山下優

末端が考える「書店に必要なもの」

末端が考える「書店に必要なもの」

寂しい気もしますが建物の老朽化は避けられないこと。新ビルの竣工はかなり先になりますが、工事中の仮店舗に期待しましょう。 とはいえ、あれだけの在庫をそのまま移すのは難しいかもしれない。もし規模を縮小するとしたら従業員の雇用はどうなるのか? 私もそうですが、書店員の大多数は不安定な非正規社員です。 これまでに職場の閉店を二度経験しました(それぞれ別の会社)。いずれの場合も契約はそのまま終了しました。二度目のケースでは会社が受け皿を斡旋してくれたのですが、私の方で辞退しました。

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「東京五輪フェア」を選書してみた

「東京五輪フェア」を選書してみた

もちろん6月ではなく7月、とのこと。 芥川賞と直木賞が発表されるのは1月と7月。その理由は「本が売れない時期だから」と聞いたことがあります。 7月は私の職場もあまり数字が良くなかったです。特に週末。やはり皆さん自宅で東京オリンピックに夢中になっているのでしょうか。グッズの売り上げもすごいみたいですし。経済効果があったのなら何よりです。 オリンピック関連で売り上げを伸ばすとしたら、いまのところ卓球のインパクトが大きいかなと思っています。水谷選手の著書は私も読んでみたいです

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「ABC」と「FCB」から学んだこと

「ABC」と「FCB」から学んだこと

東京・表参道にある青山ブックセンターは私が最も好きな書店です。 そこそこ広くて在庫も豊富。なのに小さな個人経営店みたいにフットワークが軽く、新たな試みを次々に打ち出してきます。このアウフヘーベンは本当にすごいこと。さすが山下店長です。 全国展開している大規模店では、各店長の個性や美学が前に出にくい。ゆえにどこも同じに見えてしまう。もちろん足を運べば「こういうお店にしたいのか」と感じ取れます。でももっと「○○書店の××店はここが違う」というものを明快に打ち出せれば、お客さん

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「最大公約数」と「棚差しの一冊」

「最大公約数」と「棚差しの一冊」

青山ブックセンターは、私が最も好きな書店です。先日久しぶりにBGMのプレイリストが公開されました。 ちなみに同店は雨の日に買うと、洋書&洋雑誌が8%オフになります(オンラインストアは対象外)。これからの季節はありがたいですね。 TV版「新世紀エヴァンゲリオン」の最終話かな? 「雨の日にもいいことはあるのよ」という台詞がありました。あのラスト、私は好きです。起承転結や伏線回収も大事だけど、いちばんは「作り手とキャラクターの魂が救われること」だから。 もちろんお客さんの満足

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イチ書店員の考察「なぜ『フィルムパック』が必要なのか」

イチ書店員の考察「なぜ『フィルムパック』が必要なのか」

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、講談社文庫の新刊がフィルムパックされる仕様になりました。あれは書店ではなく、出版社サイドがおこなっていることです(つまりパックされた状態で店に入荷している)。 同じ講談社のコミックのパックは、両手で裏表紙の中央部を持って左右に開くようにするとミシン目に沿って簡単にはがせます。文庫の方も同じ作りですが、モノによってはかなり頑丈です。 出版社からしたら、返品を含めた流通の過程で本が傷むことを少しでも防ぐための手段なのかな? その点は理解で

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「心地良さの秘訣」を知りたい

「心地良さの秘訣」を知りたい

最近は、ほぼ月イチで店舗にお邪魔しています。 クールなBGMの力も大きいですが、やっぱり一歩足を踏み入れてから時の流れがゆるやかになる感じがクセになります。 これぐらいの規模の書店は、大体レジ前に列ができています。お客さんもせかせかしているし。そういう慌ただしさと無縁なのは表参道という土地柄か、もしくはお店のカラーなのか。両方でしょう。心身に優しい「スローフード」ならぬ「スロー書店」。 電話対応をしていない点が大きいのかもしれません。コミックの取り置きとかアイドル雑誌の

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5
「読みたい本クエスト」で遊ぼう

「読みたい本クエスト」で遊ぼう

「心地いい不便さ」 またまた山下店長の名言が飛び出しました。いつも素晴らしい記事をありがとうございます。 青山ブックセンターにはお店の在庫を調べる検索機がありません。あの広さで置かないのは、ちょっとした「英断」だったはず。お客さんから「何でないの?」という声も出たでしょうし。 私の働く書店には二台置かれています。でも実際に活用してくれるお客さんはハッキリ言って少数。ほとんどの人は調べないで店員に訊くか、諦めて帰るかです。 お問い合わせには、もちろん喜んで対応します。で

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「無意識」と「意識」≒「古典」と「新作」

「無意識」と「意識」≒「古典」と「新作」

「無意識を意識化できる場所」という言葉が刺さりました。 たしかに青山ブックセンターで衝動買いすることは、日頃意識していないけど心の奥で引っ掛かっている何かを未読の本に接することで顕在化させる行為なのかもしれません。「ああ、俺はこういうことを知りたかったのか」「こういう作品に触れたかったのか」と。 それを可能にする何かがあの空間には息づいています。そのときは買わなくても気になっていろいろ調べて「やっぱり読もう」と思い立ち、オンラインで購入することもあります。 割と広いお店

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「D2C」と「ABC」が見据える未来

「D2C」と「ABC」が見据える未来

私の最も好きな書店・青山ブックセンターの出版プロジェクト第2弾「ALL YOURS magazine vol,1」を読みました。 以下は読書メーターのアカウント(https://bookmeter.com/users/49241)に書いたレビューです。 ********************************** 青山ブックセンターの出版プロジェクト第2弾。D2Cのアパレルブランド・ALL YOURSが目指す未来のヴィジョンを様々なジャンルの人々と探る一冊。丈夫

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想いがこめられた波紋、本があるかぎり、本屋として編み続けたい。| 山下優

想いがこめられた波紋、本があるかぎり、本屋として編み続けたい。| 山下優

青山ブックセンター本店・店長の山下優さんが綴る連載『波紋を編む本屋』。今回が最終回です。「出版不況」という言葉が飛び交うなか、書店がすべきこととはなにか。「本を作るということ」の原点に立ち返って、考えます。山下店長による魂の叫びです。 山下優 波紋を編む本屋 最終回 想いがこめられた波紋、本があるかぎり、本屋として編み続けたい。 前回からだいぶ時間が空いてしまいました。突然ですが、今回が最終回です。 青山ブックセンターによる出版に至るまでのいきさつは、前回と小倉ヒラクさ

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