見出し画像

学び直しの英語(始めたこと)

2021年2月、英語をやり直すにあたって何から始めようかなと考えながら書店の英語本の棚の前に立っていた。

なんとなく単語からかなと思って優しそうな内容の薄い単語本を手に取って気持ち良く目が通せたので購入した。音声がダウンロードできるので毎朝早起きして公園でストレッチをする際に聞いた。単語を覚えて聞いて声に出す30分が習慣になった。

現在38歳。
この歳になると流石に自分の向き不向きや好き嫌いは明確になっていて、何か新しい事を始めたときなど即座に「これは続けられる、続けられない」という直感が働く。単語を覚え始めた時、英語続けられるかも知れないという予感があった。

英語は圧倒的に嫌いで苦手なはずなのになぜそう思ったのか。書店で英語の本を眺めた時、僕が中学生だった2000年とは充実度が全く違うと感じた。学習の方法が多様化した上で洗練されていて、音声やアプリやSNSなどと連動して習慣化するメソッドも確立されている。あの頃より英語が近くにある感じ。

…そんな感動があったのに単語より前に学習を進める事が出来なくなった。単語をどんどん覚えていく事に苦痛は無いがこの先どうしようと立ち止まった。
僕はまた書店に立っていた。今度は中学英語を一から学び直す問題集を買った。この分野もまた教材が豊富で手取り足取り解説された素晴らしい本がたくさんある。どれも最初はアルファベットからで「そこからかい?」と思いながらも確実にアルファベットは頭に入っているんだななどと確認していた。

話が逸れるがこんな時、書店があって本当に良かったと思う。僕は問題集や参考書はamazonでは選べない。毎日持ち歩いてめくって読んで書き込んで使うもの、そんな本でありノートである様なものは一度触れてから買いたいと思う。

仕事の合間に問題集を進める。中1をクリアして中2へ。過去分詞の辺りで手が止まる。そこに体育座りでたたずむ中2の僕がいた。僕はこの辺から英語と距離をとり始めたのだと悟った。

そこからは苦戦した。疑問がどんどん出て来る。何冊か本を買い足したり、検索を繰り返して学習したけどあまりにも進まない。先生が欲しいと思う様になった。

4月、「社会人 学び直し」と検索したら学び直しのための塾がある事を知った。迷わず見学に行って週1回1.5時間の授業を申し込んだ。
その塾の先生が素晴らしく、毎回予習して疑問をぶつけまくった。
だいぶ歳をとったけど若い頃に勉強を頑張った記憶が無いから若い頃はあんなに出来たのにっていう気持ちが全く湧かない。勉強の全てが新鮮だった。

欲求は止まらず英会話についても調べ始めた。英語が読めても聞けても話せない人が多いという話は聞いた事があった。学び始めたばかりの僕もそれは感じていた。ブックフェアで外国から来た人に話しかけられた時、知っているはずの単語すら出ずえーっととフリーズしてしまう。

そこで僕が選んだのはフィリピン人チューターとのレッスンが出来るサービス。毎日受講すれば1コマ190円未満という驚きの価格で、正直そこまで期待せずに無料体験をしてみたらチューターの聡明さとレッスン教材の充実具合に驚いた。

6月からほぼ毎日1時間(1コマ30分×2)のレッスンを受けてるほどハマってしまった。

登録されている何千人ものチューターの中から自分で選んだ人とレッスン。選ぶためのガイドとして初心者向きとか出身大学の情報などの簡単な自己PRはあるもののどんな人でどんなレッスンになるのかは実際に受けてみるまで分からない。
毎日冷や冷やしながら次々に性別・年齢様々な人のレッスンを受けてみた。
ハアイ!マイネイムイズ...!の後がしどろもどろになるレベルなので本当に毎回辛い。唯一の救いは職業の話。I'm an illustrator.と言うと目を輝かせて興味を示してくれる。でも唐突に相手が饒舌になるから全く応答出来ない。やはり辛い。
そんな中で「この人いいかも!」と思えるハロルドさんと言うチューターに出会った。ハロルドは歳が近くプロフィール写真の笑顔が素敵だったので選んでみた。
彼のレッスンスタイルはこちらの発言を待つ姿勢を貫き待つ間は常に笑顔。会話中は出来るだけ辞書や翻訳を使わず間違えても良いから自分の言葉を探すことを推奨。レッスンには教材を用いるが教材には無い質問を突発的に投げかけてくる。といった感じ。
レッスンの中でフィリピンの内情や日本について話してくれるのも嬉しかった。
一度で彼のレッスン無しでは生きていけない体になっていた。
ハロルドのレッスンは僕の生活時間にも合っていたので毎日の様に受講する様になって9/4現在トータルで68時間のレッスン時間の内41時間がハロルドのレッスンということになっている。
そのハロルドが急病でここ数日休んでいて僕は途方に暮れている。ちょうど僕の仕事の多忙と体調不良も重なり2日間レッスンをサボった。
気持ちを切り替えてハロルドが戻って来るまでまた初めてのチューターに挑戦してみようと思う。

いつかNY ART BOOK FAIRで自分で自分の作品集を売ってみたい。
(田渕)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?