「相手の順位が高いほどマイナーポケモンが刺さりにくい」のは「知識があるから」だけじゃない!
〇記事の趣旨
先日より複数回、初心者の方に向けたポケモンの記事を書かせていただいています。
「ダメージ計算ができるようになれば基本は身につく」という趣旨の記事 ランクマッチで勝ちたいなら「ダメージ計算」をできるようにしよう!|へる (note.com)
「初手出し負けリスク」からプレイングで重要なことを学ぼう|へる (note.com)
より早く、より上手くなるために。「なんとなく」の対戦から卒業しよう!|へる (note.com)
ポケモンのパーティーで絶対知らないといけないことを知ろう!|へる (note.com)
今回は、初心者の方が意外と気づきにくい、単に「知識の有無」にとどまらない技術にどういうものがあるかが見える話を書きたいと思います。
ちょっと今回、記事の入力方法を少し変えてみたので、もし読みにくくなっていたら申し訳ありません。
〇「知識があるから」で考えが止まっていませんか?
皆さんにはこういった経験はありませんか。
かなりマイナーよりのポケモンをメタ的に、あるいはどうしてもそのポケモンが使いたいからとバーティーに入れた時、相手が同じようなボケモンを使っているはずなのに、ハイパーボール級までは割と活躍できたのに、マスターボール級ではなんか活躍できない、みたいな。
これ、単に「上手な方ほど、知識があるから、マイナーポケモンのことも知っている」では終わらない、はっきりとした理由があって、そこからプレイングに関して大きな学びがあるのです。
〇勿論知識があることが影響してはいる。
とはいえ、その説明のためにもまずは知識面の話をするのですが。
まずは「マイナーポケモンはやれることに幅がなく、なにかのスペシャリストとしてしか使われない」というのをまずは認識しないといけません。
例えば、初手に出てきてステルスロックをまくことができるポケモンに、「コノヨザル」と「ドンファン」がいます。
このうちコノヨザルは比較的ポピュラー〈レギュレーションDでは前ほど見かけていませんが)ですが、ドンファンはマイナーといってよいでしょう。
コノヨザルは、初手にでてきてステルスロックを使ったり、いのちがけで1体交換をしてきたり、ビルドアップして積みエースになったりと色々使い方があるので、コノヨザルだけを眺めていても、どういった技構成かはわかりません(判別方法的な話はあとでします)。
しかしドンファンは、基本的に初手にでできて、ステルスロックとこおりのつぶてをもちつつ、せいぜい択があるとすればがむしゃらを持っているかどうかというくらいです。後ろから出てきて強いドンファンは見たことがありませんし、私は現状思いつきません。
ではなぜこの2つの違いが出るのでしょうか。
〇マイナーポケモンは「普通」に使おうとすると、性能上なにかの劣化品になってしまう。
いわゆるマイナーよりのポケモンは、例えば種族値が低めだったり、覚える技の種類が少ないため、「適当に使うだけだと種族値が高いポケモンの劣化品になる」ものが多いです。
どうせ同じわざの組み合わせを使って戦うなら種族値が高いほうがいいですよね。
どうせ同じ特性のポケモンを使うなら、種族値が高いほうがいいですよね。
だからマイナーなポケモンは、「自分よりも土台が都よいポケモンにはできない、このポケモンにしかできない強いこと」を用意することで、そのポケモンを使う意味を持たせる必要があります。
そうはいっても、マイナーなポケモンがアイデンティティーを保てる調整は、さすがにそこまで多くありません。その結果、型が少なくなってしまうんですね。
端的に言えば、「マイナーポケモンはスペシャリストになるしかなく、スペシャリストにしかなれない」ということです。
しかし勘違いしないでください。
別にだからマイナーが弱い、という意味でもありません。
スペシャリストとして適切な立ち回りができれば、ポピュラーなポケモンと同等以上に強いのです。しかし適切な立ち回りができなければ、正直なんの役にも立たない・・・料理の達人をサッカーの試合に連れて行ってもしょうがないのと同じです。人材は正しく使わなければなんの意味もありません。
いわゆるポピュラーなポケモンは、担える役割が多いからこそポピュラーになりうる、ともいえますね。
だから、相手がそのポケモンがなんのスペシャリストになれるかを知っているかどうか、対処法を知っているかどうかで勝率が圧倒的に変わってしまうのは事実です。
