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キラキラカレシ マキオ11|現実と妄想の境目
魂の純度はことばの使い方にあらわれる。
親友と彼女と
マキオが大学時代に所属していたサークルの写真をみせてもらった
グループの中にひときわ目立つ細身の美人さんがいる。
わたしは思わず「わあ!この人キレイ!」と言った。
すると、マキオは少しもったいぶったような言い方でこう言った。
「ああこの子ね。ワタベと、付き合ってる」
ワタベさんね!すこし前に紹介してもらったマキオの親友よね。彼ってモ
キラキラカレシ マキオ10|退屈の檻と日常の檻
『チャーリーとチョコレート工場』に登場するウィリーウォンカとその従業員である小男たち、閉ざされた世界で彼らも夢をみる?
なぜ逃げない
友達に会おうとすれば決まってマキオのジャマが入った。
外出した途端、なぜだかマキオから電話が入るのだ。
瞬間、わたしの気持ちはしぼみ全てが嫌になって帰宅したくなる。
ストレスから自分にブレーキをかけるようになっていった。
外出を避ければジャマされない。
な
キラキラカレシ マキオ9|カオスの住人との距離の取り方
影響されまいとすればするほど、気づけばそっくり同じ軌道をたどる。
それがわたしたちだった。
約束しない宣言
マキオとは何の約束もしないほうがいい。
ネタを提供しないことだ。
「女子友に紹介したいから週末あけといて」などとマキオに頼んだとする。すると彼はかならずそこに何かぶつけてくる。
前日くらいに、
「あっ、ごっめーん。行けないわ」
「え?なんか計画とかあった?」
嬉々とした様子でそう
キラキラカレシ マキオ8|小さきものを攻撃する男
時間は戻らない。
残酷にもこれだけは不変の真理だ。
黒猫
わたしは猫を飼っていた。
マキオはわたしの猫を嫌っていた。
ウチに来るたびにマキオは猫を追いまわし、猫たちがやるように「シャーーーー」と言った。
はじめは「変わった関心の示し方だな」くらいに思っていた。
無邪気な人だけど猫にもそうなんだな。
毎度「シャーーーー!」なんて、ふざけてるよ、ね。
のん気に見ていたのだけど。
それはだんだ
キラキラカレシ マキオ7|外界を見ようとしない者はどちらか?
追っかけ
千と千尋の神隠しに登場する坊は言う。
「行ったら泣いちゃうぞ」
「坊が泣いたらお前なんか ばあばが殺しちゃうぞ」
構ってちゃんも度を超せばカワイイを通り越してコワイ。
マキオがわたしを追って引っ越してきた。
約束したのに
一緒に過ごす約束をした日にマキオが現れなかった。
電話に出ない。
翌日も連絡なし。
さすがにおかしい。
・・・事故にでも?
あんな人でも事故にでも遭ってい
キラキラカレシ マキオ6|転勤、引っ越し、そして背負ってきてしまったもの
人生を変えるには、①仕事をかえる、②つきあう人間をかえる、③住む場所かえる、といいらしい。
つまり人生って環境次第ってこと。
訪問者
ということで
じゃーーーん
引っ越しました!
新しい家、職場、仲間、家具も新品!
ぜんぶ新しい。
文字通りの心機一転。
新居でひとりウキウキ踊っていたところ玄関のベルが鳴った。
・・・誰?ご近所さん?
出てみると。
マキオが満面の笑みでそこに立っていた。
キラキラカレシ マキオ5|理想と現実の差をどう埋めるか?そこに愛はあるんか?
道で拾ったブリトーの袋が周囲の人々には料亭の弁当箱に見えている、という現象に名前をつけるとしたら?
キラキラと現実
フツーに言えばそれは彼氏のように見えるのかもしれない。
でもちっとも嬉しくない。
友達からは、
「カッコイイ彼氏羨ましい」
「あなたたちってテレビドラマみたい!」
と言われてしまう。
そうじゃない、実際ぜんぜん違う!
何度か友人に言ってみたことがあるが、ポカーンとされた。
キラキラカレシ マキオ 4|マウントをとらずにいられないのはなぜ?
バッターボックスに立ったことのないコーチから指導を受けたがる者はいない。だがバッターボックスに立ったことがないにもかかわらず指導したがるコーチは多い。
否定
足のケガが治りようやく外出できるようになったころ。
マキオの母親と姉が餃子を振舞ってくれるとのことで、二人そろってマキオの実家へ向かうことになった。
車中で、学生の頃にボランティア活動をしていた話をした。
マキオはこうコメントした。
キラキラカレシ マキオ3|期待する人、期待に応えない人
そもそも道に落ちていたブリトーなのだから多少汚れていようが当たり前だし、それを食べようと思った方の頭がおかしいのだ。
普通の人間ならまず拾わない。
わたしは拾った。
だから汚れが目についても何も言うまいと頭の片隅で思っていた。
不自然な要素
マキオには不自然なことが多い。
電話してもつながらない。
依然誰にも「彼女」として紹介されない。
車や部屋の中に女性の持ち物がある。
「あっそれ?
キラキラカレシ マキオ2|口裏を合わせろと言われたら合わせる?合わせない
魔がさす瞬間
ほんの一瞬、誰にでも魔が差す瞬間というのはある。
あれから半年ほど。
ちょうど交際していた彼氏とお別れした直後だった。
わたしの心にはぽっかり穴があいていた。
そこへまたマキオから連絡が入ったのだ。
「仕事辞めて2か月間自転車の旅をしたんです。沖縄まで行ったんですよ。旅の話、聞きにきませんか?」
同居人が去った淋しさで落ち込んでいたときだった。
わたしは魔が差したように誘い
キラキラカレシ マキオ1|ある日突然、土産を持って現れた男を家に入れるか?
ザワつく出会い
突然家に来るような男を家に入れてはいけない。
マキオとわたしは職場で出会った。
わたしは地味目な新社会人、マキオは笑顔爽やかインターン生。
歓迎会の席。
わたしの向かいに着席したマキオは「オレ手相見れるよ。見てあげる」とわたしの手を取った。出会って数日のことだ。
初対面の男女とはいえ年齢が近ければこんなもの・・・だった?
そうだったっけ?
居心地悪さ半分で手相を見てもらった