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第1話 アーケード

電車の中に白いお面の様な顔をした女の人がいる。女の人は私のことを見るなり私の方へ寄って来た。気味が悪いので席を離れると、目の前にしわの多いおばさんが現れた。目を開いているのか閉じているのかわからない顔つきで立っている。恐ろしくなったので、急いで電車の端にいるお姉さんに抱き着いて言った。
「助けて下さい。」
先ほどの女達はすぐに私を追って来た。何かを言っている様だが何と言っているかは聞きとれない。

目が覚めると好きな子が隣で寝ている。もっと早くに気が付けば良かったと思う。お風呂場に行き顔を洗うが、地面に置いてあるピンク色のせっけんが包装紙に包まりながら汚くなっていて嫌だと思う。後ろから女の子がビービー弾の鉄砲で私を撃って来る。
「痛いだろ!」
結構痛いので勢いで怒鳴ってしまうがケタケタと笑っているため、傷つけず良かったと思う。しかし、一向に止めてくれないので怒りは収まらない。
その後、洋服屋さんに行くが途中の坂道が急で登るのがきつい。田舎のお店なのでアーケードにあるとはいえ規模が小さい。お店はやっておらずシャッターは閉まっていて、0091124という数字が書いてある。アーケードの中は他にゲームセンターしか営業していない様だ。

空が晴れているので昔住んでいたマンションの屋上に行くことにする。マンションの屋上から見た空は小さい時に見た空よりも広い。屋上でゆっくりしていると何だか下の方が騒がしい。
覗いてみると、紺色の作業服を着た人達が五、六人走っている。プロパンガスのボンベの交換かと思ったが、ボンベが黄色いのでいつもと少し違うことに気付く。もしかしたら屋上に交換に来るかもしれない。
私はもうこのマンションに住んでいないので、見つかったらまずい様な気がして見つからない様に避難はしごから降りることにする。はしごは二階までしか続いていないので、そこから飛び下りる羽目になった。結構足が痛い。
何故逃げなくてはいけないのかと思いつつも、裏庭の草丈は身を隠すのに丁度良い高さであり、そこを這いずりながら進んだ。結構シビアだったが、昔飼っていた猫がいたりして懐かしく思う。草むらに隠れてこちらの様子を伺っているがもう私のことは忘れてしまったのだろうか。

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