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きたのこうへい
2024年9月8日 10:39
コインランドリーに洗濯物を取りに行った。信号を渡ってランドリーの前に来たところで、前を歩いていた小学校低学年くらいの女の子が小銭をバラバラと落とした。俺は百円玉を一枚拾った。直接、彼女の手に渡そうと思ったが、彼女がビニール袋に小銭を入れながら拾い続けているので、俺もそこに入れた。「すみません」とたどたどしく申し訳なさそうな声で言われた。整然とはしていないアスファルトの凸凹に、まだ小銭があるような気
2024年3月6日 18:35
習作を書くときに考えていたことシリーズ。2作目の「光」について。まず、この書き出しについて。「告白」で何かを書くという課題が発表された直後くらいに、職場でこのセリフのようなやり取りがあった。言葉尻はもちろん違うが、絵の具と対比して照明は重ねるほど白くなるというやり取りは一緒。新人の子に教える先輩の言葉を聞いていた。これがすごくいいモチーフだから小説のネタになるなとその時は思って、とりあえず少し
2024年3月5日 04:32
ドトール。注文をする女性。一度会計を済ませたが、ポイントカードを出し忘れたとかで、やり直しを求めている。カード決済なのでサインが必要になるなど、店員はややめんどくさそうだが女性は引き下がらない。手にはヴィトンのバッグがあった。ドトールの地下階に席をとり、階段を上がってレジに向かう途中で、コーヒーを持ち階段を降りる老人とすれ違う。何か声をかけてもらっていたが、下を向いていたので気づくのが遅れ、割
2024年2月14日 00:24
これからの創作の布石とするため、習作を書くときに何をどのように意図していたかをできる限り記録しておこうと思う。ということで、まずは1作目の「オートファジー」について。✳︎まず、「告白」か「運命」というタイトルで何かを書けという課題が出たときに、「告白」の方が書きにくそうだなと思い、それならば修行のためにそれを書こうと、「告白」を選んだ。それで、何を書こうかと考えていたときに、頭の中にず
2024年2月10日 01:33
ことばの学校演習科課題:「告白」 「絵の具は色を混ぜると黒くなるけど、照明は色を重ねるほど白くなるんだよ」 それは正確には色っちゅうか明暗の話なんだけどね、とTさんは付け加えた。太陽が眩しくて白く見えるのと一緒、タバコ行ってくるね、帰ってくるまでに自分なりの紫を作ってみて、とTさんは居酒屋で料理を片っぱしから注文するみたいに言って、人工樹脂製のサンダルに足をかけながら、やはり居酒屋のトイレに
2024年2月10日 01:22
ことばの学校演習科課題:「告白」 ごめんなさい。この前ゆうちゃんの家に遊びに行ったとき、うちから2時間って言ったけど、本当は1時間45分でした。ごめんなさい。 ゆうちゃんが時間を大事に考えてる人だということはわかっているつもりでした。けど、あのときはとっさに2時間と言ってしまいました。ぴったり1時間45分かというと確信がないのですが、1時間50分でないことはたしかです。 時間は世界そのもの