高橋真矢

井上智洋が提言する「脱労働社会の可能性」

井上智洋が提言する「脱労働社会の可能性」

〈資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい〉  アメリカの思想家フレドリック・ジェイムソンによるこの言葉は、スロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクやイギリスの批評家マーク・フィッシャーを筆頭に世界中で引用されてきた。自己破壊的な資本主義システムは終わりを迎えるまで世界を喰いつくすのであり、かといって資本主義に取って代わるオルタナティブはないのだ、という諦念がそこにはある。  こうした「出口なしの資本主義」に対して、脱出を試み、敗北を喫してきた論者はかねてから数

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松尾匡が読みとく「国の債務も消費者の債務も帳消しにする意義」

松尾匡が読みとく「国の債務も消費者の債務も帳消しにする意義」

 一方が提示する条件をそのまま受け入れるしかない契約を「付合契約」という。条件に異議がなければよいが、フランチャイズ契約にしろ労働契約にしろ、実質的に契約=命令となってしまっているケースが現実には存在する。交渉の余地がなく、「嫌なら辞めろ」と言われるだけの場合がそうである。さらに本人が頭では納得していても、心身の奥底では悲鳴をあげている場合もあるだろう。これを松尾さんは「考える私/感じる私」という二分法で表現している。  債権債務関係は通常、お互いの自由意志に基づく正当な契約

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高橋真矢が考える「安心な生活が私たちから失われた理由」

高橋真矢が考える「安心な生活が私たちから失われた理由」

税や社会保険の負担が増加し、雇用が不安定化し、人びとの所得が減少していけば、私たちにどんな未来が待ち受けることになるのでしょうか。また、所得や資産の格差は、どんな社会を生み出すことになるのでしょうか。日本経済は、これまで長い停滞を続けてきました。そこに追い打ちをかけたのがコロナ禍です。本書では、立命館大学経済学部教授の松尾匡さんと、駒澤大学経済学部准教授の井上智洋さんという経済学の論客2人と、不安定ワーカーである高橋真矢さんがタッグを組み、これまで常識と考えられてきた経済学の

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