとも過去のその時点では客観的にはありうる範囲と現実的にはなっていたようです。

 しかし今月の半ば頃でしょうか、わかっている限りで何回か「素早さもHpもあまり振っていないが多少火力があるスカーフトリックサーフゴーが自己再生と電磁波とシャドーボールを持っている」という物体にあたりました。
 まあすばやさをふっているスカーフサーフゴーがシャドーボールを持っていることはありうるでしょう。素早さをふっていないサーフゴーが自己再生と電磁波をもっていてもおかしくはありません。でもそれをくっつけたサーフゴーはさすがに欲張りすぎて自己崩壊している気がします。

 具体的にはすばやさ比較だったりダメージ計算だったりいろいろ私なりの根拠はありますが、それは長くなるので割愛させていただくにしろ、実際に対戦でされたのは「初手に出てきて初手スカーフトリック」です。
 最初はトリックはケアしていてそのままなんとかなると立ち回ったのに引っ込んだ後から電磁波を打たれて運負けしそうになりましたが、他は別にそれを想定していたわけではないものの、とりあえずスカーフサーフゴーと同じような感じで対処しました。 
 勿論この調整、みんなが同じだったかはわかりませんし、私が十分にわかっていないだけで実はかなり綿密に計算されたダメージ計算の産物なのかもしれないのですが、それならそれでおそらくかなりの理解度が必要なものだと思いますし、扱い方を間違えれば電磁波をうっただけとかスカーフトリックをこころみただけで終わってしまうように感じられます。そして、いくら勉強のためとはいえ、初心者の方がその水準をいきなりどうこうするというのは、よほど使い方を丁寧に教えてもらわない限り難しいでしょう。

 ややサーフゴーの話が長くなりましたが、これに限らずこういった「型の強引ともみえる複合」は、限度を超えるとただのドリームしかみていないものになりはてがちです。そしてその匙加減をいきなり初心者の方が考えるのは難しい。同じ努力値微調整を学ぶにしろ、もう少しはっきりとわかりやすいものがあるはずです。
 「うわなんか珍しそうなものだな!」「おもしろ!」みたいにこういったものは見えがちなのですが、まずはもう少し地に足をつけたものから学んでいくことをおすすめします。

〇初手の有利対面が必須なポケモン・構築

 なかなか例示が難しい話になるのですが、例えば眼鏡イーユイは有利対面を作って圧倒的な火力をぶつけることができるという前提のうえでは非常に強いポケモンです。
 ただし、それは「初手に有利対面ができたらいいな!」といった願望に近いもので初手に出すものではなく、同じ初手に出すのでも出し負けに高確率でリカバリー可能なプランを用意してやるものだったり、さらにいえばそもそもが初手に出すのではなく、ハッサムやママンボウといったクッションから確実に有利対面を作りに行くことで実現してこそだと思います。

 なので、そういった「いかに有利対面を作ってイーユイを通すか」といった構築になっているようなパーティーは、むしろ初心者の方も積極的に練習に取り入れるべきだと思うのですが、現実的に例えばハイボ級等であたる初手眼鏡イーユイは、なんかそのまま上をとられて即退場したり、無理やりテラスタルでごまかそうとしてきたりするだけなことが多く、苦し紛れが通った結果勝てるか通らなかったから負けたかというゲーム運びになりがちなので、練習という観点からすれば正直あまり身になりません。

 このように、特定のポケモンや特定のパーティーというよりかは、そういった要素が内包されていないものという言い方になるのかもしれませんが、そのようなものを練習で使うのはあまりおすすめできません。むしろ初手ぶっぱ癖がついてしまい、マイナスになることもあると思います。

 また、単純な有利対面以外にも似たようなことはあります。
 いわゆる「メタでハメ殺す」タイプのポケモンです。
 私がこの記事「ポケモンではなぜレート1700になるまで「メタ調整」を考えるべきではないのか|へる (note.com)」で述べているように、そもそもメタポケモン自体を初心者の方が考えない方がよいものであって、他人の型を使うにしてもまずは使い所を理解できる段階に先になるべきだと思うのですが、いわゆる完全に特定の対面を初手等に作って罠にはめてやろうみたいな趣旨自体があまり技術向上に寄与しないというか、初手投げつけゲーをしているのは上記の例とあまり変わりません。
 
