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まちの魅力を感じる瞬間を伝えられる人でありたい|女子大生100人インタビュー#7

相手を信頼してお願いするという時に私はそれを得意な相手に任せて大丈夫だと思っているし、かつ自分ができることにある程度自信を持つようにしています。その時には相手の意見を汲めるように自分のやりたいことをやるという姿勢も忘れません。

HATACHI Communityが運営する女子大生100人インタビュー、7人目はコミュニティ作りを軸に活動をする女子大生にお話しを聞きました!

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|小野詩歩さん
日本大学法学部公共政策学科3年
*2000生まれ/神奈川県出身
*大切にしている価値観:自分の中で新しい眼を持ち続けること。相手を知るために、しっかりとその人を見ること。


|誰かから貰った言葉が私の価値を作っていく

ジャーナリングをする習慣があって、最近私のノートには「今」や「DOING」という言葉をよく書き出しています。自粛しなければいけない中で、最初の1ヶ月は「コロナだけど何かしなきゃいけない」「私はこの状況でも価値を出さなきゃいけない」義務感を感じていました。でも最近はその焦っているピークを超え、もう少し焦らずに今何をしているのか、自分の現在地をちゃんと把握することを意識したいな、と。

また、自分の価値を見出せるのは楽しみでもあり、やりがいにも繋がっています。「自分の価値を見出す」と言った時に大切なのは、コミュニティ作りが楽しいということです。この自粛期間中、意外と色んな人と繋がることが多い上、私にとって気づきをくれる人が周りにさらに増えたように感じます。私にとってコミュニティ作りの楽しさもそこにあり、その人たちから私が与えてもらっていることが多く、その過程で誰かからもらった言葉が自分の大切にしたい価値に繋がっています。

実際に友達に誘ってもらったオンライン新歓で大学1年生の子と話す機会があり、その時にも新たな気づきがありました。そこでは、私の関心があるまちづくりについて話すことがありました。一緒に話していたその1年生も実際にまちづくりに興味があったので色々質問をしてくれ、私を原点に戻してくれるような問いをくれました。それは「まちづくりでどんなことしたいんですか?」と、そんな風に聞いてくれました。その時に改めて、私が追求したいまちづくりってなんだろうと考えるきっかけになりました。将来、まちづくりの領域で仕事はしたいと考えているけれど、その領域が広すぎるからどう実現しようと、これは今もまだ考えていることです。

|大学1年生の時に感じた「もどかしさ」

「まちづくり」はひらがなで書くようにソフト面のニュアンスがあり、私の場合は、「地域「まちづくりという言葉が大学生活での一番のテーマです。そしてこれまでを振り返ってみて、主に2つのまちづくりに関わってきました。一つはコワーキングスペースdocksでコミュニティマネージャーとして働いたこと、もう一つはETICが運営している地域ベンチャーでのインターン経験です。大学1年生の時に参加した後者の復興創生インターンで、私は宮城県の南三陸町の建設会社に行きました。その建設会社は地域の軸になっていて、そこで新規事業の立ち上げを経験しました。

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インターンに参加してたみんなとの写真

実際に私が感じたのは新規事業開発ってすごく難しい、ということでした。1年生の私にとって新規事業自体がすごく挑戦的だった上、当時の私は自分に自信を持つことができなくて自己肯定感が低く、結構苦しかったかもしれません。それは、自分に自信がない状態で何かをするのは難しいと思ったからです。インターンで取り組んだことは楽しかったのですが、どうしても誰かと自分を比較してしまうことが多かったと感じています。新規事業開発は私を入れて3人のチームで行っていて、大学3年生の人と一緒のチームでした。その人は私と同じ肩書きの「大学生」にも関わらず新規事業や戦略を立てるのがすごく上手くて、その人の隣にいると自分が「大したことなさすぎる」と感じてしまうことがありました。

当時は、悔しいというよりはもどかしさが感覚としてはありました。経験がないから言いたいことが言えなかったり、自信がないから発言をやめてしまう自分がいることがすごくもどかしくて。私自身大学3年生になった今は、そのもどかしさはかなり減り、当時大学3年生だったその人とも仲が良くインターンや就活の相談をしています。この経験から私が思ったのは、自信や経験がないことを理由に相手に対して謙りすぎるのは良くないということです。経験やスキルの差から相手と自分が対等ではなく自分が下だと思う時でも、ある意味対等で接することが尊敬に値するかもしれないと思ったからです。対等に接するというのは、「私なんてそんなことできなくて」と自分を卑下する言い方ではなく「すごいですね、私もそういうこと興味あって」とか「それってどうやってやるんですか?」などその人に自分から投げかけてみることです。同じ視点に立っても見えないものはたくさんあるけれど、まずはその姿勢が大切なんだと気づくことができました。

