見出し画像

同じ会社で働き10年。なぜこの会社で働くのか?考え続けた、1年間のこと。

あっという間に、3月も下旬。
TwitterやFacebookでは「本日が最終出社日でした!」「会社を卒業します!」との投稿も多く目にする。

私はというと、昨日「勤続10ヶ年、おめでとうございます!」と人事の方からリフレッシュ休暇の連絡が入る。そうか、4月からは11年目か…と入社時には想像していなかった世界にいることを実感していた。

選択肢はさまざまある時代に、なぜ私は「同じ会社で働き続ける」選択をしているのだろうか。

今年度取り組んできた仕事を通じて、少し考えを深めてみたいと思う。

この1年間を振り返る前に

直近では広報として社会人歴を重ねている私。

社内でのさまざまな取り組み、チャレンジを編集し、社外の方々に知っていただき、共感の輪を広げていくことが大きなミッションだ。さらに、その過程で社内の仲間にも共有し、エンゲージメントの向上を目的に社内広報社内広報・コミュニケーションにも取り組んでいる。

今年はある二つの一大プロジェクトに関わり、また新たな節目を迎えることになった。

人としてのあり方を見直す「人事制度の改定」

昨年10月に人事制度が改定された。

「制度が改定」というと、ガラリと変わったとイメージされる方も多いだろう。制度の一部変更もあったが、それよりも、これまで何度も伝えられてきたロートのアイデンティティや働くうえで大切にしたい価値観やマインドを現在の言葉で表現し、一人ひとりが働き方を見直すことが大きな目的だった。

人事を兼務していたこともあり、その言語化と共に制度ブックの制作に関わることになったのだ。

これまでも社内報の制作でトップインタビューを行なったり、対外的な取材にも多々同席してきた。創業から124周年を迎える会社でありながら、さまざまな新規事業にチャレンジする背景、見据える未来、そこに集う社員のあり方など、聞くたびに納得と共感を重ねている。

今回も同様に、これまで聞いてきたことを再度自分に腹落ちさせ、みんなに伝わる表現を追求する時間…だと思っていた。しかし実際には、それ以上に自分自身に跳ね返ってくることになった。

経営陣の皆さん、プロジェクトの先輩方と対話を重ねる。いつしか30歳を超え「大人」ではある私も、皆さんと比較したら若輩者だ。抽象的な概念の議論も多いなか、私だからこその視点「現実、目の前の仕事」にも当てはめて考えると、あることに気づく。

弱みだけでなく、人として足りない部分が存在すること。

常にチームプレーである仕事。一人ひとりが互いに、切磋琢磨、時に手を貸し協力し合いながら、共通のゴールを目指す。自分だけで完結して進めることはできないからこそ、周囲、会社、社会…で私はどのような価値を発揮していくのか。その最小単位は目の前の人。だからこそ相手にどのような言葉をかけるか、コミュニケーションを重ねていくのか、にも言い換えることができる。

私は、どうしても一人で仕事を抱え込んでしまいがち。目の前の人よりも自分の中で閉じこもってしまったことが走馬灯のように蘇った。素直に反省しながら、どう乗り越えようか…と考える。

自分のことや思い考えていることを共有すること、躊躇わずに感謝や謝罪の気持ちを伝えることなど、簡単なささやかなことでも、できることはたくさんあった。崇高な理想であっても目指したい、と思う以前にもっとやるべきことがある、と今更ながらに気づいた。

社会も会社も、私たち一人ひとりも変わり続ける。それでも「『理想』が何か?」確認しながら、一歩一歩目指し続けること。さらにその段階を一つひとつ噛み砕いたうえで私自身が一歩を設定し、真摯に取り組み続けていくことに尽きるのだ、と。

なんだか綺麗事ばかりを並べている気がするが、やることは実にシンプルなのだと思う。それでも時に情報の波に溺れたり、判断軸をかけ間違えたり。時に一歩踏み出す勇気がなく踏みとどまってしまったり。本質をいかに磨き、ブラさず持ち続けるか、人としての教養や魅力など、まだまだ培うものは多いことを実感した。

そんなことを思い続けた約2.5ヶ月間の議論。このような「人としてのあり方、働き方」を日々議論し、表現の推敲にこれほどまでの時間を割く会社はあるのだろうか。

ふと思い出すのは東北での2年間、本業とは全く異なる場所で働いた時のこと。決断をし、選択肢を掴むことは私自身がしたことだったが、環境は会社が持っていた。今となっては「今の会社で人生が変わった」と感じている。

ここ数年でまたさらに事業も拡大し、バックグラウンド豊かな仲間が一段と増えた。一人ひとりがあってこそと考えるため、画一さは全く求めない組織だが、求心力となるコアをつくることの尊さや、共有していくことの難しさを痛感する時間。

以前から、奥深い会社であると実感していたものの、まだまだ深ぼれる、分かった気になっていたことに気づいた。終わりはないからこそ、これからも仲間と対話を重ねたり、取り組みから深めていきたいと思うように。コアに携わった私だからこそできることも多いのだ、とその後の働き方に大きな影響を及ぼすことになった。

