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家族

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2021年3月の記事一覧

生涯で一番美味しかった雑炊の思い出

生涯で一番美味しかった雑炊の思い出

6年前の3月、突然空を見上げると黒い丸い物体が見えた。キョロキョロ目玉を動かすと黒い物体も一緒に動く。これは私の目に原因があると思った。すぐに眼底出血や網膜剥離という恐い病気が思い浮かんだ。楽天的な私だが目の前を動き回る黒い物体に恐れをなして仕事を休み自転車で眼科へ向かった。医者に症状を説明した。まず瞳孔を開く目薬を入れ、景色がぼんやりした。医者は瞳孔が開いた私の目を検査した。「中心性漿液性脈絡網

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レンタル家族と退職後の人生

レンタル家族と退職後の人生

何年か前に観た映画でレンタル家族という仕事があることを初めて知った。エリート男と結婚する主人公の黒木華さんは結婚式に出席してくれる親族がいなかった。そこでレンタル家族を派遣してくれる会社に依頼した。レンタル家族達は結婚式当日、皆それぞれの役割を果たし、黒木華さんの本当の家族のように振る舞い、結婚式を大いに盛り上げていた。

私は現在55歳。60歳が定年退職の歳。24歳から今の仕事だけを30年以上勤

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美空ひばりが大好きだった祖母

美空ひばりが大好きだった祖母

祖母は歌が好きだった。一番好きな歌手は美空ひばりだった。子どもの頃は美空ひばりの歌の良さが分からなかった。

最近動画で美空ひばりの昔の歌声を聴いた。歌に詳しくない私でも圧倒される素晴らしい歌声だ。小さな頃から天才歌手と賞賛されながらも様々なスキャンダルや病気に見舞われた。それでも死ぬまで歌い続けた美空ひばり。今になってひとつの道を極め続けた彼女を尊敬する。タイムマシンに乗って若かった祖母と会える

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次男が一番好きな唐揚げの店

次男が一番好きな唐揚げの店

我が家の近所に「お食事処いなかっぺ」という店がある。日替わりのA定食(肉)、B定食(魚)他にも色々定食メニューがある。まだ家に子ども達がいた時は家族でよく食べに行った。

今日残業の帰りいなかっぺに行った。最近は魚定食を頼むことが多い。しかし今日のA定食のメニューがチキンの竜田揚げだった。次男がいなかっぺの唐揚げが一番好きだと言っていたのを思い出した。B定食のイワシのソテーと野菜の天ぷらも魅力的だ

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祖父とマッチの火を初めてつけた日

祖父とマッチの火を初めてつけた日

私が8歳の頃だった。ある日、祖父が煙草を吸おうとした。いつもなら自分でマッチの火を煙草につける祖父だった。しかしその日は近くにいた私に「典子煙草に火をつけてくれ」と言った。当時ライターがあったどうか覚えていないが、祖父が私に渡したのはマッチ箱だった。私はまだマッチの火をつけたことが無かった。恐る恐る「マッチの火つけたことない」と答えた。祖父は厳しい顔をして「つけたことが無い⁈」と言った。そして私は

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「わらしべ長者」の話を知っていますか?

「わらしべ長者」の話を知っていますか?

子どもの頃、寝る前に母にお話をして!とおねだりすると、母はいつも「わらしべ長者」の話をしてくれた。毎回毎回わらしべ長者の話なので時々「また!わらしべの話〜」と文句を言うが、母は笑顔でやっぱりわらしべ長者の話をした。

わらしべ長者のあらすじは、ある一人の貧乏人の若者が最初に持っていた藁を物々交換をして困った人を助けていくうちに、最後には大金持ちになる話である。

貧乏な若者は困った人を見ると自分が

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魚採りの仕掛けビンドウの喪失

魚採りの仕掛けビンドウの喪失

夏休みに3歳下の従姉妹が遊びに来た。当時私が10歳くらいだった。二人で魚採りに行こうとなった。いつもなら魚採り名人の兄と一緒に行ってもらうのだが、その日は兄も姉もいなかった。我々二人で魚採りに行っても多分1匹も捕まえることが出来ないと思った私の頭にあるアイデアが浮かんだ。我が家にビンドウという魚を採る道具があった。以前透明のビンドウに餌を入れ、川に仕掛けるとたくさん魚が入ったことを思い出した。ビン

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ちょっと笑えるリカちゃん人形の悲しい思い出

ちょっと笑えるリカちゃん人形の悲しい思い出

リカちゃん人形は女の子の憧れ。サラサラの長い髪、八頭身のスマートな身体、小顔でパッチリと大きな瞳…リカちゃんは私の子どもの頃のアイドルだった。

我が娘もリカちゃん人形が大好きだった。ある年のクリスマスプレゼントに髪の毛の色が温度で変化するリカちゃん人形が欲しいと言ってきた。私自身がリカちゃん人形を愛していたので娘の願いを叶えることにした。クリスマスの朝、娘は髪色が変わるリカちゃんを手に入れた。リ

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最高の散歩道

最高の散歩道

高校に入学した日、クラスで自己紹介をした。順番に名前と出身中学と趣味を言った。順番が来て私は「趣味は散歩です」と言った。笑い声が聞こえた。私は散歩が趣味なことは笑われることなんだと初めて知った。根っからの〝笑われてなんぼ〟な私は笑いが起きたことは嫌ではなかった。

田舎で育った私は毎日のように家族と散歩をした。川のせせらぎ、虫の声、カエルの合唱、満点の星の瞬き、山から降りてくる風、稲穂の揺れ、鳥の

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