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由衣の日記

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#鬱日記

鬱日記 #8

鬱日記 #8

抗うつ薬を飲んで、大きく気分が落ち込むことはなくなった。——だけど、なんだろう。この薄いベールで世界と私が隔たれているような感じは。

感情の津波から守るためのベールは、海を全く見えなくさせてしまった。聞こえるのは寄せては返す波の音だけ。悲しみも慟哭もない代わりに、喜びも幸せもどこか他人事。

守られている、籠の鳥。鳴いても鳴いても、聞こえるのはこだまだけ。

あと三週間。それが、復職へのリミット

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鬱_7

鬱_7

朝は眩しすぎる鬱_1のどん底だった時期から、抗うつ薬を増やしてもらい徐々に日常生活を取り戻してきた。
まともだった日が思い出せないほど、体も心も疲れ切っていた日々は脱した——はずだった。

昼夜逆転生活が続いている。夜中に襲ってくる、身を内から裂くような不安感は、抗うつ薬が一錠から二錠に増えてから治まってきた。意味もなく泣くことはまだあるが、布団を抱きしめて歯を食いしばって、己を殺してしまいたい衝

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鬱_6

鬱_6

抗うつ薬を一錠から二錠に増やしてもらって3日。最終的に四錠まであげてゴールらしい(ネット情報だけど)

0.5から1錠に増えて、洗濯を干すことができるようになった。

一錠から二錠に増えて、ここ数日自炊にも力が割けるようになってきた。

久しく忘れていた、日常。

鬱が治ってきてると信じたいな。

夜に不安感に内側から押しつぶされそうになることは数日間ない。でもまだ、わけもなく涙がこぼれるときがあ

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鬱_5

鬱_5

生きる方法を忘れて久しい。

生きるというのは、お湯を沸かして紅茶をたしなむ余裕のことを言うのだろう。

私に今できるのは、箱でペットボトル飲料を買って、死なないように飲むことだけ

死なないことと生きていることは違う。私は死なないだけ。

それさえできない人は、呼吸の仕方さえ忘れて餓死でもするしかないのだろう。

鬱_4

鬱_4

相変わらず外出時に見たはずの空が思い出せない。帰ってきてから、傘を持って出かけなかったこと、外は暑かったことから「ああ、晴れてたのか」とあとから納得する感じだ。どうもチグハグで裏表だ。

復職するときのために、手帳と名刺入れが欲しくなった。使うためというよりは、目指すところを視界に入れるという意味で。その手帳と名刺入れは、祖母に選んでもらうことにした。就職祝いで買ってもらった時計には、アナログの文

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鬱_3

鬱_3

眠剤を飲む。毛布に包まる。ヒーリング音楽を流す。まどろむ。——ここまでは行った。身体と外界との境界線が水を多く含んだ筆でなぞられたように曖昧になっていくのは心地よかった。しかし、まどろむだけで三十分がすぎた。入眠促進の音楽は三十分で切れてしまった。私は入眠支援のレールから飛び出て、宙ぶらりんに眠気を持て余し、結局覚醒に戻ってきてしまった。自分に合う音楽を見つけるのは難しい——眠剤だけで寝るのはもは

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鬱-2

鬱-2

体は疲れていてまぶたも重いのに、頭が変に冴えていて一向に寝られない。意思と体の乖離。重い着ぐるみのなかで座ることもできず立ち仕事を続けてる感じ。休めない。

朝が怖い。なぜか知らないけどそう思った。夜の方が情緒不安定になり泣く率も高いのに、なぜかそれが続いて欲しいと思っている。日に当たるのが怖い。意識が矛盾している。自分はしょせんどん底がお似合いだと諦めでもしているのだろうか。

「心の病気も病気

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鬱

ヒーリング音楽を聴いているときでさえ、頭の中がぐちゃぐちゃとまとまらなくて考えすぎてしまう。本棚が倒れて本が散乱しているのに本に整理番号がついてない感じ。または整理番号を思い出せない感じ。圧倒的に非効率なことを延々やらされていては、終わりなど見えるはずがない。

ボーッとしているように見えるが、そのなかでは終わらない意味のないタスクを総動員で行っている。当然体力はバックグラウンド処理で減っていく。

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