子育て支援は時間の支援

子育てに一番ほしいのは時間

子育てに一番ほしいのは時間だ。お金を払ってでも欲しい。1日30時間くらいあればいいのにと思う。

こどもが0歳〜1歳くらいの間は睡眠時間と休憩時間。1歳〜3歳くらいまでは、休憩時間と自分の時間。3歳〜6歳くらいまでは、休憩時間と家事の時間。これがほしい。

共働きであれば、これに仕事をきちんとする時間も加わる。

きっと、子育てしている人たちは、時間が足りないため、自分の何かを犠牲にして生活しているんだと思っている。

それはお金で解決するのか?

結論から言えば、お金で解決するものもあるが、ほとんどはお金では解決しない。シッターを頼んだり、家事代行を頼んだり、ルンバや食洗機等々、家事や育児を時短するためのサービスは世に存在するが、それは根本的な時間を補うものにはならない。だから、時間を作るために親は時短勤務や育休を取得する。もしくは仕事を辞め、育児家事の時間を作る。体感的に、育児が始まると1日8時間相当の労働が追加で発生している気がする(だから専業主婦という職種が機能する)。ちなみに保育園も育児の時間を代行してもらっているものだと思っている。

子育て支援は金銭支援ではない

よく自治体から「子育て世帯には〇〇万円支給」とか、「出産祝い金〇〇万円支給」とか見るが、根本的にはそこではないと思っている。いや、もらえたら嬉しいけど。お金がないから子どもを持てないという意見には、子育てによって失われる時間の損失が要因にあると思う。時間の損失は収入の損失に繋がるからだ。1人が専業主婦(夫)になって収入が減ってはやっていけないもの。だから、一時的な金銭支援では、子どもを持ちたいという気持ちを上げることは難しいのではと思っている。1万円もらったからってなんの役にも立たない。もらえることは嬉しいけど、だからといって、現状の解決にはなっていない。
時間がほしい。家にいる時間を持つために何かが欲しい。育休中のリスキリングなんてもってのほかだ。
出産後も自分の時間、自分のキャリアプラン、人生プランのための時間が担保されることで、子どもを産み育てることに対する安心感につながるのではないだろうか。

どうしたら家にいる時間を持てるか

テレワークの推進はいい流れだった。通勤時間を家にいる時間に充てられるからだ。私もコロナ中にテレワークをしたが、子どもが家にいても仕事ができた。対面でのコミュニケーションも必要だと思うので、週1出勤であとはテレワークなんて最高だ。slackなどによるビジネスチャットも効果的だ。
フレックス制度の拡充もいいのかもしれない。通常9時出勤の会社で11時出勤できれば、その分、朝、家にいる時間は長くなる。帰りの時間は遅くなるが、パートナーが通常の時間に帰ってきていれば、家に親がいる時間は延びる。また、パートナーが早出出勤が可能なれば、16時以降に家に親がいることも可能だ。テレワークと組み合わせれば、なおいい気がする。

じゃあ何を支援して欲しいの?

子育て支援≒労働環境改善だと思う。少し前に、保育園に入れないことがバズっていたが、今の東京の待機児童数を見るとかなり改善されている。ハード面は徐々に整ってきていると思う。次は、子育て世帯のためだけでなく、働く人、従業員の労働環境改善が大きいと思う。時間的余裕があれば、子育てに前向きに考える家庭もあるのではないだろうか。家にいる時間が絶対的に延びれば、子どもを育てることに肯定的に思える。残業時間の削減も、結果として家にいる時間を増やすことになる。親(または親になる人)が家にいる時間を増やすための支援をしてもらうことが、誰しもハッピーになれることだと思っている。

まずは自分でやってみよう

国、自治体の子育て支援は的を射ていないことが多い。想像でしかないが、男性の公務員が子育てに関わっていることが少ないからだと思う。問題の本質を掴めていないのだ。自分でやってないから。EBPMとしてアンケートなどの調査結果に基づいているかもしれないが、アンケートの設問によるバイアスもかかっている。百聞は一見にしかず。自分でやってみることで、わかることはある。机上だけで考えたものでなく、実体験に基づいた中身のある施策をしてもらいたいと思っている。一時的な1万円なんていらない。1万円なんて、育児が終わればいつでも稼げるのだから。


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