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「へきち」は田渕正敏と松田洋和によるアート/デザイン/印刷/造本の活動です。 http…

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「へきち」は田渕正敏と松田洋和によるアート/デザイン/印刷/造本の活動です。 http://hekichi.info/

最近の記事

へきちの本棚10(タバネルブックスの本)

へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第10回目はへきち展「#タイムラインを涼しくする」タバネルブックスでの開催に合わせ、タバネルブックスで開催。今回は店主の中野さんも交え、タバネルブックスの本からレコメンドをします。 To je Praha 文 Olga Cerna 絵 Michaela Kukovicova Year: 2015 Publisher: BaoBab Design: Juraj Horvath Print

    • へきちの本棚9(食べ物の本)

      へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第9回目は「食べ物の本」を紹介します。 帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。 高山なおみ 発行日_2009年4月10日 発行所_ロッキング・オン 写真_日置武晴 デザイン_山本知香子 デザイナーとして会社に勤めていた20代後半、激務で疲れ果てる毎日の中でふと本を読みたいと思って軽い文庫を鞄に放り込んで出勤するようになった。ブックカバーが欲しいと思って雑貨屋に出かけると、

      • へきちの本棚8(NYABFで買った本)

        へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第8回目は松田が遊びに行きました、Printed Matter’s NY Art Book Fairで買った本をご紹介します。 Hello Future Farah Al Qasimi year: 2022 publisher: Capricious Foundation / NY, USA book design: Studio Lin Capricious Foundationで

        • Pages | Fukuoka Art Book Fair 2024

          10/14-16の3日間で、Pages | Fukuoka Art Book Fairが太宰府天満宮で開催された。主催は薬院にある本屋青旗の川﨑雄平さん、INN THE PARK 福岡の瓜生賢太郎さん、Tokyo Art Book Fair(TABF)でおなじみの東直子さんのお3方。100組ほどの出展者は福岡、九州周辺はもちろん、東京から、台湾、韓国、香港のアジア、オランダ、ニュージーランドなどからも参加していた。ブックフェアに関連してトークイベントやジン制作などのワークショ

        へきちの本棚10(タバネルブックスの本)

          へきちの本棚4(TABFで買った本)

          へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第4回目はへきちも出展者として参加しました、Tokyo Art Book Fairで買った本をご紹介します。 Gonggi 0.1, the object date: 2020 publisher: ADD TO CART illustration & design: 0.1, the object 昨年ポポタム(本屋)の韓国フェアで魅力的なイラストレーションだなと思って買ったレター

          へきちの本棚4(TABFで買った本)

          へきちの本棚7(続・写真の本)

          へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第7回目のテーマは前回に続いて「写真の本」です。 写真と生活 小林紀晴 発行日:2011.11.30 発行所:株式会社リブロアルテ 発売所:株式会社メディアパル ブックデザイン:トサカデザイン(戸倉 巖、小酒保子) 前回の田渕選書を早速読んだ。それぞれの作家に異なる背景や事情があるにも関わらず、一冊を通して感じるのは小林紀晴の写真・写真家への柔らかい視点だった。何人かの作家は雑誌やテ

          へきちの本棚7(続・写真の本)

          へきちの本棚6(写真の本)

          へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第6回目のテーマは「写真の本」です。 写真講義 ルイジ・ギッリ 発行日_2014年6月26日 発行元_みすず書房 カバー_《グリッツァーナ、モランディのアトリエ》1989年 イタリアのニューカラーのパイオニア、ルイジ・ギッリが行った大学の講義を記録した本。実際に講義で使用された写真を収録していることもあり、本当に講義を受けている気持ちで読める。写真・カメラの歴史や技術的なことなどの実

          へきちの本棚6(写真の本)

          へきちの本棚⑤(2023年に読んだ本)

          へきちの二人、松田洋和と田渕正敏が、毎月テーマを決めてレコメンドをする企画、へきちの本棚。第5回目は「2023年に読んだ本」をテーマにそれぞれ6冊の書籍を選びました。 水車小屋のネネ 津村記久子 発行日_2023年3月2日 発行元_毎日新聞出版 装幀_中嶋香織 イラスト_北澤平祐 一羽の鳥と、その周りの人々の四十年の物語。 この物語に登場する人々の多くは、自分の意志で、自分の人生を見つめようとしている。その自分の人生に少しずつ他者の未来が含まれている。私たちはみな一人分の

          へきちの本棚⑤(2023年に読んだ本)

          へきちの本棚②(処方箋になる本)

