記事一覧
『短歌人2021年9月号』
ゆらゆらとゆれる草花散歩道ご近所さんに会釈してゆく
お手紙のていねいな字にジンとする 雨の降る日に届いた手紙
志度の駅なつかしくなる自販機も優しい声の駅員さんも
父さんが薦めてくれた『草枕』味わい深い漱石の本
赤色のシャツブラウスを着て行こう色鮮やかなあじさいの道
楠井花乃
『短歌人2023年12月号』
幼き日動物園に行ったこと姉と私の笑顔の写真
夏まつりゆかたを着せてもらったね姉とおそろい思い出写真
ばあちゃんと思い出いろいろあるけれど真っ赤な夕日忘れられない
雨上がり水色の空きれいだな雨に濡れてる銀杏の葉っぱ
街でまたほほえみくれた留学生スーパー行った帰りなのかな
楠井花乃
『短歌人2022年10月号』
琥珀色の空を眺めて思います・・・大切な人、これからのこと
えんぴつが短くなってゆくたびに歌のノートが増えていくんだ
とりあえずコーヒー飲んで一休み介護と家事と創作の日々
スーパーのレジの青年すがすがし十年近くがんばってるね
名も知らぬ花に癒され歩いてるただなんとなく近所の道を
楠井花乃