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#自由詩

【詩】あなたの地獄を想像したい

【詩】あなたの地獄を想像したい

他人と肩をぶつけあい

足を踏まれながら生きている

俯いて歩いているとじろじろ見られる

こちらが見ると目をそらす

だけど

あなたの地獄を想像したい

ここまで踏んできた針の鋭さを

身動きできない池の熱さを

あなたも地獄の住人なのだと

そう思えたら

優しく手を取れるのかもしれない

地獄を持った者同士なら

他人だった

他人だった

生まれる前から知っていたなんて嘘で
出会うまでは普通に他人だった
でもこれから死ぬまではずっと一緒だ

おなかすいたね
おいしそうなものは大体おいしいね
一緒にいると
飲みこむ前に笑ってしまうね

私はあなたとの境目をなくして
この先きっと
もっと優しくなくなる
どうしても嫌だな
ずっとひとりとひとりでいたいよ

ねむくなったね
でも明日を思うとねむれないね
一緒にいても
怖いときには泣いてしまう

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通勤

イヤホンを外せない地下鉄のなか
膨れたストレスを抱えながら
向かいに座った人の顔すらまともに見られなくて開いた文芸誌の
その静止した文字だけが私の知り合い
車窓に映って闇に引きずられてるあれじゃなくて
手元のまっさらな行間を染めていくのが私

プレゼント

プレゼントを買う時。
その時の心には、相手のことをただただ好きだという実感が、さらさらと満ちてくる。

そして、それ以上に。
どうにも相手に好かれたいと、本当に、ただ素直に思う。

なにも取り繕えない。
無防備に開いた心と、それから身体。
カラフルな棚を縫い歩きながら、ただただ見返りを求めている。
君に好かれたい、君に好かれたい。

醜いはずなのに、あつくて、気持ちいい。
満ちた気持ちがちゃぷちゃ

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『私のことを好きな人に会いたい』

「私の人生はもうここで終わりです」と思うのに、コンビニでプリンを買うのを我慢したりする。

店内の蛍光灯に煌々と照らされて、剥げたコンシーラーやテカる鼻のことが気になりながら、同時に「私の人生にもう行き先はない。ここで終わり」と強く思っている。
2分くらい立ち尽くしてから、コンビニを出る。

帰り道は暗く、「この世には私のことを好きな人も、これから好きになる人もいない」と思う。
そういう道を、ただ

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『恋』

何千年も生きたように疲れていたし
いつまでも生まれる順番を待つように寂しかった

どんな景色も見飽きていたし
どんな音も聞き飽きていた

でも
あなたの顔は
間違いなく初めて見るもので
あなたの声は
間違いなく初めて聞く音だった

あなたがその顔で笑って
その声で私に「好きです」と言ったとき
私は初めて
世界と目が合った
と思った

だけど私が一度
まばたきをしたら
昼と夜が知らぬ間に
くるくると

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