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ポケモン対戦の初心者が自分のプレイングの間違いに気づく方法とは?

先日から複数回、ポケモンに関する記事を書かせていただいています。
  ランクマッチで勝ちたいなら「ダメージ計算」をできるようにしよう!|へる (note.com) 
 「初手出し負けリスク」からプレイングで重要なことを学ぼう|へる (note.com)
 より早く、より上手くなるために。「なんとなく」の対戦から卒業しよう!|へる (note.com)
ポケモンのパーティーで絶対知らないといけないことを知ろう!|へる (note.com)
「相手の順位が高いほどマイナーポケモンが刺さりにくい」のは「知識があるから」だけじゃない!|へる (note.com)
なぜ飛行ポケモンに対して「じしん」を打てるのか|へる (note.com)
どうすれば「ブッパだ!」と言われるプレーを減らせるのか|へる (note.com)
やたら細かい努力値の振り方ができるためにはどうすればいいのか|へる (note.com)
「ダメージ感覚」を身に着けて効率的に上手くなろう|へる (note.com)
テラスタルという要素を客観的にとらえ、対戦に必要な要素を学ぼう!|へる (note.com)
なぜ初心者は「過去にだけ流行した型」を使うべきではないのか|へる (note.com)
「新しい型を積極的に作る必要があるプレイヤー」と「そうすべきでない初心者」は何が違うのか|へる (note.com)
僕がでんきだま投げつけるコノヨザルを使いたくない理由|へる (note.com)
ポケモン初心者にとっての「レート1700」とはなんなのか?|へる (note.com)
ポケモン対戦初心者が絶対に抱えてはいけない「悪い癖」を知ろう|へる (note.com)
どんな人が「ポケモンで対戦環境を気にしない」せいで上達しにくいのか?|へる (note.com)
本当にポケモンSVはランクマッチ対戦に使える「ポケモン」が少なめなのか?|へる (note.com)

 これは初心者うんぬんというより、この記事を書いている私は勿論、おそらく上位の方々も同様だと思いますが、「常に最善の選択をとれる」わけではありません。
 「いけね!間違えた!」となったものは当然次回への反省とすることになりますし、それによってプレイングが上手くなっていくことになります。
ただ、これを初心者の方に限定すれば、ちょっと話が変わってきます。というのも、ある程度慣れている人であれば、「あ!今の自分の行動絶対おかしかったな!」というのを、変な話ボタンを押した直後に気づくことすらあるのですが、初心者であるほど「自分が滅茶苦茶なプレイングをしていることに気づく方法が少ない」からです。
 結果、初心者の方ほど、「結果として勝ったか負けたか」が「自分の行動選択が正しかったか間違っていたか」の指標にしてしまいやすく、結果として間違った認識を持ち続けてしまいがちになります。

「正しい行動をとったから勝ったとは限らない」

「間違った行動をとったから負けたとは限らない」

「正しい行動をとれば勝率は上がるが、逆に言えば勝率があがるだけJ

 この点だけはまず認識していただかないと、上記のような「結果だけからの判断」を延々繰り返してしまいます。

〇正しい行動を自分がとれば常に勝てるわけではない

 身もふたもないことをいえば、自分あるいは相手がただの乱数(運)だけで勝利できることは仕様上どうしても存在します。
 スカーフパオジアンがぜったいれいどを3連続で当てればその試合は勝てるでしょう。でもわざわざ詳しく述べるまでもなく、スカーフパオジアンがぜったいれいどを連打する必要があるようなプレイングは明らかに間違っています。
 ここまで極端な例ならイメージしやすいと思いますが、対戦上はもっと「隠れた」乱数の影響はたくさん現れます。「素早さが同値の場合の50%勝負」「ダメージの乱数幅」「急所」その他もろもろ。仕様上どうしようもない乱数の影響は残念ながら存在するんです。

 また、「自分が正しい行動をとった」としても、「相手が正しい行動をとった」のであれば、その結果自分がまけてしまうことだって存在しますし、「勝負に影響する要素」は自分だけでなく相手にもあるわけですから、自分が正しいことだけが結果に現れるわけではありません。

 つまり、「自分が正しい行動をとっていたとしても負けることはある」し、その逆もあるんですね。だから私たちが正しい行動をとれたかは、極論勝敗の結果とは必ずしもリンクしないので、そこをベースに検討するのは間違っています。

 では、どうやって検討していくことになるのでしょうか?

