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2021年3月の記事一覧
生涯で一番美味しかった雑炊の思い出
6年前の3月、突然空を見上げると黒い丸い物体が見えた。キョロキョロ目玉を動かすと黒い物体も一緒に動く。これは私の目に原因があると思った。すぐに眼底出血や網膜剥離という恐い病気が思い浮かんだ。楽天的な私だが目の前を動き回る黒い物体に恐れをなして仕事を休み自転車で眼科へ向かった。医者に症状を説明した。まず瞳孔を開く目薬を入れ、景色がぼんやりした。医者は瞳孔が開いた私の目を検査した。「中心性漿液性脈絡網
もっとみる次男が一番好きな唐揚げの店
我が家の近所に「お食事処いなかっぺ」という店がある。日替わりのA定食(肉)、B定食(魚)他にも色々定食メニューがある。まだ家に子ども達がいた時は家族でよく食べに行った。
今日残業の帰りいなかっぺに行った。最近は魚定食を頼むことが多い。しかし今日のA定食のメニューがチキンの竜田揚げだった。次男がいなかっぺの唐揚げが一番好きだと言っていたのを思い出した。B定食のイワシのソテーと野菜の天ぷらも魅力的だ
祖父とマッチの火を初めてつけた日
私が8歳の頃だった。ある日、祖父が煙草を吸おうとした。いつもなら自分でマッチの火を煙草につける祖父だった。しかしその日は近くにいた私に「典子煙草に火をつけてくれ」と言った。当時ライターがあったどうか覚えていないが、祖父が私に渡したのはマッチ箱だった。私はまだマッチの火をつけたことが無かった。恐る恐る「マッチの火つけたことない」と答えた。祖父は厳しい顔をして「つけたことが無い⁈」と言った。そして私は
もっとみる魚採りの仕掛けビンドウの喪失
夏休みに3歳下の従姉妹が遊びに来た。当時私が10歳くらいだった。二人で魚採りに行こうとなった。いつもなら魚採り名人の兄と一緒に行ってもらうのだが、その日は兄も姉もいなかった。我々二人で魚採りに行っても多分1匹も捕まえることが出来ないと思った私の頭にあるアイデアが浮かんだ。我が家にビンドウという魚を採る道具があった。以前透明のビンドウに餌を入れ、川に仕掛けるとたくさん魚が入ったことを思い出した。ビン
もっとみるちょっと笑えるリカちゃん人形の悲しい思い出
リカちゃん人形は女の子の憧れ。サラサラの長い髪、八頭身のスマートな身体、小顔でパッチリと大きな瞳…リカちゃんは私の子どもの頃のアイドルだった。
我が娘もリカちゃん人形が大好きだった。ある年のクリスマスプレゼントに髪の毛の色が温度で変化するリカちゃん人形が欲しいと言ってきた。私自身がリカちゃん人形を愛していたので娘の願いを叶えることにした。クリスマスの朝、娘は髪色が変わるリカちゃんを手に入れた。リ