訪問リハビリあるある!期待が高すぎる利用者さんへのリハビリの進め方は?
「訪問リハビリすれば、楽に歩けるようになりますよ!是非、やってみませんか?」
利用者さんは、ケアマネジャーから訪問リハビリを提案される際、期待を煽っていただくことは多いです。
非常にありがたいのですが、期待が高まり過ぎてしまう利用者さんが一部います。
期待が高すぎる利用者さんを担当することになった時、「そんなにすぐには、〇〇できるようにはならないかなぁ。。。」と考え、その期待をプレッシャーに感じてしまうことはありませんか?
今回は、期待が高すぎる利用者さんの正体を分析し、期待外れにならないためのリハビリの進め方について紹介します。
期待が高すぎる利用者さんの正体
リハビリが提供できる体験や価値、効果は、「リハビリへの期待」=「希望の実現」になります。
しかし、利用者さんの希望を実現するためには、学習と運動ボリュームが必要になります。
残念ながら、他力本願だけでは期待に応えられないことが多く、リハスタッフと利用者さんの共同作業が必要になります!
期待が高すぎる利用者さんは、「リハビリをしてもらえばOK」と考えています。
つまり、リハビリに対するモチベーションはあるが、自己努力により成果を上げようとは考えていません。
もしかすると、リハビリスタッフには期待はしているが、自分自身には期待していない可能性もあります。
そんな利用者さんがイメージするリハビリ=例えば、神の手やゴッドハンドが提供されなければ、不満に感じてしまうかもしれません。
ストレートに期待通りにいかないことを伝えてしまえば、怒ってしまうかもしれません。
期待が高すぎる利用者さんには、やる気を維持しながら主体的にリハビリできるように関わる必要があります。
リハビリの進め方 ポイント①
1つ目のポイントは、「現状の成功確率が50%程度の課題を目標とする」になります。
期待が高すぎる利用者さんは、意欲的にリハビリに取り組んでくれます。
その一方で、自己努力の必要性はあまり感じていないため、すぐにやる気が無くなってしまう可能性があります。
そのため、リハビリ開始時からやる気を維持できる目標を設定し、何とか乗り越えてもらうことが有効です。
人が最もやる気を感じやすい目標は、「もう少しでできそう。」と感じられる程度の成功確率50%の課題になります。
もしも、痛みや可動域制限が1番の理由で活動制限が生じている場合は、以下の記事を参照して、マッサージやストレッチなどの受身的なリハビリは程々にして、運動やセルフコンディショニング=自己努力でリハビリの成果を上げられるように関わりましょう。
リハビリの進め方 ポイント②
2つ目のポイントは、「試行錯誤」になります。
成功確率50%の課題に挑戦すると、惜しくも失敗することがあります。
普通であれば、適宜フィードバックをしながらリハスタッフから積極的に修正を図っていくと思いますが、期待が高すぎる利用者さんに対しては、自分自身で「試行錯誤」してもらうことが有効です。
理由は、リハビリを受ければできるようになると考えている利用者さんにとって、自己努力により成果をあげるということは、新しいスキルの獲得になります。
人は、失敗と挑戦を繰り返し試行錯誤して様々なスキルを獲得していきます。
しかし、成人から高齢者になるにつれて、失敗を避け、正攻法を知りたがる傾向があります。
子ども、高齢者に関係なく、新しいスキルを効率よく習得するためには、認知機能よりも「試行錯誤」が有効であるという研究報告があります。
期待が高すぎる利用者さんとのリハビリでは、課題を完了するまで見守り、最後に一緒に対策を考える=「試行錯誤」の機会を作ることが有効です。
戦略的なリハビリ計画 ③
最後のポイントは、「戦略を褒める」になります。
試行錯誤を通して課題の成功を経験したら、利用者さんが考えて行った戦略について褒めましょう!!!
ポイントは、能力ではなく戦略を褒めることです。
能力は課題の安定性やスピードなど、戦略は利用者さんが工夫した手順や体の使い方などになります。
うまくできた課題は進んで取り組みやすくなり、成功体験を積めば積むほど、継続して行えるようになりやすいです。
これにより、利用者さん自身で課題クリア=希望実現ができるという思考になっていきます。
「成功は努力の結果と考えている人は粘り強くなる」ようです。
まとめ
期待が高すぎる利用者さんは、リハビリすれば希望が実現すると考えており、運に身を任せて、自己努力を忘れているかもしれません。
そのため、リハビリに対するやる気が続きにくい傾向があります。
そこで、以下の3つのポイントを押さえてリハビリを進めることをおススメします。
①成功率50%の課題を目標にし、やる気を維持させる。
②自己努力ができるように試行錯誤させる。
③利用者さんの戦略を褒め、自分自身に期待してもらう。
リハビリに対する期待が高すぎる利用者さんは、自分自身へ期待しながらリハビリに取り組んでもらうことが有効と考えます!!!
是非、やってみてください!
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