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自分の魅力・得意を探して。【ウチダ商事】

今回は鹿島朝日高等学校・鹿島学園高等学校で、ウチダ商事 代表取締役社長 内田様にご登壇いただき、キャリア教育プログラム 「CHOOSE YOUR LIFEお仕事図鑑」を実施しました!

CHOOSE YOUR LIFEお仕事図鑑とは、『知らないから、選べないをなくす』のコンセプトのもと、日本の産業や社会を支えてきた人たちの志や想いを若者たちに継承したいという想いでつくられた高校向けキャリア教育プログラムです。

様々な業界を代表する企業に登壇いただき、そこで働く人の仕事や生き方を伝え、若者たちがロールモデルと出会うきっかけを届けます。

この記事では高校生に働く情熱を伝えた本プログラムの一部をお届けいたします。担当はハッシャダイソーシャルの「森本」です。


建設資材の販売をする会社

森本:今日はウチダ商事株式会社の代表、内田さんにお越しいただきました。さっそく自己紹介をお願いします。

内田さん:初めまして。ウチダ商事という会社をやっています。会社は東京にありますが、関東1都3県と、茨城・栃木・群馬に事務所を構えています。2019年には、ベトナムにも事務所を作りました。

学生時代から色々なスポーツが好きで、今もゴルフやスキーを趣味としています。

https://youtu.be/GM4-HjLEXnA

森本:自己紹介、ありがとうございます。それでは内田さんの人生を深ぼっていきたいのですが、まずウチダ商事さんはどういった仕事をされている会社ですか?

内田さん:社名からではわからないですよね笑。たとえばパン屋やドラッグストアは「B to C」と呼ばれる、一般の人や個人に向けて販売をする仕事。みなさんにもわかりやすいと思います。

それに対して、我々は「B to B」の商売をしている会社で、建設資材、つまり建物を建てるのに使う材料の販売をしています。

わかりやすいものだとブロック塀、照明や物置、車庫の屋根など、家の外で使うような資材ですね。会社としては67年目になります。

また、建物の骨格となるコンクリートも扱っています。パン屋さんは小麦粉を買っていますが、小麦粉はトラックで工場へ運ばれますよね。

同じようにコンクリートの原料であるセメントを、セメント工場から生コン工場へ運ぶ。そして生コン工場から建設現場へ、液状のコンクリートを運ぶ。

こうしたミキサー車によるデリバリーや、そのスケジュール管理を行っています。

まだ街ができあがっていない国にも需要があると考え、ベトナムでもカーポートや車庫を販売しています。飛行場の前にあり、人が並ぶタクシー乗り場の屋根を作ったこともあるんですよ。

https://www.uchida-shoji.co.jp/

需要が見込め、印象も良かったベトナムでの新事業

森本:ちなみに「商社」とはどういう仕事をしているか、高校生に教えていただけるとうれしいです。

内田さん:ちょっと難しいですよね。建設会社は、コンクリート工場とは直接つながっていません。そこで我々が建設会社から依頼を受け、現場のサイズや規模、納期をヒアリングします。

我々は関東一円の生コン工場とお取引があるので、その中から最も条件に合いそうな工場を選定して、パイプをつなぐ仕事をしているのです。

https://www.uchida-shoji.co.jp/

森本:ありがとうございます!ベトナムに事業所を建てようと思ったのはなぜですか?

内田さん:みなさんもニュースで日本の少子高齢化や人口減少の話をよく聞いていると思います。

人が減れば買う人の数が減るということなので、会社としてどうするかは、どの会社も悩んでいるのです。

一方世界的に見れば、人口が増えています。ならどの国で事業を始めようかとなったときに、日本から一番動きやすいのはアジア圏だと考えました。

私自身、大学生のころに色々な国へ行きましたが、ベトナムの印象が一番良かったんですよ。将来ベトナムで仕事をしたいと自分が話していたのを思い出し、「これはチャンスでは?」と思ったんです。

9年前に初めて会社として現地に行きましたが、まずは一緒に仕事ができる、信頼できる人を探すところからだったんですよね。

言葉もわからず大変でしたが、技能実習生として、仕事を見てもらったり一緒に過ごしたりして、信頼関係を築くところから始めました。

現地の法律・ルールを知ることからのスタート

森本:なるほど。新しい地域で事業を始めるってすごく難しいんだろうなと思います。カーポート販売など、そこに至るまでの苦労や成功はどのようなものがありましたか?

内田さん:何が成功かは正直わからないですよね(笑)。

本当に最初のスタートは、ベトナムの法律を学ぶことでした。日本でも、地域によって「当たり前」は違いますよね。

何か会社で決めなければいけないときに、多数決で良いのか、全員一致でないといけないのか。ベトナムの常識や、その前提となるルールがわからないと、仕事ができないんです。

翻訳ができる方に日本語へ直してもらう作業や、知らない街のどこに事務所を構えるか考えることから始めました。

そこからは、研修生の人とともに試行錯誤。
売ってみたけれど「お金が払えません」と言われたこともありましたし、日本では簡単に製造できるものでも、ベトナムには材料がないと作り始めてから気づいたことも。

色々な経験をしながら4年経ち、どうにかカーポートの製造・販売ができ、どういうものかを見せられる資料を作れるようになりました。SNSでは、ベトナム語での宣伝も行っています。

https://www.uchida-shoji.co.jp/

高校生と向き合いたい理由

森本:すごくアクティブに活動されている印象を受けます。
歴史が長い会社とのことですが、働かれている方はどんな方が多いのでしょうか?