〇でも知識があるかどうかは「踏み台」にすぎない
今回の話はここから始まります。ここまではあくまで前段の基礎知識にすぎません。
この話のキモは、「相手がなにをしてくるか」というのを、対戦相手は選出画面から考えているし、強い方であるほどその考察を精密に行っている、という話なのです。
先ほどの例をもう一度取り上げてみましょう。
コノヨザルはたくさん型がありますよね。それ自体は初心者の方でも、ある程度は知っていると思います。でも相手の方がそのたくさんの型のうちどれなのかを推理し、そのパターン別に対策を検討し、一番可能性として高いものに基づきながら、最終的な選出を決めることができないと、自分が有利になることはありません。
どの型なのかわからないから適当でいいや、といってしまっては、知識を持っているアドバンテージを全く活かせていないですよね。
例えば、相手のパーティにコノヨザルとディンルーの両方がいる場合、コノヨザルが単体でいるよりも、ヨノヨザルがステルスロックを持っている可能性は減ります。普通に考えて、コノヨザルとディンルーの両方が初手ステロ役として用意する必要がないからです。
仮にディンルーではステルスロックを使えない相手にコノヨザルがステルスロックを余裕で使えるみたいなかみ合わせなら別でしょうが、そもそもディンルーが堅すぎて、ディンルーでステルスロックを使えないのにコノヨザルでは使えるという場合はあまりないでしょう。
つまり、コノヨザルとディンルーのどちらかは、ステルスロックをまくためにいるのではなく、例えばチョッキデインルーだったり、身代わりビルドアップコノヨザルだったりする見込みが高いです。
もちろんどちらがどちらかはわかりませんが、少なくともステルスロックを使えるポケモンが1体の場合よりも、持っていない可能性は高まりますね。
〇マイナーポケモンは推理のとっかかりを与えてしまっている
こういった推理を重ねることで、上手い人ほど、相手の策にハマりにくくなっていくわけですが。
これはつまり、それぞれ個別にどういう調整があるか知っているのはあくまで前提で、それをもとに相手の狙いを予見したり、試合の流れを予想したうえで、自分の選出を決定している。だからマイナーポケモンが結果として立ち回れないということなのです。
マイナーポケモンの知識、というのはあくまで推理のとっかかりであって、推理の裏付け材料にしやすい、というだけにすぎません。ただ、その的中率が圧倒的にコノヨザルよりもドンファンのほうが高くなってしまう「だけ」・・・だと思いますか?
いいえ、そうではないんです。この的中率が明らかに高くなるということ自体対戦において相当なアドバンテージになってしまうので、それができる方がより有利になってしまうのですね。
個別のポケモンの推測がたつということは、相手のパーティーがどう立ち回りたいのかが推測できてしまいます。すると、相手が持っていきたい試合の流れを推測することができてしまう。ということはそれを妨害したり、ごまかしたりする方法を事前に考え、パーティーに含まれているというなら選出できる・・・ということなのですから。
それこそがまさに、勝率に直結してくる重要な要素ですよね。
〇強い方にマイナーポケモンが刺さった場合からも学べることがある
さて、ここからは今までを裏返した視点での話になります。
明らかに自分よりも格上の方にあたったとき、マイナーポケモンが暴れて勝つことも現実には発生します。
まずは一言。
おめでとうございます。
対戦に勝利したということ自体は非常に喜ばしいことです。
でも、勉強として考えた時、必ずしも喜べない場合もあると知っておかないと、目先の結果だけにとらわれてしまう危険があることもまた知っておく必要があります。本当の意味でおめでとう、となるのはこの先なのです。
さて。
先ほどまでの話でいえば、相手が相応のベテランの方であれば、「知識がないから暴れる
ことができた」とは考えづらいです。つまり、相手の予測が外れたから暴れることができた、と考えるべきなのですが、ここで重要なのは、「なぜマイナーポケモンという当てやすいポケモンがいる状況で、それでも相手の予想が外れてしまったか」ということです。
あなたが使ったそのマイナーポケモンがだれも知らないとても強い新型だったとか、本当に相手が知らなかったみたいなことがないとは言いませんが、おそらく一番可能性として考えられるのは、そしてなによりこれが一番よろしくない結論ではあるのですが。
「いくらなんでも、まさか選出されると思わなかった」
