通勤

イヤホンを外せない地下鉄のなか
膨れたストレスを抱えながら
向かいに座った人の顔すらまともに見られなくて開いた文芸誌の
その静止した文字だけが私の知り合い
車窓に映って闇に引きずられてるあれじゃなくて
手元のまっさらな行間を染めていくのが私

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