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日本一遅い2024年10月読書記録▶辻村深月/三島由紀夫から70年代ヒーローまで

11月も後半にさしかかったところで、少し遅めではあるが、10月の読書記録(10冊)を記事にする。10月も多様な読書を楽しんだ。
さて淡々と紹介する^^



①フランス人は10着しか服を持たない(ジェニファー・L・スコット/神崎朗子 訳)

with あんぱん

物質的豊かさより精神的豊かさを追求するフランス人のミニマリズムと上質なものを選ぶ姿勢。
シンプルで洗練され持続可能なライフスタイル。
それは本来日本人が持っていた美徳ではないかと思ったり思わなかったり。
スイーツ三昧、美食・飲み三昧で「痩せない」とか言ってる場合ではない笑

ささやかな喜びを味わうというのは、人生にわくわくすること。
今という瞬間を精一杯に生きて、どんな小さなことにも目をとめること。
ユーモアのセンスをもって、上を向いて、人生で何が起きてもしっかりと受けとめる覚悟ができていること。

ジェニファー・L・スコット


②70歳が老化の分かれ道(和田秀樹)

老人たちと…星一徹は30代?

波平54歳、バカボンのパパ41歳、星一徹当初30代、ここ数十年で年齢への印象も随分変わった。
それでも「老い」は必ず訪れる。
いまや70代が最期の活動期、どう過ごすかで老いを遅らせられるかどうかが決まる。
ポイントは「誰かの役に立てている」実感を持って生きること。
もう少しで引退しようと思ったが考え直すか…

少しでも周囲の人を助けてあげよう、面倒を見てあげようと生きるほうが、歳をとってからも人間関係という財産が残るのです。
私は、70代になったら、自分のことだけで生きるのではなく、まわりの人のために尽くす生き方に少し変えていったほうがいいのではないかと考えています。

和田秀樹

共感の一言。


③かがみの孤城(辻村深月)

“ツナグ”を読んで違う作品も読みたくなった

芦田愛菜さんが著者に魅了されるきっかけとなった作品、「好きすぎて人に教えたくない」と語った理由を探る。
ファンタジーの世界で展開されるミステリーにドキドキ、伏線回収にスッキリとほっこり。
子どもを通して見る「大人(親)」の姿にハッとさせられる。
「みんな」と「ふつう」という言葉の恐ろしい影に生きづらさを感じる子どもたち。

それでも…人は助け合える。
大人だって変わらない。
☑他人の痛みや苦しみに共感
☑勇気を持って一歩踏み出す
☑他者とのつながり
☑現実逃避と向き合う勇気
☑自己受容と成長

🏰
私たち会えるよ
がんばって、大人になって、助け合える!
だから、生きなきゃダメ!
 ー安西こころ

そうだよ。



④シューレス・ジョー(W.P.キンセラ/永井淳 訳)

映画「フィールド・オブ・ドリームス」の原作となった本書はより複雑なテーマ性を含む。
トウモロコシ畑に野球場を作ってしまうなど、主人公の効率度外視の行動は常識的には非現実的で無駄、一方で効率や現実主義を超えた「心の声」に従う姿勢を忘れていた自分に気づく。
信念と自己実現/過去との和解/夢と現実の境界を超える/内なる幸福の意味。

そして鳴り物応援や応援歌など外的雑音がない原風景では、観客や選手たちは静かに風の音や打球音・キャッチャーミットが響かせる音・プレーに集中し、自然な歓声と拍手を送る。
「観て」「感じる」野球がここにある。
野球そのものが持つ本来の楽しさや美しさを考えさせてくれる。
そして今日も野球の音に耳を澄ます。

あー鳴り物うるさい笑

野球という言葉を話し始めると、その言葉で男や女に話始めると、彼らがその生命の流れによって、野球という愛情深い言葉によって変えられることがわかってくる。

エディ・シズンズ


⑤「こだわり」からオファーにつながる! インスタグラムの新しい発信メソッド(艸谷真由)

クロワッサンが大胆に乗っかる

私のインスタは2アカウントで各1350、250フォロワーという中途半端な運用にとどまる。
専業主婦からインスタグラマーになり起業までした著者にあらためて学ぶ。
収益化目的でなくても、スマホの向こうの人に楽しさを届けるメソッドは目から鱗の内容。
マーケティング戦略の縮図がここにある。
芸能人的投稿より自分らしい発信を続けたい。
目指すはおじさんインフルエンサー笑