当時を振り返り、大学1年生だった私はそもそも対等でいようとしていない、相手と同じ土俵に上がろうとしていなくて、今思えば「しっかりしろよ!」とツッコミたくなります(笑)

|自分と相手を信頼することで見えてきた繋がり

自分の中での変化として相手に対して対等で接したい思ったと同時に、自分のことも理解しないといけないと思いました。だからこそ、まずは相手と自分を信頼するのを大切にしたいなと、この話を他の人にして気づきを貰った時がありました。それは例えば、私が1人で何かをするよりも誰かと一緒にすることの方が多いのですが、相手を信頼して何かをお願いするという時に私はそれを得意な相手に任せて大丈夫だと思っているし、かつ自分ができることにある程度自信を持つようにしています。その時には相手の意見を汲めるように自分のやりたいことをやるという姿勢も忘れません。

最近、自分と相手を信頼することで良かったと思える瞬間がありました。今年の3月に約300人が集まるオンラインイベントを開催した時のことで、私は運営スタッフとして関わっていました。元々オフラインで開催する予定でしたが、急ピッチでオンラインに切り替えをしなければいけなくなり、状況がガラッと変わってしまいました。その時にZoomをすごく使い慣れているという感じでもなかった私は、「ここで私の価値をどう出そう」と思いました。一方で、このイベントを支えてくれている30人の学生スタッフの存在もありました。私にとっては彼らがこの場に関わってくれるのがすごく嬉しかったし、一緒に運営をやりたくてこのイベントに関わっている要素もすごく大きくて。

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オフラインイベントを開催した際の学生スタッフとの写真

そんな中、急ピッチでオンラインへ切り替えが必要になったことで、運営側はオペレーション周りにさらに力を入れなければいけなくなりました。それが原因でスタッフが運営だけに力が入りすぎてしまって、学生スタッフとコミュニケーションが殆ど取れない状況が生まれてしまい、私はそれをどうにかしたいと考えるようになりました。元々オフライン開催を予定していたので、当日は大阪から来ます!と言ってくれる学生スタッフもいて、その子達が「全力でここに来てよかった。スタッフをやる価値があった」と思ってくれるようにしたい思いが私の中で強かったからです。実際に、学生スタッフにはブレイクアウトルームでのファシリテーターとして入ってもらったり、グランドルール作りから一緒に行っていきました。この場を楽しくするためにうまく30人の学生を巻き込もうと思い、私にとってはこれも一つのコミュニティ作りでした。

結果として1人の学生スタッフの人から「一緒にやろうよって声をかけ続けてくれたおかげですごく楽しかったし、素敵な経験だった」とFBの投稿でイベントのことをぎっしりと書いてくれました。私はその人に対して絶大な信頼をしていて、その人にとって楽しい場所になるようにとずっと考えながら行動していたので、「この場所に繋ぎ止めてくれてありがとう」と言われた時、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。


|私が作りたいコミュニティの姿

これまでも今も様々な形でコミュニティ作りをしてきましたが、結局私にとってコミュニティ作りってなんだろう?と考えてみると、私が必ず心がけていることが見えてきました。それはその人のやりたいを応援できる環境でいたい、ということです。私は誰かが取り残されている状況が昔から嫌いで、取り残さないというのもそうですが、それ以上にうまく巻き込めない状況は自分にとってもストレスになることがあります。オンラインでもオフラインでもその人をうまく巻き込みながらやりたいことや言いたいことを口に出せる環境作りをしたいと思っています。そしてそのために必要なのはやっぱり心理的安全性が担保されている、安心できるのが一番ではないかと考えます。私の中では信頼と安心が感じられる場所であればいいな、と常に思っています。


|なりたい姿になれる瞬間

基本的に自己受容はできるのですが、自己肯定感は低い時が多いかもしれません。たまに他の人から言葉を貰って少しだけ上がる時がありますが、現状の自分に対して満たされている感覚が殆どないことが多いと感じています。

