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第9話 ひるんだところを徹底的に打ちのめす

中杉通りの終点のアイス屋に幼馴染みとその彼女といる。二人はチョコミントとコーヒーミルクをその店で買った。私はそのアイス屋さんでは買いたくなかったので別のアイス屋さんに行く。もう一つのアイス屋さんは中杉通りの反対側の終点にあり、ここからだと結構距離がある。
二人のアイスが溶けないうちに私のアイスを買いに行くために裏道やら学校を突っ切って階段を下るが、階段のかっこいい下り方を研究したりして時間を使ってしまった。

急いでいるため百メートル六百円の有料道路を突っ切る。踏み切りにさしかかった時に踏み切りに引っ掛かってしまい、二人とはぐれてしまう。商店街まで着くとアーケードの中にきぐるみをかぶっている人がいて歩き方が危ない。赤いうさぎの着ぐるみで、中には可愛い子どもが入っていた。私は商店街で三回もその着ぐるみとすれ違うが、その度に故意にぶつかってくる。
「何か言えよ。」
と絡んでくるので、
「ごめんねー。」
とあしらうが、もう一回ぶつかって来たので罵声を浴びせると少しびっくりした様だ。それでも懲りずにもう一度ぶつかって来たので呆れる。

もう一つのアイス屋さんが見えてくる。私はアイス屋さんには入らずにその先のラーメン屋さんに入るが、雑誌「太陽」にラーメン通の特集があって負け犬についての記事がある。
「ひるんだところを徹底的に打ちのめす。」
「定義 袋に指を突き刺し、ちぎり、目玉の中身を目の前で食ってやる。」
雑誌にはラーメン通である関さんの記事が書いてあった。
「またラーメンを食っている。」
どうやらラーメンを食べることは良くないことらしい。
「三杯のおかわり。」
三杯もおかわりをするとは、どうやら関さんはとても駄目な人らしい。店内はひどく狭く私は椅子に座る時、隣のおじさんのためにのけぞった。雑誌を見ると中国大陸にラーメンの天下のマークが付いている。やはりラーメンの本場は中国らしい。いつ頃の雑誌か確認したいが表紙が見つからない。

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