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訪問リハビリあるある!家族の介助方法を修正するためには?

「家族の介助負担が増えてきた。。。」
「トイレの介助方法を変えた方が良さそう。。。」

訪問リハビリの利用者さんは、家族より介助を受けて生活されている方が数多くいます。

そんな利用者さんの家族に対して、介助方法の修正を行うことがあります。

しかし、新しい介助方法を提案しても、なかなか実行してくれないことはありませんか?

今回は、家族の介助方法を修正するためのコミュニケーションのポイントを紹介します。


家族の介助方法を修正するための大前提

家族の介助方法を修正するための大前提は、変わる、もしくは変えるきっかけを作ることです。

他人に正論をぶつけることで、行動を変えることが難しいです。

「〇〇しないさい」や「〇〇すべき」と言われると無意識で反発したくなり、自由意志を守りたくなるものです。

そのため、訪問リハスタッフは、いきなり的確なアドバイスをして行動を促すことでは、家族の介助方法を修正することが難しくなります。

それでは、どのようにコミュニケーションを図っていけば良いのでしょうか?

ポイントは3つあります。

以下で詳しく説明します。


ポイント①

ポイントの1つ目は、「過去から現在の経緯の聴取」になります。

ここでは、介助を行っている家族に共感するために、好奇心を持って質問していきます。

好奇心を持つ=リハビリの知識や経験をもとに質問するのではなく、一般人の感覚で質問することが重要になります。

具体的な質問の例を紹介します。

・介助方法は、家族さんが考えたんですか?

・この介助方法に辿り着くまでに、他にも違う方法を試したりしたのですか?

・この介助方法に慣れるまでにどれくらいかかったんですか?

・この介助方法は良い方法ですね。何か工夫していることはあるのですか?

上記のような質問から対話を始め、フォローアップクエッションを入れながら、できるだけ詳細に語ってもらいましょう。

フォローアップクエッションとは、相手が発した言葉を拾った質問を投げかけることになります。


ポイント②

ポイントの2つ目は、「悩みの共有」になります。

ここでは、家族の信念に乗っかりつつ、家族への心配りをやんわり伝え、悩みを言いやすい状況を作り出します。

具体例で説明していきます。

例①
リハスタッフが「どんな想いで介助しているのですか?」と質問します。
すると、家族が「少しでも自分で動いてほしいから」と返答したとします。

そこで、リハスタッフは「私も利用者さんが生活の中で動く機会があった方が良いと思います(=信念に乗っかる)。そのためにも、家族さんが継続して介助できることも大事になりますね(=家族への心配り)。」と返します。

例②
リハスタッフが「トイレまで手を引いて歩いているということは、いつまでも歩いてほしいってことですよね?」と質問します。
そして、家族が「トイレくらいは歩かないと、歩けなくなっちゃうしね」と返答したとします。

そこで、リハスタッフは「トイレまで歩けると1日に何回か歩くこともできて、良い運動になりますね(=信念に乗っかる)。そのためにも、家族さんが継続して介助できることも大事になりますね(=家族への心配り)。」と返します。

悩みは聞くのではなく、言ってもらえるように仕向けることが重要です。

悩みを打ち明けてくれた=弱みを見せてくれたということは、リハスタッフへの信頼が高まるきっかけになります。


ポイント③

ポイントの3つ目は、「ツーサイドで説明する」になります。

家族から介助に関わる悩みを聞いた後に、ようやく介助方法のアドバイスを行います。

しかし、安心してはいけません。

アドバイスを行う際には、いくら信頼した相手であっても、「〇〇しないさい」や「〇〇すべき」のような説明では、人は動きません。

そこで、ツーサイド=長所と短所を含めて、介助方法を説明しましょう。

ツーサイドで説明する理由は、様々な可能性を提示することで有能であると思わせることができ、リハスタッフからの説得に応じやすくなるためです。

決して介助方法を修正する意図は見せずに、自由意志を尊重したコミュニケーションを図りましょう!


まとめ

家族の介助方法を修正する時には、いきなり正論をぶつけるのではなく、悩みが分かってからアドバイスしましょう。

そのためのポイントは3つあります。

上記のポイントを意識して、家族の介助方法の修正を図ってみてください。

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