第36話　デッサンの講評

鷺宮の神社横に坂がある。その坂を下った所にあるラーメン屋で油そばを食べた。油の量がとても多いがそこそこおいしい。食事を終えた後に会計をしようと思ったのだが、店員が二十円多くおつりを間違えて渡してきた。
「おつりが間違っていますよ。」
私の指摘とは裏腹にさらに三十円多くおつりを渡して来てくれた。どうやら間違ったという言葉をおつりが足りないという意味に捉えてしまったらしい。
＊
海岸沿いを自転車で散歩している。海の色がエメラルドグリーンでとても綺麗だ。砂浜なのに水たまりの様なものがぽつぽつと散在していたので、自転車で横断する様に漕いでいたが、車輪が砂に埋まり海で自転車は漕げないと思う。
＊
予備校でデッサンの授業があった。油絵学科の人達と合同の授業だったが、デッサンの特訓をしていた訳ではないので自信は全くなく、引け目を感じていた。講評の結果は散々たるものだと思っていたにもかかわらず、誉められたので嬉しく思うが、どんな絵を描いたのかは覚えていない。