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ベンチャー企業のための人的資本経営

こんにちは、フリーランス人事をしている、はやとです。

昨今、欧州や米国を中心に、企業に対して人的資本情報に関する開示要請/実施が強まっており、日本国内の上場企業においても同様の動きが2023年からスタートしています。

少しずつ「人的資本経営」を意識し始めてきていますが、まだ大企業ですら、人的資本開示で精一杯になっている企業が多い状態です。

有価証券報告書を発行しないベンチャー企業の経営者の皆さんは、「なにそれ?人大切にしてるうちには関係ない」と思ってませんでしょうか?

そんな姿勢では、ますます世界や大企業に遅れをとってしまい、優秀な人材を確保できなくなってしまいます。

詳しい情報は、経済産業省から発表されている「人材版伊藤レポート」をご覧いただいた方がよいですが、今回は簡潔に核心のみお話します。

とはいえ、多少は、専門的・理論的なお話になりますので、興味のある方だけお読みいただくことをお勧めします。


人的資本経営とは

人的資本経営とは、人材をコストではなく、資本ととらえ、人材への投資によって企業価値を高めること。


「人材への投資」がポイントです。
研修費用とか潤沢にないからとすぐ言い訳してませんか?
CHROクラスの人事の方はいますか?
組織が機能する仕組みをしっかり作ってますか?
社長が必ず採用面接に登場することも立派な「人材への投資」です。
ベンチャー企業でも行えることはたくさんあります。

人的資本が企業価値に及ぼす影響

「人的資本投資はなんとなく理解できたけど、現実は、企業存続するのに精一杯だし、良い事業を創ることが必要」そんな声も聞こえてきそうです。

どこまで大きな夢を持っているかにもよるかもしれません。

もし業界を変えたい、日本No.1になりたい、世界を代表する企業になりたい、そんな野望をもっている方こそ、この先も読み進めてほしいです。

この図は、企業価値に占める無形資産の割合をアメリカと日本で比較したものです。

比べると一目瞭然。アメリカの方は、当然GAFAMが入っています。

何が言いたいかというと、世界を代表する企業の価値の大半を占めているのは無形資産ということ。

無形資産の中には、知的資本、自然資本なども含まれますが、大半が「人的資本」なのです。

つまり、人的資本が企業の価値を左右するということです。将来上場したときの価値が人的資本で決まるかもと思うと、興味・関心度は高まったのではないでしょうか?

人的資本経営を行う上で大切なこと

さあ、これまでで、人的資本経営に取り組むべきことは理解できたかと思いますので、具体的に何をすればよいのか見ていきみましょう。

人材版伊藤レポートによれば、以下が示されています。

■3つの視点
①経営戦略と人材戦略の連動
②Asis・Tobeギャップの定量把握
③人材戦略の実行プロセスを通じた企業文化への定着

■5つの共通要素
①動的な人材ポートフォリオ
②知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
③リスキル・学び直し
④従業員エンゲージメント
⑤時間や場所にとらわれない働き方

・・・

難しいですね。

ただ、なんとなく、人的資本経営 ≠ 従業員エンゲージメント
ということは理解いただけたかと思います。

人的資本経営を行う上で、最も頭に入れなければいけないことは、『経営戦略と人材戦略の連動』についてです。

ここだけでもイメージを理解しましょう。

経営戦略と人材戦略の連動とは?

意識高いベンチャー企業の皆さんは、「経営戦略もあるし、人事・人材戦略もあるよ」と思うのではないでしょうか。
ただ、人事・人材戦略になると、急に意志をもった具体化ができていないケースが多い気がします。

■なんちゃって人事人材戦略例
・経営戦略:●●業界で▲▲の分野でNo.1になる(ロードマップあり)
・人事人材戦略:■■人採用が必要。♦♦人マネージャーが必要。


では、経営戦略と人事人材戦略の連動とはどういうことなのでしょうか?

■経営戦略と人事人材戦略の連動の条件
・経営目標が明確化されていること
・経営戦略に紐づいた重点的な人材アジェンダが特定されていること
・人材アジェンダを解決するために定量的KPIが設定されていること
・具体戦術を考える前提となる組織図やポートフォリオ設計されていること


いままでと違い、ものすごく血の通った、人事人材戦略が立てられるようになるのではないでしょうか。


最後に

具体戦術や実行ばかりに気をとられ、戦略を考えることはなおざりになっていないでしょうか?
数か月~半年に1回は立ち止まって戦略を考えて見直すことも必要です。

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