内田さん:会社ができて67年も経つので、色んな人がいます。上の人は74歳、下は21歳。男性も女性もいるし、独身・既婚、バックグラウンドもさまざまです。

森本:ウチダ商事さんで働きたいと思ったら、高卒でも入れるのか、それとも大卒の人が多いのか。学歴やキャリアはどのような感じですか。

内田さん:これから大学に行くことを考えている方もいると思います。自分自身、家族も周りも、大学に行くのが当たり前という価値観でした。

しかし今会社をやっていて一番思うのは、テストで点を取れることが良いのは学校にいる間だけですね。良い点数を取れる学生が、良い仕事をするというわけでは全くありません。

大学も「○○の仕事をしよう」と思って行く人は少ないと思います。実際、大学を出ても、ほとんど会社で役に立つことはないんです。

逆に学校のテストが20点でも、仕事をきちんとやれば、社会人として100点になれます。だから、仕事が自分に合うか・合わないかの方が大事。

大学があまり役に立たないなら、働いても良いかもしれません。だとしたら、高校のうちに、仕事についてもっと知り、向き合っても良いですよね。

私自身、高校生としっかり向き合わなければと考えていたときに、新聞で見つけたのがハッシャダイソーシャルさんなのです。今、多くの会社が高校生を大事にしています。

大人がどんな仕事をしているのか、どんな会社があるのか。全然わからないから、少しでもこうして話をするのが大事だと考えています。

勉強が苦手でも、自分の魅力・得意を探して


内田さん:今は学校にいるから、偏差値や学校名が気になるのだと思います。人事が採用する基準として、偏差値が高く良い学校を出た人は、それだけ頑張ってきたのだろう……と、選びやすくなるだけなんですよね。

ですが数学で考えても、四則計算さえできれば良い。それ以上難しい計算は仕事で使わないし、電卓もあります。

勉強ができなくても、科目ごとのテストが苦手というだけであり、それぞれ得意なことがあると思います。それを仕事に活かし、経験に変えていけば良いだけです。

自分の中の魅力を探して、上手く会社にPRしてください。それで思うように行かないなら、会社があなたに合っていないのです。

森本:内田さんの、仕事や高校生への向き合い方について、なぜこれほどの情熱が出てくるのか気になります。

内田さん:私が最初に入社したのはエリート会社で、大卒が当たり前だし、名門大卒の人が多かった。でも、東大卒でも仕事が全然できないなんてケースはざらにあるんですね。人と話すのが苦手な人は、仕事をするうえでは辛いかもしれません。

今のウチダ商事には色々な人がいます。高卒でもバリバリ仕事する人はたくさんいる。

学歴は本当に関係なくて、一生懸命な人がきちんと働けることが、世の中にとっても大事だと思うようになったんですよね。

道でおばあちゃんが転んだら、どうする?

森本:めちゃくちゃ良い話です。自分に合う会社・環境が大事とのことでしたが、ウチダ商事さんではどのような人に入ってきてほしいと思っていますか?

内田:たとえば道で、前を歩いていたおばあちゃんが転んだとしますね。
そのとき「あー、転んじゃった」と思うだけでなくて、手を差し伸べられる人です。困った人をパッと助けてあげられる人。本当にそれだけ。

お客様が困ったときに、フォローできるかが仕事だからです。
「フォローしてあげよう」と自分の意志で思える人でないと、やらされ業務になってつまらないし、お客様からの印象も悪くなります。

助けたいと思えない人は「言われたから助けに行く」で終わり、伸びしろがありません。

森本:なるほど。中学や高校、大学でも実践できますよね。身近な人をちょっと大切にする、助けるという意識。忘れがちだけど大事です。
セメント・生コン業界で働いていて感じる、やりがいは何かありますか?

内田:やりがいは人それぞれですかね。
建設現場は、何かと困ったことが日々起こります。私の場合は、困ったときの相談相手になれること、手を差し伸べられる関係になれることです。

「ムリです」と答えるのでなく、いくつか選択肢を作ってあげることが大事。その選択肢を自分で考えられることかな。

森本:なるほど。先ほどの求める人物像と重なっていて、内田さん自身がそれをすごく楽しんでいるんだろうなと、聞きながら思います。

https://www.uchida-shoji.co.jp/

高校生からの質問

森本:建設関係で、生徒から質問も来ています。環境への配慮はあったりするのですかと。

内田:すごく難しいです。生コンは環境破壊につながっているとは思います。人が家を建てるために消費する材料は、どうしても自然界からもらうことになる。

ただセメント産業と言うよりも、人間側の問題でもあります。たとえばスニーカーや洋服などは、1つあれば十分なのに10個持とうとする人もいますよね。この活動が止まらない限り、環境破壊は起こります。