〇理想だけを言えば「思いつく限りのパターンの検算を試合後に行うべき」

 これはあくまで理想論ですが。

 例えば自分が1試合ゃったとします。勿論見せ合いから選出するところからです。それを全て録画しておいたとしましょう。
 その中で、順番に「どうして自分がそれを選択したのかJI仮にそれ以外を選択していたらどうなるか」を、思いつく限り並べていき、その中で自分がとったものよりよさげな選択肢があったらそれを掘り下げて検討する。
 そういったことをすれば、少なくとも検討すべきことが漏れる危険は減らしていけるわけです。
 いわば、正解かの判断材料がないのだったら、すべて検討しちゃえばいいーじゃない作戦ですね。
 
 例えばAとBとCを選出したら、相手が1と2と3を選出してきた。
 もし自分がAとBとDを出していたらどうなるのか。
 あるいは1と2と4を出されていたらどうなるのか。
 例えばここで自分がAを初手に出していた。もし自分がBを出していたら?
 例えばここで自分がAでステルスロックをまいていたが、相手が攻撃してきていた。もし自分がここを攻撃していたらどうなったのか?
 検討しようと思えば無限大に検討ができます。さらに例えば同じAでも技構成やアイテムを変えていたら?と考えだせば、びっくりするほど勉強要素の塊です。

 といっても。
 まあ、ええ。
 現実的に「そこまでやれるかい」という反応が来るだろうことは想像に難くありません。
 個人的にはそういった思考実験をしていくと、自分の知識量や検討方法の精度が上がっていくのを身をもって実感できるので、勿論調べながらでいいからやってみるのもおすすめなのですが、まあハードルはどうしても高く見えてしまいますよね。

 もう少し絞った形で始める方法はなにかないのでしょうか?

〇おかしいのかも?と思うべき「匂い」に敏感になる

 もしこういった総当たり方式をとらず、かっ自分で気づくような材料が少ないといった状態になると、あとできることは「特定の気づきポイントを固めておく」ことが現実的です。
 とりあえずこういうことがあったら、仕方がないからできるだけ調べつつできるだけ広く検討する。そういうポイントを決めておくのです。

 では、こういうことがあったら「あれ?もしかして?」と検討してみてもいいかも、というケースにはどういうものがあるのでしょうか。
 私がおすすめするのは、「相手がしてきた行動の有用性が理解できないとき」です。

 私に起きたことで実例をあげましょう。
 私がこの2024年正月に経験したことですが、初手カイリューミラーになったとき、相手が初手にテラスタルもせずにれいとうビームを打ってきました。あとでわかった情報を含みますが、持ち物はいのちのたまでもじゃくてんほけんでもこだわり眼鏡でもありませんでした。
 私はそれをされたとき「(いろいろな現実的な可能性を考えて)今いくらなんでもそれはないだろう」「なにを狙ってそうしたんね」と思ったのですが、自分が間違っているかもしれないので検算をしてみることにしました。

 皆さんご存じのように、カイリューは努力値の振り方がかなり多様化しており、HPに努力値をかなり厚くふっている個体も相応存在します。よって、奇数調整したとして、HPに努力値を244ふったカイリューに、特殊に正確補正をかけて努力値を特殊に252ふったカイリューがれいとうビームをうっと、1 マルチスケイル込みで最大57.9%のダメージが入ります。
 仮に攻撃にも252努力値を振っていたとして、ノーマルテラスしんそくを防御への努力値は振られておらず、スケイルショットなどでランクが-1ランクになったカイリューにうっと67%まで伸びます。
 こういった計算をいろいろしていく中で、相手が居座りかられいとうビームをうつことで対面の私のカイリューに勝つ流れを考えてみると、例えば