です。
マイナーポケモンはスペシャリストゆえ、特定の状況でなければ本当の意味で活躍することはできません。無理な時は無理なのです。そして無理な時に選出してしまうと、役に立つことができません。
選出画面で6体お互いが見せ合っているとき、相手のボケモンの中にそのマイナーポケモンが絶対に活躍しようがない状況を作れ、かつ他の自分のポケモンに対しても強く出れるようなポケモンが1体ないし複数存在していたとしましょう。まあサーフゴーとかがありえますよね。
すると普通に考えて、そのポケモンを相手が選出する可能性は高いですよね。そしてそれでもマイナーポケモンを選出してしまっていたら、結果はかなりよろしくないことになるのは見えてみます。
それなのに、自分がそのマイナーポケモンを選出してしまうのは、「上手下手論」なり「勝率論上の正解」の考え方でいうなら、明らかに間違いなのはなんとなくわかると思います。
つまり、常識的に考えてそのマイナーポケモンを出してしまうとそれらを出されて圧倒的な不利になってしまうから、それをケアして出すはずがない、と推測された選出を自分がしてしまったのではないか、という疑いが出た、ということなのです。
〇勝てたから自分が正しかった、とは限らない
自分が勝利したことは、自分の判断がすべて正しかった、あるいは相手の判断が間違っていたことの証明にはなりません。結果として勝ったとしても、もしかしたら、自分があまりにもとんでもないプレイングをした結果、たまたま勝ててしまった、という可能性を否定できないのです。
「勝ちは勝ちなんだからそんなの相手の負け惜しみみたいなもんだ、結果がすべてだ」という方もいるかもしれませんが。
何度も私の記事で触れているように、ランクマッチ対戦というのは勝率を高め、負ける可能性をつぶしていくゲーム、試合数がかさんでいくゲームですから、今回勝ったか負けたかなんて言うのは、言い方は極端ですが全体の中ではささいなことになるかもしれません。
客観的に見てもし相手の判断が正着だったなら、対戦を繰り返したとき順位が高いのはきっと相手のほうで、ランクマッチという場での「勝者」は、結果として順位が高い者です。
今後のことを考えれば、自分がおかしな判断をしていたのであれば見直さないといけません。
だから、もしこういった勝利をすることがあったら、ちょっと一回落ち着いて考えてみてほしいのです。先ほどの試合、そのマイナーポケモンを出すことで致命的な負け方をする可能性は本当になかったのか、あるいは高くはなかったのかと。
あなたが判断を間違えた可能性がある、というだけで絶対に間違えていたということも
ありません。客観的に考えを詰めて、それでも自分の判断に問題がないことが確認できたときが、あなたが実力という意味でも対戦に勝った瞬間です。
なお、余談として一応触れておく話になりますが・・。
おそらく、時たま、「そんなことは関係ない、俺は初手にこれを出すって決めてやってるんだ!」と思っているんだろうなあ、という方とランクマッチで対戦することもあります。
ただ、残念ながらそのプレイングにはどう考えても限界があります。ランクマッチは可能な限りの手段を尽くして勝つことに拘るための場所ですから、「それ以外」を優先することに拘って対戦を楽しむなら、他にもそういう方々が集まるカジュアルルールや、御友人とのフレンドマッチのほうが向くと思うのです。
なにより、せっかくランクマッチという場に参加してで対戦を楽しむのであれば、ランクマッチとしての楽しみ方をしないのはもったいないよなあ、と思うということを、私個人の見解ですが、とのお断りした上ではありますが、一応申し添えます。
私たちがみんなサトシであれば、種族値の限界を超えてピカチュウが全てたおせるのかもしれませんが・・・。
〇まとめ
やや長くなりましたのでまとめます。
・マイナーポケモンが上手い人相手に暴れにくいのは、単純に知識の有無だけではない0
・実際に重要なのは「試合の展開を予測することJであり、知識などはその材料。
・実際に暴れることができても、上手くなるためにはそこで思考を止めてはいけない。
いかがでしたでしょうか。
個別の知識について触れている記事は多々あるかと思いますので、私の記事ではこのような考え方、勉強し方等を中心に記載しています。今後ともそのようになるかと思いますので、もしよろしければお付き合いいただけますと幸いです。
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