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2019年11月の記事一覧
Yumi Matsutoya "so long long ago"
"so long long ago"(松任谷由美)の「或る朝空をふと見上げた時」の部分のコード進行。Gm7 Dm7/Bb7 Ebmaj7 Abmaj7 (Bb major: vi iii/I7 IV VIb)なのだが、これもIV度へのii-V(Im7-I7-IV)の応用であることがわかる。普通なら、Gm7 Fm7/Bb7 といくところをFm7(Vm7)の代わりにIIIm7を持ってきたところが工夫で
もっとみる演奏会リハーサルの時間割問題(エクセルによる支援スプレッドシート)
亡父が高校教師をしていたので、年度初めの時間割作成の困難についてはよく聞かされていた。ここでのパラメーターは、毎日何時限まであるのか、先生は誰か、科目の種類、音楽室・図画工作室などの数、運動場をいくつに分割可能か、などであり、完璧にすべての教科を埋めるのはなかなか大変だったらしい。その後、これを計算するソフトができたとも聞いていないが、どうなっているのだろう。
室内楽コンサートでも似たような状況
Erik Satie "Vexations"
譜面にもある通り、バスのテーマは二回繰り返す。かつ、ソプラノとアルトは一回目と二回目で上下逆になって繰り返している。構造は至極簡単だ。
和音を調べてみるとほとんど減三和音だが2番目が増三和音、12番目が増6度の和音(形としては属七の5音除きと同じ)になっている。ちょっとしたフックですね。バスが繰り返しているので、3種類の減三和音は同じ順番で繰り返す。減七の和音は3種類しかないが、減三和音であるの
David Cope氏のEMIによる「バッハ様式のフーガ」を添削する
デイヴィッド・コープ(平田圭二・監訳)「人工知能が音楽を創る」の中に、コラールだけでなく、イ短調のフーガがまるっと入っていたので見てみた。ざっと聞く分には「人工知能がこれを創ったのはすごいなぁ」と思うのだが、コープの手法はあくまで過去のデータからその組み合わせで創り出して「人工知能が創造性を持ち得るか」というところに興味があるためだろう、よく見るとこれはフーガとしては残念な出来と言わざるを得ない。
もっとみるDavid Cope氏のEMIによる「バッハ様式のコラール」を添削する
David Cope 「人工知能が音楽を創る」の中に、コンピューター生成されたバッハ・スタイルのコラールがまるっと一曲収録されている。音楽的な喜びがない(あるいは少ない)といった高度な話は置いておいて、少なくとも音の間違いが多い。思わず添削してしまいました。間違いが多いといっても添削しようかという気になる程度だからまずまずよくできているのは間違いないが…。
上の大譜表がコンピューターによる「作曲
第26回AI美芸研 「S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら・2」を聞いて考えたこと
本シンポジウムの問いかけに対して、川島素晴さんは「Nさんの仕事をAIがやるのは(当時も今も)無理であった」という立場であり、将来的にできるようになるかもしれないが、それは人間の作曲家との「エンドレスな追いかけっこになるだろう」ということであるから、表題の「S氏がAIをゴーストライターに使ったら」という設問自体が成り立たないという立場であった。
これに対して、「いやいやAIも頑張るぞ(今後)」とい
【テルミン発明100周年 特別ワークショップ】 ~テルミン家三世代と竹内正実先生をお迎えして~国立音楽大学作曲専修主催
昨日はお付きで掲題ワークショップに行ってきました。国立音楽大学作曲専修さんは常に意欲的な企画をしておられてすごいですねぇ。講師はナターリア・テルミン(テルミン博士ご息女)マリア・テルミン(同ご令孫)ピョートル・テルミン(同ご曾孫)竹内正実(テルミン奏者)のお四人。
さて、竹内正実さんがテルミンの情報源として映画「テルミン」の紹介をしようとすると、テルミンの子孫のお3人はあの映画にはかなり反感をも
Rachmaninoff Piano Concerto No.2 Movt.1
冒頭に出てくるピアノの低音域でのアルペジオ。ちょっとしたことなのだが、ところどころに倚音をはさみ込むことで一筋縄ではいかない響きになっている。