①私が先に動き、直接接触技を相手のゴツゴツメットを持っているカイリューに打ち込み、それに耐えたうえで相手がれいとうビームをこちらのカイリューに撃つ
 →半年以上前であればげきりんを打ち合うなどがありえたかもしれませんが、おそらく今打たれるならスケイルショットだと思うので、現実的にどうでしょうか。
②私のスケイルショットを先に撃たれても絶対に耐え、私のカイリューがしんそくをもっておらず、相手のカイリューがしんそくを持っている場合
 →相手のカイリューが防御に性格補正をかけた上でHPに244、防御に255努力値を振っていても、いじっぱりA特化カイリューのスケイルショットがいかさまダイスをもっていてで50%で5発あたれば100%を超えるダメージになるはずですし、もしそれだけ耐久を振っているとれいとうビーム+しんそくでもHPに244ふったカイリューがおちないように思います。
③私のスケイルショットを相手のカイリューが確実に耐え、相手がじゃくてんほけんをもっていて、私のカイリューがしんそくをもっておらず、相手のカイリューがしんそくを持っている場合
 →耐久にそれだけ努力値を振ってしまうと、HPに244振つであるカイリューに対してはランク+2が入ってもダウンさせられないので、しんそくの打ち合いになってしまう

 といったものがでてくるのですが(他にもまだまだたくさん理論上はありえます)。
 なんとなくイメージができるかもしれないのですが、そもそもこの2024年の頭に「いじっぱりA特化ダイスカイリュ-」の存在を「そんなのいるわけない」と断じる、あるいはダイスの仕様上50%で5回命中するのを「あたるわけがない」と断じるのはさすがにどうなのでしょうか・・・といったものばかりでした。
 さらに言うなら、相手も弱点技を打っている以上、じゃくてんほけんに関しては相手が先に動いているなら同じことになるとかもありますよね。

 こういったもろもろの考慮をあまりせずに4倍弱点のれいとうビームを打ったんじゃないか、あるいは古代の記憶を引きずって、あいてがしんそくを打ってきて先にゴツメにさわると決めつけていたんじゃないか。
 勿論真実はわかりませんが、そんな気すらしないではありません。

 私は、そもそも特殊にしてもれいとうビームを初手に撃ってくるカイリューはメタ考慮から切っていましたし、おそらく選出画面にいたハパタクカミへの交代などが行われるか、相手のカイリューがテラスタルするかを見越して、後ろと入れ替えていました。
 それは、先ほど行ったような計算を過去に自分がしたことがあり、さすがに分が悪すぎてやれないよな、と思っていたからです。だから正直、テラスもされずに居座り冷凍ビームを打たれたとき、「え?なんで?なにを勝算ありと判断したの?」 という印象をもったので、ちゃんと再検討することにしたわけです。
 ただ、頭ごなしにそんなんありえないわ!というのではなく、改めて再計算することで、さらに知見を得られましたし、相手の調整次第では乱数次第でこちらが負けることもあることを改めて確認することができたので、自分の今後のプレイングにも活かせる材料を得ました。

 さて、これはあくまで私の視点の話でした。今度は相手の側を考えてみましょう。
 おそらく相手は、さも「絶対に相手のカイリューがテラスタルをせずに居座るだろう、そうしたら自分の勝ちだ」と当然のようにれいとうビームをうったら、なんか交代されたぞ?という感じになっているのでしょうか。
 どの時点が想定外になるのかは想像になりますが、「なんでテラスせずに居座らなかったの?Jみたいな疑問が出てくるのでしょう。
そういったとき、「なんでそうしたんだろう?わからん」とか、「そうされると自分にとって不利だったのか?」みたいな疑問がでるはずです。
 すると、きっかけは違っても、先ほどまで私がやっていたような検討を始めるきっかけにはなりますよね。

 こういった、「え?なんでそうされたの?」みたいなことが起きたら、それをきっかけにして選択の正当性を検討していただくのがよし寸〉と思います。
勿論検討の結果、自分の選択に問題はなかったという話になるかもしれません。でもそれは無駄なことではなく、自分のプレイングの質はちゃんと高まることになります。

〇ちょっと変わったことも検討のポイントになりうる

 先のお断りとして、これは「切断」という行為を肯定的に扱う話ではありません。
 これはくれぐれもそのつもりでお読みください。

 ただ、中身的にアレなので、あまりこういう話に触れる記事が他になさそうなのもあり、まあこういう視点をお伝えする人が一人くらいいてもいいと思うので、あえてここでは触れたいと思います。

 皆さんは対戦中、相手に切断されたことはありますか?
 勿論よい行為ではないのですが、一回その話は横において冷静に客観的に見たとき、たいてい相手が切断してくるときは一部の意図的なものを除けば、相手が何らかの怒りを感じた時になるはずです。
 その怒った理由として、運の下振れだったりといった、自分に直接関係ないものが勿論ほとんどですし、そういったときに切断された場合は「対戦相手はダメなやっちゃなあ」という話しかしょうがないのですが。