それでも、私が唯一満たされたというか、達成感に包まれた瞬間がありました。
高校3年生の時に演劇部として出演した最後の舞台です。高校最後の舞台は演劇ではなくミュージカルでウィキッドをやるというものでした。主役はその「ウィキッド」であるエルファバ。私はずっとその役がやりたかったんですが、「小野さんは主役の演技はしないよね」と部活の顧問から言われていました。でも「どうしてもウィキッドの役がやりたい。悔しい」と思って、頭の中はウィキッドの緑一色になるくらいにずっと練習をしていて、ついに主役を任せてもらえることになりました。

▽当時コーチにもらった手紙の一部抜粋▽

「本当に努力家で教えていて楽しいし、しほならやってくれると思い、色々難しい注文をしていました。それに全て応えてくれて、部活を引っ張ってくれてありがとう。エルファバは真面目で、嫌われることを恐れないで人と接することが出来る強い人間で、しほにぴったりだと思いました。」

最終的にはコーチに「小野さんがいてくれてよかった」と言ってくれたり、「文化祭見に言ったよ」と言ってくれる友達もいて、私にとってはこの時が一番なりたい姿になれた瞬間だったのかもしれません。そしてそういう瞬間が私にとっては満たされる時だったと今振り返って感じています。

|地域の魅力をまた感じられるようなまちづくりを

将来もまちづくりの分野でやりたい気持ちが大きいため、そこに関わっていくにはどうすれば良いのかをずっと考えています。実家が銭湯ということもあり人が集まるところや地域コミュニティが私にとっては常に身近にあるものでした。私は街全体をデザインする仕事がしたくて、その中の一つの位置付けとしてのコミュニティ、いわば地域の中で人が集まる箱があるけれど、それは社会や街の歴史とも関係しています。自分のやりたいことを仕事にどう落とし込めば良いのかまだわからない部分もあるので、3年生になった今は自治体のまちづくりの政策や公共からのアプローチと地域を考えることが多く、まずはその観点からもう少し地域コミュニティの勉強をしていきたいと思っています。

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まちづくりについて、色んなことを吸収できたシドニーひとり旅

現時点で私が一番しっくりくる言葉はエリアブランディングタウンマネジメントで、将来は「自分の強みを生かしてまちの魅力を引き出していきたい」と言える人でいたいし、そのためのスキルを持っていたいと思います。

私がこれまでたくさんの人に気づきをもらってきたように、地域の人にとって気づきを促せる人になりたいです。それは、地域コミュニティの魅力は意外と外側からのアプローチがないと気づかないことがあるのを、これまでの経験から感じているからです。

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だからこそ私が誰かにとって気づきを与えられる人であり、そこにいる人たちは地域の魅力を発見して「自分の地域にはこんな魅力があったんだね!」と思ってもらえるようになりたい、そう思っています。
そして、私はそれを伝える人でありたいと思っています。

📣女子大生100人インタビュー質問リレーコーナー📣
〈女子大生からの質問〉
今まで言われて一番嬉しかった言葉は?
〈しほさんの回答〉
記事の中でも話していた「私をここに繋ぎ止めてくれてありがとう」です。私自身、それを言ってくれた時は繫ぎ止めようとかそういう意図は全くなくて、どうしたらその人が楽しくなるかなというのを考えてた結果、相手がそう感じてくれたことがすごく嬉しかったと感じています。



|この記事を運営するHATACHI Community について

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「私たちの言葉をもって話そう。私たちのこと。」

20歳を生きる全ての女の子へ、
人には様々な物語があり、その中にはたくさんの選択や決断があります。
特に20歳前後の私たちにとっては選択肢がたくさんあり、それを広げる事業もたくさんあることが当たり前のようになってきています。

一方で、選択肢がたくさんあったとしても
その先には絶対に自分が選ばなくてはいけない時がきます。

その時に必要になるのが、「様々な選択肢の中から自分の納得する選択を選ぶ力」だと考えています。選ぶ力を身につけるためには自分自身と向き合う時間が必要です。自分が納得する選択肢は何か、もしかしたら今の選択肢の中にはないのかもしれない。

私は何がしたいのか、どうありたいのか、それに対して不安なことや悩んでいること、たくさんあるのではないでしょうか。その時にこのインタビュー記事がその一助になるのではないかと考えています。

このインタビューでは”女の子”と一括りにせず
1人ひとりがありたい姿を素直に言葉にできるように、
私たちの言葉をもって伝える場を提供していきます。

Hatachi Communityは女子大生の多様性やグラデーションを発信していく
みなさんのためのプラットフォームです。
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そしてこの記事が一つの”贈り物”として、
女の子の今日の一歩を後押しできますように。

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インタビュー/編集
HATACHI Community代表 かなつな ななみ


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