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「ダメージ感覚」を身に着けて効率的に上手くなろう

〇記事の趣旨

先日より複数回、初心者の方に向けたポケモンの記事を書かせていただいています。
  ランクマッチで勝ちたいなら「ダメージ計算」をできるようにしよう!|へる (note.com) 
 「初手出し負けリスク」からプレイングで重要なことを学ぼう|へる (note.com)
 より早く、より上手くなるために。「なんとなく」の対戦から卒業しよう!|へる (note.com)
ポケモンのパーティーで絶対知らないといけないことを知ろう!|へる (note.com)
「相手の順位が高いほどマイナーポケモンが刺さりにくい」のは「知識があるから」だけじゃない!|へる (note.com)
なぜ飛行ポケモンに対して「じしん」を打てるのか|へる (note.com)
どうすれば「ブッパだ!」と言われるプレーを減らせるのか|へる (note.com)
やたら細かい努力値の振り方ができるためにはどうすればいいのか|へる (note.com)

今回は「ダメージ感覚」という技術、知識を身に着けると、効率的に上手くなれるということを書いていければと思います。いつもよりは少し短めですが、少しでも初心者の方の参考になればうれしく思います。

 対戦中に使える時間は当然有限ですから、事前にできる限りの用意をし、試合中に必要な時間を減らすことで、対戦中でしかできない思考に充てる時間を増やすことができます。
 主に対戦前にできる準備としては、ポケモン対戦の基本を学んだり、ポケモン自体や技といった個別の知識を増やしたり、パーティーの流行りを知ったり、そもそもの自分のパーティーの強み弱みを知ったり等。多くは知識的なものです。
 これらの知識面はもちろん対戦中だって調べることができますが、短い時間の中では限界がありますし、これ自体知っていればいいことです。ポケモン対戦の基本や、個別の知識といったほとんどのものは、一度身に着ければずっと使える知識なので無駄になりません。

 その中でも、特に応用が利きやすいのは「ダメージ感覚を養う」ことで、個別にいちいち覚える必要があるような項目をだいぶ減らして実際の対戦中の時間節減に役立てられます。

〇持っている情報とダメージ感覚の組み合わせはこう役立つ

 例えばAS特化ようきのガブリアスが、「じしん」をHB特化図太いサーフゴーに撃ったとしましょう。
 この場合ダメージは66~78 .4%入ります。じゃあガブリアスがこだわり鉢巻をもっていたらどのくらい入ると思いますか?

 同じようにダメージ計算をすると、99~117.5%入るとわかるのですが、これ、わざわざダメージ計算機に入力しなくてもある程度わかりますよね。
 だってこだわり鉢巻は、「持たせると攻撃が1.5倍になるが、同じ技しか出せなくなる」アイテムですから、つまりはダメージが1.5倍になるはずです。66%の1.5倍って99%ですよね。
 これが、「AS特化ようきのガブリアスが、じしんをHB特化図太いサーフゴーに撃った」経験をダメージ感覚として得られたことと、アイテムの効果の知識の組み合わせで、AS特化ようきのハチマキガブリアスがHB特化図太いサーフゴーに撃った時の状況を推測できるようになる効果です。
 じゃあもしガブリアスがこだわり鉢巻をもってじしんをうったとき、サーフゴーがノーマルテラスをしていたらどうなりますか。計算機上は49.5%から58.8%のダメージになると出ますが、これもなんとなくそのくらいだろうなってわかりますよね。「弱点はダメージが2倍になる」わけで、「弱点じゃないなら弱点のときの半分くらいのダメージJになるわけですから。
 このように、「ある1つの基準となるダメージ感覚」を身に着けているだけで、いちいち個別の状況を覚えていなくても、結果の推測がたつようになるのがわかります。
 ただ、ここまでは正直初心者の方であっても「そりゃそうだろ」で終わってしまうかもしれない話です。

 じゃあ今度は、同じ調整で鉢巻をもっていないガブリアスが、相手のHB特化ずぶといハリーマンにじしんをうったらどのくらいダメージが入ると思いますか?ハリーマンの特性に「いかく」がありますが、これは今は考えなくてよいです。
 ハリーマンは「あく・どく」タイプなので、「じしん」は弱点になります。また、サーフゴーの種族値はHPが87、防御が95ですが、ハリーマンの種族値はHPが85、防御が95です。
 ということは、HB特化図太いハリーマンにじしんを打った時のダメージは、サーフゴーにじしんを打った時と「そんなにかわらない」はずなのがわかりますか?つまりどのくらい入るか計算機を回す前に予想すると、1 66~78 .4 % よりちょっと大きいくらいじゃない? と思いませんか。
 じゃあ実際にダメージを計算してみましょう。66.7~79 .2 % になるはずです。概ね予想どおりですよね。

 これは、サーフゴーのダメージ感覚を基準点として、種族値の知識を組み合わせることで、実際に計算をしなくても他のポケモンへのダメージがなんとなくわかるということです。これさえわかっていれば、よほど正確な数値が重要にならない限り、鉢巻を持った場合、テラスタルをした場合等について、わざわざ個別に調べなくてもなんとなくわかるわけです。
 ところで、これは自分と相手の立場が逆でも使えますよね?
 自分がサーフゴーを使っている場合で、相手の鉢巻ガブリアスにどれくらいダメージを受けてしまうの?というのもわかるわけです。

 これ、割とあっさりと言っていますが、実際問題すごい大きいことだと思いませんか?明らかに個別に覚えないといけないことが減ってますし、個別に計算しないといけないことが減っていますよね?
 ただでさえ慣れていないうちは覚えないといけないことが多いわけですから、だいぶ楽になると思いませんか?