私はこれからも完璧を目指さないし、どこか不完全な人間であり続けたいとすら思っています。
なぜなら「人は長所ではなく短所で愛されている」と確信しているから
自分がダメだと思っている部分こそさらけ出すと、そこを愛して共感してくれる人が必ず増えます。

yuuka(美容系インスタグラマー)

これ、すごく自分に響くなー^^


⑥不道徳教育講座(三島由紀夫)

スタバなう

60年以上前に執筆された本書は、(当時は普通に使われた)差別用語を除けば、現代日本への風刺にもそのまま適用できそう。
テクノロジー以外の進歩以外、実は私たちは何も変わっていない?
道徳的な枠組みを逆手に取り「不道徳」を称賛するスタイルで社会の常識や既成の価値観に対する批判や洞察を加える。
30代だった著者の独特のユーモアと知性があふれる1冊。

世間はキズ一つない陶器の白い皿のような名声というものを認めたがりません。世間は名声のある人間の不道徳行為を口をきわめて非難するのも大好きなのです。

三島由紀夫

これ、見方を変えると、さっきのインスタグラマーのyuukaさんの話と通じてるんだよな…


⑦男の子になりたかった女の子になりたかった男の子(松田青子)

安定のチョコモナカジャンボとともに

「どっちやねん!」というツッコミは野暮。
著者の世界観満載のフェミニズム短編集。
男性社会から“女の子たちの希望”を取り戻そうとする話は独特かつ難解。
だから、嫌いじゃない笑。

この社会は男性の目線が“普通”として日常化しているじゃないですか。
それを女性目線で語り直すっていう特集でした。
自分も男性社会を生きてきてしまったので、それをもう1回自分で取り戻す話にしようと思ったんです。

松田青子


⑧キャラクター大全 特撮全史 1970年代ヒーロー大全


EXレッドキングらとともに
貴重なツーショット

高度経済成長期~オイルショックを背景に猛烈なペースでヒーローが誕生した時代を検証。
さあ、この時代であなたに見えるものはなに?
生まれてない?笑

1970年代からの10年間は1960年代を通じて醸成された様々な矛盾が噴出した時期。
1970年代はかつてないペースでヒーローが誕生した時代となった。
深い闇に不安を抱える人々がヒーローを待望するゆえの現象であったのだろうか。

本書より引用


⑨生きるとはどういうことか(養老孟司)

しあわせスフレプリンで幸せに

解剖学者である筆者の独自の哲学や自然観に存分に触れられる1冊。
養老先生は虫が好き=とにかく好き、理由などない。
「何のため?」「どうして?」と追及しすぎる現代社会だからこそ、自分の自然な感覚や興味に従って生きることが大切。
キャリアコンサルタントのロープレで「あなたにとって、●●ということはどういう意味を持つのですか」と何度も問いかけられたとき、イラっとくる理由がよくわかった笑

現代人は、説明されればわからないことはないと、堅く信じ込んでいる。
じゃあ訊くが、男にお産の具体的な説明をしたら、理解するか。
世の中には、やってみなけりゃわからないことは、山のようにある。
それをわからなくしているのは情報化社会である。

養老孟司


⑩城郭考古学の冒険(千田嘉博)

スタバのスイートポテトをお供に

TVでお馴染みの城郭考古学者は、城郭を歴史的文脈だけでなく当時の地理や政治的背景も踏まえ解釈し、とてもわかりやすく教えてくれる。
何よりも徹底した“現場主義”は大いに見習いたい。
楽しい・好きを仕事にしてる人は本当にまぶしい。

誰かが書いた小説や論文を通して戦国の人びとを想うのではない。
自分自身が現地に立ち、四百年以上前のオリジナルな歴史資料/資料である城跡を読み解いて考える。
こんな刺激的な歴史体験の方法がほかにあるだろうか。
だから城の探索はやめられない。

千田嘉博


私の「歯を磨くように」すすめる読書の記録を最後まで読んでいただき感謝です。今年は、4月に仕事は変わったものの通勤時間と就業時間が減り、資格試験の挑戦も控えめだったので、読書に充てる時間が増えました。
既に年間100冊を超えました。決して数を目指しているわけではありませんが、節目感があって気持ちいいです(^^)/。

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