キラキラカレシ マキオ6|転勤、引っ越し、そして背負ってきてしまったもの
人生を変えるには、①仕事をかえる、②つきあう人間をかえる、③住む場所かえる、といいらしい。
つまり人生って環境次第ってこと。
訪問者
ということで
じゃーーーん
引っ越しました!
新しい家、職場、仲間、家具も新品!
ぜんぶ新しい。
文字通りの心機一転。
新居でひとりウキウキ踊っていたところ玄関のベルが鳴った。
・・・誰?ご近所さん?
出てみると。
マキオが満面の笑みでそこに立っていた。
え。(あ、油断した笑顔作らなきゃ)
えーと?
どした?
今日はここまでドライブかな?
マキオは言う。
「あ、オレ、今日からこの街の友達の家に引っ越してきた。」
え。
え?
えええ?????
マキオは、時々みせる特有のサプライズ顔を満面にたたえながらそう言った。
そこにある空気感を完全に無視するような笑顔。
「してやったり」と「そんなに褒めるなよ」が入り混じったような場違いな笑顔。
(・・・なぜ?)
喉元まで出てきた言葉を飲みこむ。
何と言えばいいかわからない。
一旦落ち着こう。
時間をひきのばすためにわたしは話をそらし、彼のアルバイトについて尋ねた。
彼の真意がどこにあるのかなんて、わたしでなくても、誰にもわからないだろう。本人ですらわかっていない。とりあえず「それ」を視認したくなくてわたしは話をそらした。
そういう回避方法がクセになっていた。
ほんとうに疑問に思うことは聞かない、口にしないことだ。
引き戻される日常
それから二人で買い物へ行き、わたしの新居で食事を共にした。
マキオはようやく満足してどこかへ帰っていく。
これから全く新しい生活が始まるものと思っていたけれど、これじゃ何も変わらない。すべては風の前の塵におなじ。
電話をくれた別の友達にわたしがなんと言うかって?
「彼はわたしのために近くへ引っ越してきてくれたんだ。」
たぶんそう言うだろう。
今までもそうだった。
ああ。
また。
*モラハラを見抜くポイント*
サプライズ好き
執着、執着、あとそれから執着。
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