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近眼の娘

王子さまに会いたくて
真夜中を飛び出して早や20年
世界の端までは見れてないけど
ようやく気づけばアイツは幻想?
湖の見える山の麓の
小さなコテージで清掃業務
世界はとっても現実的で
見れば見るほど普通が溢れる
愛した数名 粉のように消え
忘れてしまうと とても楽だった
得てして生まれた傷跡たちも
ようやくグッスリ眠れるようで
夢を数えて記録しながら
私は今を確かめていた
ずるずる足を引っ張っていた
アイツは私を引き止めてたの?
夜明けの美しさを知っている
消える霧の中 目覚める太陽と
消えた星の数 目覚めるロマン
そんなことだって考えられる
王子さまに会いたくて
真夜中を飛び出して早や80年
世界の端から覗いてやっと
ようやく気づけた愛した幻想
それからの話はまた来世に





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