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老舗企業の広報としてキャリアを歩むなかで想うこと

千葉で生まれ育った私。東京の大学を経て、大阪に本社がある今の会社に内定が決まったとき、大学の友人から「すