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【旅行】福島旅・後編~会津若松から郡山へ~
最終日は、朝1番に鶴ヶ城(会津若松城)へ行きました。お城見学は朝イチが良いことも、3月の小田原旅で学んだことです。
思っていた通り、訪れている人が少なかったので自分のペースで城内展示を楽しめました。
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お城に辿り着くまでに、たくさんの石垣を見ました。昨夜に見た石垣のときも感じましたが、下の方に大きな石を積み、上に行くほど小さな石を積んでいるように感じるものが多かったです。
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この日は朝だけ晴れていて、白いお城がよく映えました。雪国ならではの「赤瓦」だそうですが、私にはあんまり小田原城の瓦との色の違いが分からず…でも確かに、黒っぽくはなかったです。
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お城らしいお城(?)である会津若松城の姿がとっても気に入りました。
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お城に入ると、すぐに石垣の説明展示がありました。知りたかったのでありがたい!
中の展示では、歴代の城主について詳しく知ることができました。蒲生氏と上杉氏のことはちょっぴり知っていましたが、伊達氏もここに入城していたことは知らず驚きました。「会津若松」という長い地名の由来が蒲生氏であったことも驚きです。
後半は戊辰戦争の悲劇が描かれていました。ここでも白虎隊士のことが細かく書かれていて、その悲惨さに辛い気持ちになります。1番心に残ったのは、松平容保公の勇ましい姿絵の横に「勇ましく描かれているが、実際は体調を崩していた」という旨の説明があったところです。容保公とは似ても似つかない歌舞伎調の絵 -- 。
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時代の流れを読むには難しいお立場で、さらに優しくまじめな方だったのだろうと、展示から感じました。それぞれの思惑に巻き込まれた容保公と、さらに巻き込まれた会津の人々。歴史に詳しくない私にとって、会津=白虎隊のイメージが強かったのですが(だからこそ前の日に白虎隊関連の観光地へ行ったわけです)、白虎隊だけではなく会津の地そのものが戊辰戦争に巻き込まれ、大きな傷を負ったことを学びました。そして、幕末の歴史について、もう一度学びたいと思いました。
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天守からは遠くに山が見え、内陸にいることがよく分かりました。同時に、福島県はこの会津と海沿いの市では文化も風習も全然違うのではないか、と勝手に想像しました。海沿いの町々にも行ってみたいです。
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お城の横にある茶室も見学しました。蒲生氏郷氏が建てたのだそうで、茶道を愛し、千利休を愛する方だったのだと知りました。本当はここでお茶をしたかったのですが、この後行く予定の庭園でもお茶をしたかったので、ここでは我慢します。
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御城印を頂きに行くと、「鶴ヶ城」と「会津若松城」の2種類がありました。鶴ヶ城には城主たちの家紋が押され、会津若松城には赤べこが押されています。どっちも欲しかったので、600円の2枚セットを購入しました。
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石垣に囲まれた道を通り、ここから20分ほど歩いたところにある御薬園を目指します。
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そういえば、これまでに見学をした松本城・小田原城もお堀に赤い橋がかけられていました。再建の折に赤くしたのでしょうか、それともお堀には赤い橋をかけるものなのでしょうか。気になります。
どんどん歩いていくと、新島八重氏の銅像がありました。こんなところにおられたのか、と驚きつつ写真を撮ります。
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明日の夜は 何国の誰か ながむらん 慣れしお城に 残す月影 -- 会津藩降伏の無念と会津という地への愛が伝わってきました。
歩いている途中で、昨夜見た看板に似たものを発見します。…えっ!これも若松城跡では!?
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ここは土塁だったのだそうで、蒲生氏郷氏が会津入りをし、若松城改築の折につくられたものだそうです。甲賀町口門跡に続き、意図せず史跡に出会えたことに感動します。それと共に、家に帰って写真を整理しているときに、三の丸堀跡も観に行けばよかったと後悔しました。県立博物館近くにあったそうなので、すぐに行ける距離でした。「知らない(=無知)」ということは損をすることと同義。こういう経験をすると、次の旅では史跡も事前に調べておこう、と意気込むことになり、また一つ旅の楽しみが増えていくわけです。
そんなこんなで、御薬園へ到着しました。庭園が好きなので、ここも絶対に行きたいと思っていた場所でした。
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大きな池の周りをのんびりのんびり一周した後、お抹茶付きチケットを購入していたので建物の中へ入ります。暑い夏は氷を入れた冷たいお抹茶も選べるとのことだったので、冷たいものをお願いしました。
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庭園を眺めながら冷たいお抹茶と羊羹を食べる -- とても幸せな時間でした。そして、この羊羹が本当においしかったのです!なめらかで、ゴマの風味が良くて、それでいてゴマの油っぽさはなくて、甘さも丁度良くて、本当においしい羊羹でした。通販で購入できるみたいなので、検討しています。
休憩をした後は、薬草園の方へ行きました。こちらにもものすごく興味があって、一つ一つの植物を見て歩くのがとても楽しかったです。
お土産屋さんにはこの薬草園で育てられたお茶などが売っていたのですが、いろいろ迷ってラベンダーのポプリを購入しました。このポプリ、御薬園では少量しか採れなかったと説明書きがあり、さらに会津木綿でできたお手玉サイズのまあるい玉に入っていたので、気に入ったのです。毎日枕元に置いて寝ています。ラベンダーの良い香りに包まれ、熟睡しています!
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2日間にわたる会津観光を満喫した後、駅に戻って最後の目的地である郡山へ向かいます。電車を待つ間に、駅併設のお土産コーナーで会津木綿のブックカバーを購入しました。色々なことを考えさせられた会津旅。名残惜しいですがお別れです。
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ホームに行くと、初めて見る電車が並んでいました。それでも、JRの文字に親近感を覚えます。
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すでにたくさんのお客さんが乗って待っており、私は進行方向に背中を向ける席に座ります。ここから長いので、空いていて良かった!
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郡山駅に着いたら、向かいのビルに向かいました。この建物の23階にあるプラネタリウムを観るのです。お昼の一般番組の上映時間まで30分。もう完売していたらどうしよう!とドキドキしていたのですが、全然大丈夫でホッとしました。ちょっぴりおなかが空いたので、エレベーターで下に降りて駅前のベンチに座ってコンビニで購入したパンを食べます。
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クリームボックスは郡山の有名なパンだと聞いていたので、楽しみにしていました。アーモンドの香ばしさとクリームの優しい甘さがおいしかったです。
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そんなこんなで上映時間になり、プラネタリウムに入りました。お客さんは私も含めて20人弱くらい。とても少なくて、そうだ今日は平日だったのだと思い出します。
普段観に行っているプラネタリウムでは「このプラネタリウムがある小平市の映像です。」から始まる一般投影。ここでは当然「私たちの住む郡山市です。」という言葉と、見慣れない風景から始まり、それが新鮮でした。
夏に観ることのできる星空の解説や神話のお話がとても楽しかったです。一方で、惑星旅行の映像は少しだけ酔ってしまいました。歳でしょうか…。気持ち悪くなりそうなときは目を閉じると、解説の声を聞きながら想像する楽しみがあり、それもまた良かったです。
プログラムが終わってドームの外に出ると、星に関する書籍が置かれた本棚を見付けました。そこには小さい頃大好きだった『星になったチロ』の作者、藤井旭さんのパネルが!
どうしてこんなところに?と不思議に思い検索すると、藤井さんはこの郡山市に移り住み、この地で最期を迎えたことが分かりました。
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小学生の時に読んだ本にこんなところで出会えるなんて!という驚きと、天文学者になりたくて星に関する本や神話の本を読み漁っていたあの頃の記憶に、ちょっぴり涙が出ました。
さて、新幹線の時間までもう少しあるので、今度はバスに乗って開成山大神宮へ向かいます。
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大きな大きな鳥居があり、迷うことなく行くことができました。「みちのくのお伊勢さま」と呼ばれているそうですが、所要時間は20分くらいの場所でした。バスに乗るという交通費を考えると、お隣の公園にも行った方が絶対に良かったとちょっぴり後悔です。
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良い匂いのする御朱印をいただき、幸せな気持ちで開成山大神宮を後にします。
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駅に戻ると、ストリートパフォーマンスをしている方々がいました。その横にGReeeeNのドアがあります。皆さんがパフォーマンスに夢中になっている横で、こっそりドアを通過しつつ写真を撮ります。大学生の頃にGReeeeNが大好きで、今日も帰りの新幹線で聴こうとウォークマンの中にGReeeeNの曲をたくさん入れてきたのです。
さて、次は10分ほど歩いて安積国造神社へ向かいます。
大通りをまっすぐあるいていくと、神社に到着しました。大通りはにぎわっていましたが、ここはひっそり静かです。
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駅に戻ろうとすると、不思議な看板に出会いました。
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本貫の地、という言葉を初めて聞き、急いで検索します。ほんかん、あるいはほんがん、と読むそうで、「戸籍の編成」を意味することが分かりました。つまり、安藤仁子氏の戸籍はここということ?
今日は藤井さん、そして安藤さんと、思いがけない方々の御名前を聞く日です。それだけこの郡山が住みよい街なのだろうと感じました。
さて、もうすぐ新幹線に乗る時間です。お土産をいっぱい買い(もちろん大好きなままどおるも!)、ちょっぴり早い夜ご飯を食べに、駅ナカにある「湖穂里」さんへ行きました。この旅でまだ食べていない「揚げまんじゅう」と「会津蕎麦」を食べなくていけません!
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揚げまんじゅうは、想像通りの味というか、期待を裏切らない優しい味わいでした。私はかなり好きなタイプです。お蕎麦は、ちょっぴり嚙み切りづらくて、それがまた良かったです。本当においしい旅でした。
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プラットフォームに着いてきれいな緑色の新幹線が通ったとき、ものすごく興奮しました。実は、生で観るのが初めてだったのです。
そして、あこがれの「やまびこ」が目の前に到着します。きゃー!かっこ良い!!
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憧れていた素敵なフォルムの新幹線に乗り、家路に着きます。
本当に楽しくて、学びの多い3日間でした。次は何に乗ってどこに行こうかな。