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集めて並べた

記憶にある中で一番最初に集めて並べたのは小石だった。
幼少期にボルドーに住んでいた頃の話だ。6歳ぐらいだったのではないかと思う。

特別に綺麗なものやキラキラしている石ではなく、かつてアスファルトの中に埋まっていたのにいつの間にか剥がれてしまった四角張った黒い小石だったり、角が取れて丸みをおびたやたら軽いレンガのかけらでだったり。ゴム製の靴底に挟まって取れなくなってしまいそうな小石とも呼べないような小さな石を10個ぐらい集めて、早起きしたある朝、大きな模造紙にボンドで貼って表にしたのだ。どこそこで拾った石、と分類してあったと記憶している。

早朝からガサゴソしていてうるさかったのか、隣の部屋で寝ていた両親が起きてきて不器用に貼られた小石の表をみて驚いた。「どうしてこれを作ったの?」「何にインスパイアされたの?」。秘密の遊びを過剰に褒められた気恥ずかしさと、なんとなくやってみたことなので、そう問いただされてもどう説明して良いか分からず、ただただ戸惑ったことを鮮明に覚えている。

おもちゃはほとんど持っていなくて、そこら辺にあるものを代用したり何かを作ったりして遊んでいた、幼少期の思い出。

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アーティスト。1973年、東京都生まれ。1993年渡仏。フランスと日本を拠点に創作活動と作品発表を行なっている。「考現学的視点」で暮らしや風俗を観察し、今を生きる人々の物語を、鉛筆や水彩で描く。代表作に女性のパンティを調査し描いた学問的アート『パンティオロジー』がある。
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