秋山あい

あいさつはとっても大事

パリのおしっこおじさん編

まだ通貨がフランだった90年代半ばのフランスでの話。ボルドーの美術学校の学生で毎日が楽しく、ようやく酒場のフランス語にも慣れてきた頃だった。

学校が休みになると美術館巡りを口実にちょくちょくとパリに遊びに来ていた。良く泊めてもらったのはパリ出身のクラスメイト、ロゼンヌの実家だった。彼女とは不思議と気が合い、今でもよく一緒に何のあてもなく散歩をする腐れ縁の仲間である。当

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集めて並べた

記憶にある中で一番最初に集めて並べたのは小石だった。
幼少期にボルドーに住んでいた頃の話だ。6歳ぐらいだったのではないかと思う。

特別に綺麗なものやキラキラしている石ではなく、かつてアスファルトの中に埋まっていたのにいつの間にか剥がれてしまった四角張った黒い小石だったり、角が取れて丸みをおびたやたら軽いレンガのかけらでだったり。ゴム製の靴底に挟まって取れなくなってしまいそうな小石とも呼べないよう

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はなくそパリジェンヌ

8年ぐらいパリの郊外に住んでいたことがあった。急行はひとつの駅で止まるから、途中で各駅に乗り換えてたどり着くような、東京で言えば小手指みたいなところ。静かで気にいっていた。

で、その頃はパリ市内に勤めていて、30〜45分ほどRER(エール・ウー・エール)という、メトロとは別のパリ郊外へ繋がる電車に乗って通っていた。

ある日の帰り、故障かストか何か分からない理由で電車が止まった。こんなことは毎日

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おんどりからロバへ

Passer du coq à l'âne

話をするのは好きだけど、どうやら上手ではないようだ。

話しているうちに、話題があちこちに飛んじゃうし、そもそも何を伝えたかったのかも分からなくなって、最終的には自分で自分の話につき合うのも面倒になってしまう。相手をしてくれている人はキョトンである。

最近気かづいたこと。
この現象、フランスにいる時は気になった事がない。

どういうことか考えてみた。

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いすといすの間

avoir le cul entre deux chaises

両親と暮らした幼少期も数えれば、30年近くをフランスで過ごしてきた。
フランスに憧れてそうなったワケでもなく、気がついたらそうなっていたワケで……。

ここ数年は、なぜか日本にいることが多い。

フランスにいるときには日本が、日本にいるときにはフランスが懐かしく思うもので、いつも何かに思いを馳せるノスタルジー癖は物心のついた時より身

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