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使わないと衰える!! 廃用症候群による症状

高齢者のリハビリテーションでは、原疾患だけでなく安静や長期臥床による廃用症候群への対応が必要になります。

廃用による症状は全身に現れるため全容を把握しずらい面もあります。

今回は、廃用症候群の症状について紹介していきます。

臨床現場でも数多くみられる症状もあるため廃用による影響も視野に入れて対応していきましょう!!


安静や長期臥床による活動性低下はさまざまな障害を引き起こします。

過度の安静や長期臥床によって筋肉の萎縮、筋力低下、関節拘縮などを廃用症候群といいます。筋肉や関節だけではなく、種々の臓器にさまざまな症状を引き起こします。

廃用症候群の症状は多彩であり、身体活動面と精神活動面に分けられます。身体活動面と精神活動面は相互に影響し、廃用症候群の進行や回復過程にも連動します。

廃用症候群によって生じる主な症状

①運動器障害
廃用性筋萎縮、筋力低下、関節拘縮、異所性骨化、骨粗鬆症、腰背部痛

②呼吸・循環器障害
起立性低血圧、深部静脈血栓症、肺塞栓症、浮腫、褥瘡

③自立神経障害
便秘、尿・便失禁、低体温症

④精神障害
不安、抑うつ、意識低下、食欲不振、睡眠障害、認知症など

身体活動面の症状

運動器障害として、筋萎縮や筋力低下、関節拘縮、骨粗鬆症などがあります。

廃用性筋萎縮は、運動や活動量の低下で生じますが、呼吸器や循環器疾患、がんによる悪液質、各種の感染症なども筋萎縮に影響を与えます。さらに低栄養状態は廃用を悪化させます。

筋肉には運動器官だけではなく、エネルギー貯蔵の役割もあります。

食欲不振や嚥下機能低下で食事摂取量が低下し、飢餓状態や慢性的な低栄養となる筋タンパクが分解され、それにより生じたアミノ酸が各臓器のエネルギーとして使用されます。

低栄養状態のときは、筋力増強訓練や動作練習の負荷量に注意しなければ筋萎縮をすすめることになりかねません。

また、低栄養状態は膠質浸透圧の変化をもたらし浮腫の原因となります。浮腫により関節可動域制限、筋力低下を生じ、動作能力の低下の原因となるほかにも、皮膚トラブルを起こしやすくなるためケアが必要になります。

呼吸・循環器症状としては、起立性低血圧、深部静脈血栓症、肺塞栓症、浮腫などが生じます。自律神経障害としては便秘や尿失禁、便失禁などがあります。

精神活動面の症状

精神活動面の胚葉は環境からの身体的・精神的、社会的な刺激がなくなることにより、社会的孤立感を感じ、不安や抑うつ状態を生じさせます。

意欲・発動性低下、判断力、問題解決能力、学習能力などが減退し認知障害を引き起こします。

精神活動面の廃用はリハビリテーションの阻害因子となり、廃用症候群を進行させ、さらなる悪循環を招きます。

精神科活動面の廃用は、不安、抑うつ、意欲低下、発動性低下、食欲不振、睡眠障害、認知症などがあります。

まとめ

・活動性低下は身体活動面・精神活動面の症状を引き起こす
・身体活動面と精神活動面は相互に影響を与える
・低栄養は廃用を悪化させる
・精神活動面の廃用はリハビリテーションの阻害因子となる


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今回の記事は以上になります。

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