 ただ。

 うまい表現が難しいのですが、あまりにこちらのプレイが滅茶苦茶なヤンキープレーすぎて、極端にいえば「さすがにいくら何でもそのプレーは対戦なめすぎてるだろ!ありえない!ふざけんな!」といった趣旨の系統の怒りを持たれていた可能性もないとはいえません。

 私も現在多数の対戦をする中で、「いくらなんでもそのヤンキープレーはランクマッチでやるのは相手をおちょくってるととられても仕方ないからやめたほうがいいぞ・・・?」と思うことをされたこともあります。
 これが人間同士が面と向かって戦うなにかであれば、勿論紳士的にという前提のうえでなにか相手に伝える手段があるのかもしれませんが、このゲームには相手に意思表示をする機能が一切ついていないので、善意だろうが悪意だろうがそもそも、相手に意図をお伝えする方法がないんですよね。
 なのでというか、まあ、昔の作品で私が駆け出しで滅茶苦茶やっていただろうころを思い返すと、ある程度慣れた今にして思えば、なんというか、こういった抗議というか「いいかげんにせえよ」といったの意図で切断されたんだろうな・・・といったような切断をされたこともありました。

 それから考えれば、今初心者の方が同じようなことになっていることもありえるかもなあ、とも思います。
 なんとなくニュアンスは伝わりますか?

 なので、「こいつ切断なんでしてきやがってふざけるな!」と勿論思うとしても、それこそ相手がひたすら麻揮で動けなくて怒ったかな?みたいな原因が推測できるものではなく、「え?なんで相手が切断してきたのか原因がよくわからんな?」 というような切断をされたことがもしまあまあ起きているとしたら、一応、念のため、直前等に自分が行ったプレーが極端におかしなプレイングじゃなかったかはこそっと再確認したほうがいいかもしれません。
 勿論それで「そんなことないな」となれば、それはそれでいいだけですからね。

 先述のように、教えてもらう機能は全くついていないので、可能性を自分で認識してセルフチェックするくらいしかできない以上、もしかしたら?という感覚をもつ機会自体はそれなりに設置してもよいと思います。

 しつこいですが、これは別に切断という行為の良しあしとは別の話なので、あしからず。

〇シグナルを受け取れても改善検討ができる行動選択をしていないと意味がない

 これはどんなものでも同じでしょうが、「自分に改善の余地があること」を認識しないとそこを直しょうがありません。
 なので、「俺今月200戦ゃったんだぜ!絶対上手くなったろ!」みたいな方よりも、対戦回数が20戦であとは座学で勉強した方のほうが上手くなることは普通にあり得ます。

 ただ、そのためには。

 前に書いた記事でも述べましたが、自分が「どうしてその行動を選んだのか」を整理しながらプレーしていないと、「もしかしたらここおかしかったのかもしれないJとせっかく気づいて勉強しても、結局実際の対戦で「なんとなくこれでいいかJと行動を選んでいては全く成果を活かすことができません。
 もし自分の対戦をキャプチャ一等で録画できるのであれば、そういう意味でも録画しておくのはよい勉強になるとおもいます。
 行動の再検討という意味ではなくても、例えば翌日に自分が対戦していた動画を見て、「どうして自分がそうしたのかよくわからん」みたいなことがおきたり、そうまで言わなくても、例えば2択でその時悩んでいたのに見直してみたら同じ悩みにならなかった、とかであれば、そもそも「考えてプレーする」ということ自体が不安定になっている危険もありますよね。

〇まとめ

ということでまとめます。
・理想は自分の行動を全て見直すことだが、現実的には難しいので、シグナルを受け取れるよう気を付ける必要がある
・理解できない現象が起きた時はちゃんと見直すべき
・「なんだよ」と思うことにもシグナルが隠れていることもある
・受け取れたシグナルを活用するためにも、自分の行動はちゃんと理由をもって選択する必要がある。

 いかがでしたでしょうか。
 「勉強せな!」というのは簡単なものの、なかなか最初はとっかかりを得るのが難しいもの。でもとっかかりになるものをしっかり認識できれば、勉強の効率はかなり良くなります。
 もしこの記事が皆様のプレイング研究に少しでもお役に立てれば幸いです。

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