〇「ダメージ感覚」は「対戦中の情報取得」にも役立つ

 じゃあ次に、もし同じ調整でアイテムを持たないガブリアスが、調整不明の相手のサーフゴーにじしんをうったら、95%くらいダメージが入ったとします。
 御自分で今計算してみてほしいのですが、もしサーフゴーがなにも耐久を振っていなかったら、そもそも耐えていないはずです。そして、先ほど計算したとおり、HB特化ずぶといサーフゴーならこんなにダメージを与えることはできません。ということは、「なにかしら耐久を振っていそうだけどHBずぶとい特化ではない」ことがわかりますよね。

 もちろんダメージ量には乱数要素があるため正確には想像できませんが、「耐久が結構振っていそうだけどHB特化ではない」サーフゴーという情報と、例えば「今のサーフゴーの流行の型はHD特化B4ぶりずぶとい」みたいな状況の情報があれば、「もしかしたらそれでは」とアタリをつけてダメージ計算してみることができます。さらに、例えば先月の上位入賞者の方のパーティーに6体の組み合わせが似ていたとしたら、もしかしたらそのパーティーを真似ているのかも?というところも予想が進みます。
 実際計算機でやってみたらどうなりますか?、怪しそうな数字になりそうですね。
 このように、別の調整のダメージ感覚をちゃんと持てていることで、別の知識との組み合わせでこれだけの「目に見えない」情報の推測ができるようになるんです。

 この手の効果は、複数の組み合わせでより効果が高まります。
 例えばですが、相手のポケモンが既に3体わかっている状態でサーフゴーがHBDっぽいというとき、流行りのパーティーにそういう3体の組み合わせで選出をするのものがあれば、「あれと同じかも?J と推察できるようになります。
 また、まだ相手が他になにを選出しているか1体わかっていないタイミングで、相手が飛行タイプ、あるいは特性がふゆうのポケモンが選出画面にいないのに、そういうサーフゴーとドオーが選出されていたとしましょう。
 まあ常識的に考えれば、最後の1体は「相手がカブリアスにじしんを打たれでもなんとかなる」ように選んでいるはずですから、じしんを半減できたり、数値受けができたり、アイテムのふうせんを持っていたりする可能
性が高いのではないか、と考えることができるでしょう。

 このように、なんとなくの感覚の蓄積があることで、単純に必要な知識量が減るうえ、単発で持っている知なんとなくわかる」ことの幅が圧倒的に増えていくのがわかると思います。まるでベテランのプレイヤーのようだと思いませんか?
 勿論実際には乱数なのか確定なのかみたいな細かい数値の計算は重要なのに変わりありませんが、有限の時間で戦略を組み立てていく中で、計算の必要性一つとっても実際に計算しなくても計算結果がわかることは非常に有効なのは想像がつくと思います。
 
 そして、このダメージ感覚のいいところは、ひたすらホームページなどをにらめっこしながら丸暗記していかなくても、実際の対戦をする中で蓄積していくということです。
 私のようにひたすらにらめっこしていることが苦でない人もいますが、そうはいってもずっとにらめっこしているのは面白くない、という方もいるでしょう。「さすがに少し勉強が続きすぎだから、少しレートに潜って実戦をしよう!」というときにも身に着けられるというのは、継続して学習していくうえではうれしいことなのではないでしょうか。
 実際の試合では力及ばず負けてしまっても、その中にこういった得られる情報があると思えば、負けて悔しい思いをしでもなおやる気にもなるっていうものですよね。
 なにより、勝敗の結果はともかく、その「経験Jが、ゲームの「経験値」のように確かに自分の中に蓄積していって上手くなれる証明でもあるわけですから、やるだけ意味があるんだとも思えますよね。

〇まとめ

ということで、今回の話をまとめてみたいと思います。
・ダメージ感覚は単純に必要な知識の量を減らせる
・ダメージ感覚は知識の不足を補うことができる
・ちゃんとした量の知識とダメージ感覚の組み合わせは確実に実力に反映される
・ダメージ感覚は試合で負けても経験値としてちゃんと蓄積できる
 いかがでしたでしょうか。頑張る、といっても少しでも楽をできるところは楽をしたいものですし、なにより上手くなるのが早くなるなら取り入れたいですよね。
 ぜひ皆さんも私たちと一緒に、少しずつでも身に着け、ポケモンが上手になっていけるよう頑張りましょう。

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