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大学生と地域でつくるグラスルーツのかたち:その2

僕が大学1年生から7年間過ごしたつくばでは、伝統的に筑波大学蹴球部(サッカー部)と女子サッカー部が地域のサッカー少年団と密に関わっています。

その1では、大学生がそれぞれ所属する少年団での光景や子供たちと大学生の関係を中心にご紹介しました。


この各少年団での活動に加え、定期的に規模を大きくしたイベントや大会、クリニックなどを大学生が企画・開催しています。

その年ごとにいろんな発案や活動があり全部は難しいですが、その一部をご紹介します!


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サッカー大会の企画・運営

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大学生が関わっている少年団を中心に、大会や交流試合を企画しています。日ごろの練習の成果を発揮する場としてはもちろん、選手にとってよりよい環境になるよう、大会のオーガナイズや特別ルールを工夫してきました

例えば、図のようにオフサイドラインやゴールキック時の侵入不可ラインをつくる特別ルールを採用したり、前後半ではなく3ピリオド制にして1試合での全員出場を義務付けたりした大会もあれば、試合後にコーチが相手チームの中からMVPを選出して表彰したことも。

▼特別ルールの例

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毎年2~3月あたりに6年生の大会を行っていますが、ここでは各クラブの集大成として気持ちのこもった真剣勝負が繰り広げられます。それを盛り上げるように入場アンセムをかける年もありました。なかなかにアツい1日になります。

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▲ゴールの喜びを全力で



様々な練習会やフェスティバル

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様々なテーマが設定された合同練習会も開催されています。

最近だと、トップチームの選手がそれぞれの得意なプレーを子供たちと一緒に練習するものや、映像を使った講義を行ってからそのテーマに合わせた練習を行うものなど、子供たちの課題をコーチたちでディスカッションしながら企画を練っています

子どもたちにとっても、普段とは違う選手やコーチとサッカーをする機会は貴重な経験になっているはず。

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また、低学年を対象にしたフェスティバルを毎年開催しています。

以前は、試合機会の少ない低学年のための大会でしたが、県や市のサッカー協会の整備によって試合機会は担保されてきました。

そこで最近は、サッカーの試合以外でとにかく「楽しむ」ことを目指して、大学生が準備した”アトラクション”で「遊ぶ」イベントに進化させました!

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サッカーボウリングや的当て、ボールを使った「だるまさんが転んだ」など様々なアトラクションが大学生によって用意されています。

ここで気を付けていることのひとつに「サッカーが上手じゃなくても勝てるもの」というのがあります。(あまり全体に共有してないかもしれないけど、暗にそう思って助言などしています。)

例えば、ドリブルリレーの一番最後の障害が”ジェスチャーゲーム”で、仲間に協力してもらわないとゴールできなかったり、大学生とのじゃんけんに勝てないと次に進めないという運の要素が強かったり。


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低学年の試合で、「ドリブルの上手い子がボールを自陣から相手ゴール前まで運び、そのままシュート。周りの選手でボール扱いが苦手な子はそれを追いかけて走っているだけ」という光景はみたことがありませんか?

そういうサッカーではなくて、ここでやるのは「遊び」だから、勝っても負けても「楽しい」とか、仲間ができて「嬉しい」とかを大事にしたいなと思っています。

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つくばGKスクール


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筑波大学蹴球部・女子サッカー部の現役選手が指導するGK(ゴールキーパー)専門のクリニックを年に3回開催しています。(1回5~6セッションで計年間15~20回)

小学4年生から中学生までを対象にして、GKコーチのいないチームで活動している選手や、もっとGKのスキルを高めたい!という意思のある選手が集まっています。


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▲大学生のお手本を目の前で


専門的な知識とスキルが求められるGKの指導。GKクリニックはどの地域でも求められているものだと思います。

その中で、2006年に始まって受け継がれてきているこの取り組みの価値は高いと感じます。現役選手でもある大学生が熱心に指導してくれているからか、最近は一回に40人近くの子供たちが集まることも。

なにより、本来はOFFであることが多い月曜日に、「自分の勉強にもなる」と子供たちに向き合ってくれる大学生たちには尊敬しかありません。

地域のニーズと筑波大学の強みがかみ合ったの活動のひとつです。


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▲GKっぽいポーズで!




つくばなでしこクラス(女子スクール)


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女子の練習会も月1回のペースで開催しています。

指導をするのは女子サッカー部の現役選手。毎月の練習会や合宿、対外試合などを行っています。

普段、男子選手の中では思いっきりプレーできていない選手が、このなでしこクラスでは積極的なプレーを見せ、そこから所属する少年団でも活躍し始めたという話を聞くと嬉しいですね。

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なにより、まだまだ女子サッカーは競技人口が少なく、少年団で活動している女子選手にとって選手同士のつながりを埋めているのは貴重かなと思います。もしかすると中学生や高校生、大人になってまた一緒にプレーすることもあるかもしれません。

「仲間づくり」はこの活動の大事なポイントです。

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▲昨年度開催した卒業パーティー


また子供たちにとって、サッカーやスポーツをしている大人の女性である大学生が身近な存在になるというのは、非常に意義のあることだと思います。

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大人になってもサッカーを真剣にプレーしているロールモデルは、彼女たちがサッカーやスポーツを続けていくうえでの道しるべになります。いつかの夏合宿では、ラートなど他競技で活躍する女性アスリートに特別講師をしてもらったこともありました。

またある程度メンバーが固定され1年間通した活動をしていくこともあって、その他にも筑波大の特長を活かした様々な活動に取り組んできました。

例えば、女性アスリートの健康について研究する大学院生の方に保護者の方対象の講習会をしてもらったり、筑波大学内の森でASEをしたり。

冬の合宿でカレーを作ったのもとても楽しかった。しっかり上級生がお姉さんをしていて、コーチ陣は感動していました。

サッカーと結びつく思い出がここでたくさん増えていけば嬉しいです。

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ここに挙げているものはこれまでやってきたことの一部で、しかもこの数年で内容を大きく変えているものがたくさんあります。

それは、「去年もやったから」「○○さんに言われたから」といったトップダウンではなく、大学生たちがその時々に子どもたちや地域のことを考えて、「必要だと思ったこと」「やりたいと思ったこと」を仲間に発信してコトを起こしてるから。

担当者となったリーダー(発起人)が、イベントや活動の企画、協力してくれる部員のマネジメント、参加費や準備資金の管理、広報の計画などを協力して行っていきます。そうやってマネージャーとして人を動かしながらイベントを運営したり、多くの人に喜んでもらえるものを作る学びができる環境づくりが僕の役目だったりしました。

(実際のところ、責任者としてその場にいる僕は「何かあったら対応したり誤ったりする人」で、優秀な後輩たちにまかせっきりでした。)


これからも大学生が子供たちや地域のことを真剣に考えて、これまでの活動をよりよくしたり、子供たちと大学生が一緒にワクワクできるような新しいコトを始めていくことでしょう。

一緒にたくさんの笑顔を生み出してきた信頼できる後輩たちの、さらなるトライに期待しています。

▼ある日の普及活動で感動した話



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このnoteでは、日々の少年団での活動に加えて開催しているイベントやクリニックについて紹介していきました。

筑波大学蹴球部と女子サッカー部の大学生は選手活動とあわせて普及活動を行いながら、地域と繋がりを深めています。


さて次回は、こういった活動を展開するうえで僕らが心掛けていたことや、全体を統括する立場だった僕自身が大切にしていたことについて書いていこうと思います!

今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました!

コメントや質問もお待ちしています!

Twitter:@hayabusa_falcon

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