見出し画像

ちょっと笑えるリカちゃん人形の悲しい思い出

リカちゃん人形は女の子の憧れ。サラサラの長い髪、八頭身のスマートな身体、小顔でパッチリと大きな瞳…リカちゃんは私の子どもの頃のアイドルだった。

我が娘もリカちゃん人形が大好きだった。ある年のクリスマスプレゼントに髪の毛の色が温度で変化するリカちゃん人形が欲しいと言ってきた。私自身がリカちゃん人形を愛していたので娘の願いを叶えることにした。クリスマスの朝、娘は髪色が変わるリカちゃんを手に入れた。リカちゃんの髪を暖かい手で握ると色が変わった。娘は愛おしそうに櫛でリカちゃんの髪をといたりして楽しそうに遊んでいた。

数日後、娘がなんとも言えない顔をして私のところへ走ってきた。娘は悲しそうな恐れたような複雑な表情を浮かべながら「リカちゃんの髪が…」と言った。私は娘と一緒にリカちゃんに会いに行った。リカちゃんの髪が無残にチリチリに焼けていた。娘に聞いたら髪の色を変えるためにファンヒーターの熱風にリカちゃんの髪をあてたらしい。落ち込んでいる娘に「髪切ってみるで?」と提案した。2人でチリチリになったリカちゃんの長い髪をカットした。リカちゃんの髪型はロングからボブになった。

今になって思えば、その日を境に娘はリカちゃん人形を卒業してしまったのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?