企業を伝える土台づくり「コーポレートサイトのリニューアル」

実は同時並行で進行していた、コーポレートサイトのリニューアル。

広報歴7年目の私でさえも、この間に対外的に発表した内容がまたさらに変わっていることを実感している。OTC医薬品やスキンケアだけでなく、食や再生医療などの事業、さらには社外のパートナーとの連携など、私たちもやる中で学びながらも、ウェルビーイングを土台にし、さまざまな可能性を切り拓くことに伴走をしてきた。さらに世の中的には、さまざまな情報開示が求められている。

このような状況のなか、既存のサイトの運営上の課題もあり、企業のことを適切に知っていただけるサイトを目指し、取り組んできた。

また取材に同席するたびに、メディアの方が取材者のファンになってくださることも多く、企業の事業や取り組みがきっかけであっても、やはり「人」なのだ、と感じていた。単なる企業情報だけでなく、そんな私たち独自の雰囲気・風土をどのように感じていただけるのか。

試行錯誤しながらも、社内外たくさんの方々にご協力いただきながら、先日、無事にローンチすることができた。とはいっても、これからの運営に向けた土台ができた、あくまでもスタートラインに立ったばかりだ。

人事制度の話のなかで触れたが、皆さんが思ってくださる以上に奥深い会社である。完璧に伝わるなんて難しいし、さらに会社が変わるスピードも早い。その片鱗を少しでも垣間見ていただける、ように…とまた気持ちを新たに、次のフェーズに向けスタートを切った。

人の可能性を追求する企業の発信に思うこと

このように、企業の根幹にどっぷりと浸かりながら、そんな企業をなぜ・どのように社外に発信していくのか?考え動き続けた1年間。

改めて考えてみると、これは毎年変わらぬことで、一つひとつの仕事はどれも企業のコアが据えられているはず。つい、目の前のことに忙殺されたり、規模が大きかったりするとつい見失ってしまうのだが。

各商品やブランドはすでにマーケティングの部門の仲間がさまざま考え、取り組みをしている。またSNSにもファンは多い。「ロートがつくるものだからこそ買う」といただくことはとても嬉しいが、販売する商品の機能や効果効能も多様であり、そう簡単にはいかないことも分かっている。

今、そんな企業ではどのような発信ができたらいいのだろうか。

考えられることはたくさんあるが、やはり「一緒に何か取り組みをしてみたい、仲間として仕事してみたい」と思ってもらえたら、との想いが一番強い。その手前には、面白さや可能性を感じていただくことが大前提だ。

また、あわせて社内の仲間が「さまざまな選択肢があるけれど、これからもロートで働き続けよう」と思ってもらえたら、とも感じている。

人生の大半を占める仕事において、心身ともにイキイキとやりがいを持っていることは何よりも土台だ。さらにロートの場合は、毎年のマイビジョンシート(異動届のような、自己申告書のこと)で、会社・個人の想いがどうシンクロしているのか?を尋ねている。

さまざまな働き方や働き先があるなかで「ロート製薬」でチャレンジをしてみたい、と感じていただけるような発信・コミュニケーションをしながら、組織をつくっていくこと。それが今を強くし未来につながる一つなのだ、と再認識した1年だった。

またさらに一つの問いが浮かぶ。
なぜ私自身も発信するのだろうか?

会社としてもさまざまな発信をするなかで、これは私個人のnoteだ。その事実に少し想いを馳せると、やはり「私から見た会社」を少しでも多くの人に知ってもらえたら…との想いが強いのだと思う。

この10年間でも何度か、卒業して別の場所で働くことも考えた。しかし結局「会社が面白い」と思い、今に至る。年を重ねるごとに、大変な難しいこともあるが、面白さに気づくようになった。「面白い」と一言でまとめるのもどうかと思うが、老舗・一定の規模がありながら、ベンチャーのような動きで、一人ひとりが想いをもって躍動している。

人の価値やその可能性について真摯に向き合う会社であるからこそ、そんな会社でこれからも数々のチャレンジを通じて自らを成長させながら、企業の運営に関わっていきたい。こう書きながら、参画する私自身も貪欲に進化していこう、と身が引き締まる。

4月以降の仕事について

この4月からまた新しい組織での1年が始まる。

私自身も広報と人事の兼務はそのままに、人事では人材開発のチームに移動になった。組織も縦割りを好まず、横断的に仕事をする文化があるため、大きく変わるわけではないが、採用からオンボーディング、その後の定期的な研修や学びの機会を一気通貫で考え動いていくことになりそうだ。

もちろん広報の仕事も引き続き行っていくため(むしろ本籍は広報だ)、たくさんの方々とコミュニケーションを重ねていきたいと思っている。

つらつらと書いてしまったのだが、あくまでもこれも1/約1,800人の意見であり、また他の人からみる面は異なるだろう。それでも私をきっかけに少しでも知っていただけたら本望だ。

これからもnoteで私なりに企業を伝えることに向かってみます。

Twitterもやってます

この記事が参加している募集

広報の仕事

ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。