 このように、「リスクの高低が激しい」ような動きを繰り返し続けるようなことになるものを長期間使うのは、変な癖がついたりしがちなことを含めて、初心者の方にはおすすめしません。
 なまじっか初心者の方だと、目先の勝利を求めたり、初心者どうしだと回避されにくいのもあるのかイージーウィン系に飛びつきがちなので、「将来的なことまで考えて」採用についてはよく考えるべきでしょう。

 ただ、たまたまうまく通った時の眼鏡イーユイは実際強いので、なかなか主観的にはこの手の話は最初納得しづらいかもしれません。強い方でも眼鏡イーユイをおすすめしているケースも結構あると思います。しかし、だからこそ「使い方の影響をうけるんだ」ということを認識できるようになるまでは、あまり使わない方が勉強になると思います。

〇相手の攻撃をひたすら受け続けようというタイプのポケモン・パーティー

 SVにおいて、じこさいせい等の回復技のPPが減らされたり、そもそも受けきることに技術が必要なことが増えたので逆風ぎみではあるのですが、相手の攻撃をひたすら受け続けようという考え方は、とにかく乱数の影響を多く受けます。
 例えば能力ダウンの付加効果や麻痺やひるみ、急所、一撃技、ターン数が伸びれば受ける危険は当然高まります。テラスタルもあわせて、とにかく仕様上は守る方が難しいのです、このゲーム。
 また、あまりそういった技を打たれる機会がないランク帯もあるとはおもいますが、アンコールでいいようにされたり、TOD慣れしていないとTOD
を仕掛けられて負けたりするようなことにもなりがちです。

 具体的なポケモンを挙げていくと、ポリゴン2を初心者の方が使うと大抵このパターンにはまってしまうと思います。TOD上不利がつきそうなのにポリゴン2がひたすら自己再生を連打しているとか、自己再生のタイミングでアンコールされたり、そもそも剣の舞などを一発絡められて貫かれたり、対面弱点技を打たれると思い込んでテラスタルしたのが無駄になったり。
 もうあまり環境にはいませんが、チオンジンも割とそのパターンでしょう。エルフーンも、サーフゴーだけならまだしもいたずらごころが悪に通らないとか、オーガポン等がいてもう限界を迎えている印象がありますが、まだたまに見ます。

 どちらかといえば初心者の方は、攻める方のパーティーを使う中で、相手にきれいに受けられたことがあればそれをメモっておき、ある程度腕が上達した後で少しそれを試してみる、といった順番のほうがよほど勉強になると思います。

 なんとなくニュアンスが違うことに気づかれた方もいると思うのですが、ここまで挙げたものとは違い、「あまり勉強にならないからやめろ」的な意味ではなく、「勉強の仕方として効率が悪いからやめておけ」といったニュアンスで理解していただければいいとおもいます。

 ただし例外があります。受けループです。なぜかはもうしつこくなるので触れませんが、残念ながらSVにおいての受けループは勉強にとってプラスになる要素はあまりないと思います。

〇まとめ

 とりあえず一度ここでまとめましょう。
・とにかく乱数だけで勝とうとするようなものは勉強にならないのでやめよう
・「こうなったらいいな」だけでプレイしてしまいがちなものは勉強にならないので、せめて「どうやってその場面を作るか」からはじまるものに触ろう
・最初から難易度が高すぎることに挑むのはやめよう

 いかがでしたでしょうか。
 とかく初心者のうちは、慣れてきた人には気づくことでもなかなか自発的に問題点に気づきにくいものです。それは当たり前のことですよね。
 なので、「気づけない危険があるものにはなるべく最初は触れない」方が、勉強の効率は明確に上がります。基礎の計算問題ができないのに応用問題をやるべきではないし、基礎の文法ができていないのにいきなり英文読解を練習しても身につかないのと同じですよね。

 勿論これは私の主観が入ったものですので、全ての絶対的な正解だ!と言い張る気はありませんが、私と違う見解をもつ方も、その見解自体は結果として変わらなくても、できれば一度改めてこういったものを考えてみていただくような機会となればとは思います。

 なかなか長い道のりになりそうだな・・・と思ってしまうかもしれませんが、まずは一歩ずつ、少しずつ身に着けて、御一緒によりよい成果を目指せるように頑張ってみませんか。

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