          第2回のへきちの本棚では「処方箋になる本」をテーマに松田洋和と田渕正敏がそれぞれ6冊の書籍を選びレコメンド文を用意しました。会期中はそれをもとに参加者と対話しました。 下記にレコメンド文をアーカイブとして掲載します。 横道世之介 吉田修一 発行日_2009年9月20日 発行元_毎日新聞社 デザイン_原 路子 イラスト_南川史門 SNSなどを見ていると、ふと世の中が何者かになることを(振る舞うことを)強制しているかのように感じることがある。「何者でもない」ままでは自分に価値

          へきちの本棚②(処方箋になる本)

          へきちの本棚①(いい装画)

          第1回のへきちの本棚では「いい装画」をテーマに松田洋和と田渕正敏がそれぞれ6冊の書籍を選びレコメンド文を用意しました。会期中はそれをもとに参加者と対話しました。 下記にレコメンド文をアーカイブとして掲載します。 神様のボート 江國香織 発行日_1999年7月1日 発行元_新潮社 デザイン_安西水丸 イラスト_安西水丸 初めて「装画」という言葉を知ったのは、この本だった。中学2年だか3年のときに、表紙の涼しさに惹かれて手に取ったのだった。未だになぜこの絵が良いのかは、きちん

          へきちの本棚①(いい装画)

          へきちの本棚

          概要調布駅近くの調布スペースというアトリエでテーマに合わせて選書して見て話すイベント「へきちの本棚」を開催します。 初回となる今回のテーマは「いい装画」。 へきちのメンバーであるイラストレーター・田渕正敏とグラフィックデザイナー・松田洋和がそれぞれ「いい装画」という観点で選んだ5冊、計10冊の書籍とそれについてのテキスト(レコメンド文)を用意します。 開催時間を1時間の枠で区切り各10人募集します。 調布スペースではこれまでにへきちで制作してきた本も見られます。 へ

          へきちの本棚

          学び直しの英語(始めたこと)

          2021年2月、英語をやり直すにあたって何から始めようかなと考えながら書店の英語本の棚の前に立っていた。 なんとなく単語からかなと思って優しそうな内容の薄い単語本を手に取って気持ち良く目が通せたので購入した。音声がダウンロードできるので毎朝早起きして公園でストレッチをする際に聞いた。単語を覚えて聞いて声に出す30分が習慣になった。 現在38歳。 この歳になると流石に自分の向き不向きや好き嫌いは明確になっていて、何か新しい事を始めたときなど即座に「これは続けられる、続けられ

          学び直しの英語(始めたこと)

          学び直しの英語(きっかけ)

          英語については一生無縁と思っていた。 中学2年、どこかでつまづいて英語とは距離を取って生きてきた。高校も大学も就職も英語が出来なくて苦労したり困った事など無かった。 2011年に会社を辞めた後イラストレーターになった。 日本でやっていく分にはやはり英語は必要無かった。 その後、作品集を作り始めたりART BOOK FAIRに出展する様になって英訳が出来たり外国からの来場者と話せたりしたら良いなぐらいは思う様になった。でも一緒に活動するデザイナーの松田が僕より英語出来るから

          学び直しの英語(きっかけ)

          田渕正敏展“Choice”

          来月10月20日からブルーのポスターカラーで描いた“Choice”という連作の個展を行います。 描きたいと思うモチーフについて考える時、いつからか言葉では無く絵で捉えようとしている事に気が付きました。言葉でも言えるけど絵ならもっと言えるという感じ。 10年以上飽きもせずにゾワゾワしながら描けてるのは頭かどこかの回路が変なのかなと考えたりする。けれど、絵を描く事を始めるずっと前から物が気になって暫し眺めてしまうというような事はあって、その場を離れてもあの感じはなんだったの

          田渕正敏展“Choice”

          デザインに対する覚書。

          何かを習得するというのは、等しく「身体を思考によって制御する」側面を持つと思います。何も考えずに出来たことも、なぜそれが出来たのかを考える。無意識の領域を発見し、意識によって定着させ、反復することで無意識に戻す。また、出来ないことも同様に、意識することで何を考え、どう動けば出来るのかを導き、反復によって達成する。デザインは、一見するとただの見た目ですが、アートディレクション(全体の指針)とは別のところにも、そこには思考が隅々まで存在しています。 デザインを分解すると、意味、

          デザインに対する覚書。

          菊地敦己展

          G8でやっている、亀倉雄策賞受賞記念の菊地敦己展がすごく良かった。すごく良かったのだけれど、この「すごい」と感じた部分は、ここ数年モヤモヤと自分の中にある課題でもあり、感想というよりはその課題について、ちょっと書いておこうと思います。 どんな展示だったか。とにかく大量の製作物が、ある程度案件でカテゴライズされた状態でひたすら並べられている、一種のアーカイブ展であった。キャプションはどこにもなく、製作年代は15〜20年分くらいに渡っていたように見えた。個人製作物は一切なし。そ

          菊地敦己展