見出し画像

第7話 中村橋通り

友達の家に一人でお留守番をしている。七チャンネルでは露天風呂の中で水着で踊っているコマーシャルが繰り返されている。ケーブルテレビがあるのでそれを見たいが、勝手にいじって良いものかもわからないし、ひどいリモコンで使い方が全くわからない。
もう明け方で、空の雲に朝日がかすかに当たり始めとてもきれいだ。

多摩美でコンサートがあり、その後に打ち上げがあった。女の子達は黒いマフラーをした男の家に行くと言っているが、私は行きたくないので帰ることた。トイレに立ち寄ると男女混合のトイレらしく、混んでいてウロウロしている人もいる。
隣に女の子がいて手を洗っているので、やりづらいし、私の服で手を拭いたりする。
トイレの下に清掃員の様な二人組がいて、
「もう終わりだよ。」
と言っている。二人組はトイレの下にいるために水などがかかってしまうが怒る気配はない。
「早く帰ってー。」
私は清掃員に追い出された。
トイレから出ると女の先輩に囲まれた。嬉しいけれど誰一人として知らない。トイレに財布を忘れたので取りに行こうとするが、
「もうトイレは閉っているよ。諦めなよー。」
と先輩達に言われる。
お金が無いので帰れなくなり残念で嘆く。ベンチを見るとそこに自分の荷物が置いてあって、
「良かったー。」
と面識の無い後輩と一緒に喜んだ。

そんなことをしている間に皆は先に行ってしまい、気が付くとその後輩の男の子と二人きりになっていた。皆を追い駆けることにするが皆は午前十時のボートに乗るらしい。
小学校の頃の友達と二人で皆を探すことになったが、その人とは一緒に居たく帰りたいので帰るが、結局その人と行き先の方向が一緒になってしまっている。

三階からエスカレーターで一階まで行くと、辺りはもう朝になっていて朝帰りだと思う。一階の入り口にはドイガ中村橋通り店(画材店)のトラックがあり幌が付いている。ここにもドイガがあるのかと思い嬉しくなる。

(!以下虫の話につき注意!)

中村橋通りから逸れると、木陰の通りに出る。打ち上げとは関係ない友達と偶然出会い少し話す。木陰の下には緑の毛虫がいて、上から落ちてくるのが心配で落ち着かない。
友達は芋むしだらけになっていて、頑張って取ろうとするがしっかりと服に食らい付いていて、力ずくで取ろうとすると千切れてしまいそうだ。その際にも上から落ちて来ないか心配で仕方がなく、帽子を深く被る。友人は髪の毛に芋むしが絡まり、どうしようもない。
友人の背中にはやきとりの竹串の様に大きな芋むしが串刺しになって付いていて気持ちが悪い。

サポートよりもこちらをクリック https://hatamata.thebase.in