2022年5月の記事一覧
エッセイ ごくありふれた あなたとわたし(小川洋子「遠慮深いうたた寝」感想文)
お話の中の登場人物が「あなた」と「わたし」だけで済むのなら、それで済ませてしまいたい。
別に怠けているわけじゃない。名前が沢山提示される物語がちょっと苦手なのだ。誰が誰だか分からなくなる。
それはけして物語のせいではなく、自分の脳みその問題だと思う。
会話するときは、だいたい2人。いいところ3人。つまり、「あなた」と「わたし」と「あのひと」で。それより多い時はほぼその場の全員を把握しきれ
エッセイ 居眠り姫 (尹雄大「親指が行方不明」感想)
高校生の頃、友人に「居眠り姫」というあだ名をつけられた。残念ながら、あだ名として意味を持っていたのは『姫』ではなく『居眠り』の方だ。つけたのは他の高校の友人だ。(その頃私は演劇部にいて、他の高校の部活と大会の共同運営などをしていた。)なんで私が居眠りしがちと知っているんだ、と非常に驚いた。
大学生になって、同じ専門課程の友人ができた。体の弱い女性だった。親しくなってあれこれ話すうち、「私とあ
エッセイ ふらふらフラミンゴ
デスクワーカーだ。(猫だけど)。
毎日、一日中パソコンの前に座っているものだから、ある日突然、ぎっくり腰になった。
重いものを持ったわけでも、変な姿勢をとったわけでもない。
繁忙期に狂ったように仕事をしていて、突然立ち上がれなくなった。立ち上がろうとするとぶるぶる腰の付け根が震え、ちょっと動かすだけで激痛が走る。
整形外科に担ぎ込まれ「ぎっくり腰ですね」の宣告を受け、休養。回復。その後