家については1人2つ持つ人はあまりいないので、環境への影響は最低限で済むのではないでしょうか。CO2の問題なんかも、これからですね。

自分で選ぼう、決めよう

森本:ありがとうございます。ここからは、内田さんがどうして今の仕事をしているかと、その内容をお伺いします。転職されたとのことなので、最初のキャリアから今のキャリアに至るまでのお話を聞きたいです。

内田:大学を出た後は、金融機関で8~9年ほど勤めました。

ウチダ商事は、祖父が終戦後に作った会社。祖父が高齢になり、戻ってこないかと話があったのがスタートでした。でも自分は大企業にいたし、中小企業なんて……と正直思っていて、断っていたんです。

でも銀行でとある社長に話したとき、「どの企業も、トップを誰にバトンタッチするかは、一番真剣に悩んでいる大問題だよ」と言われました。
それまで会社の財務は見ていても、社長個人の悩みなんて全然見ていなかったと、気づきましたね。

その社長に「今の経験も活かせるし、信頼されているし、戻った方が良いのでは。ただし、戻ってあげるというスタンスはダメだよ。自分が戻りたいからという気持ちでないと、何かあったとき親のせいにする人生になる」と言われました。

みなさんもそうです。親や学校の先生に勧められたからって、その会社や学校があなたに合うかはわかりません。

誰かに相談しても良いけれど、最終的には自分で決める。ただし失敗したら、自分で責任を持ちましょう。

私はそのような経緯でウチダ商事に戻り、建設資材の営業・販売からスタートし、「人の管理」へと移りました。

働く環境を良くして人を増やすために、どうしたらお給料が上がるか、休みが取りやすいか、残業がなくなるか、ひいては会社全体が良くなるかを、今は考えています。

目標を決め、興味があればやってみる

森本:まさに先ほどの話の中で出た、自分で人生を選び決定している感覚は、幸福感・豊かさにつながる大事なところですよね。
実際に戻って働き方改革をしたそうですが、働く環境をととのえたこと、どのようなメリットが出てきましたか?

内田:メリットと言うと難しいけれど、土曜出勤なし・残業を減らすと決めても、ちゃんと会社が回っているのは、結論として良いことではないでしょうか。

「ベトナムに事業所を作る」など、やること・目的をはっきり決めると、勉強も楽しいものです。みなさんも、学校のテストのために英単語を覚えるのは辛くても、かわいい・かっこいい外国人が隣にいたら、話したくて英語に興味が湧くと思います。

ちょっとした興味からやってみたことが、後ろを向いたら少しずつ形になっていて、何だか上手く回っているのでは?と思える。それが、次のステップに行くためのやりがいになっています。

嫌なことも多い仕事を、どう自分で楽しくするか

森本:ありがとうございます。最後に一言、お願いします。

内田:先生の前で言うのもあれですが、テストの点数も偏差値も、仕事をするうえでは関係ありません。

ただしお金をもらうプロである以上、趣味ではない。お客さんのために仕事をするには、自分が会社に合わせなきゃいけないことも多いです。

ただ興味を持って合わせられるか、全然やりたくないことで合わせなきゃなのかという違いは出ます。

私も学校の先生も、いつもすごく楽しく働いているかというと、そんなことはない。上手くいかないこともあります。

仕事の7割は嫌なことだと思います。でも残りの部分に面白いことがある。それをやりがいと思えるかどうかですね。

「毎日楽しい」を求めるのでなく、どうしたら楽しくできるか、レベルアップできるかと考えて、仕事を選んでほしいです。

判断って、自分の経験でしかできないんですよね。私もまだまだ、知らないことの方が多いです。でも知らない世界に面白いことがたくさんあるから、色々チャレンジしてください。

森本:今日はありがとうございました!!

最後に内田さんと先生方とパシャリ!

編集後記

内田さんとの取り組みを終えて、改めて、小さくても一歩踏み出すことの大切さを再認識しました。

高校生のコメントの中には、「人生を応援されて、少しでも一歩踏み出してみたいと思った」等の感想をいただき、今回の取り組みを行った価値は確かにあったと実感することができました。

ウチダ商事さんはハッシャダイソーシャルが始まった2020年からサポーターとして、わたしたちの活動を支えていただいています。

これからも若者の「CHOOSE YOUR LIFE!それでもなお、人生は選べる」体験を届けるため、全国にきっかけとメッセージを届けていきます。

引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!!

高校生の声を抜粋📢

就職や進学するうえで、自分の中でできることにどんどん挑戦することが大切で、学校で学ぶ内容は、仕事には役立つことが少ないため高校生のうちからでもたくさん挑戦し、失敗し、経験することが大切だと知ることができました。自分自身の中で働くことの楽しさを改めて理解し感じることができました。

今まで、周りの意見で私がやってみたいことをやらずにきたことがあったので、自分がやってみたいことを、限界までやってみたいと思いました。私の人生は私が選ぶことができるので、周りの意見に流されてばかりでなく自分の選択を1番に大切にしたいと思いました。海外で働いてみたいということについて質問させてもらいました。アンサーがとても参考になりました。ありがとうございました。負けずに頑張ります。

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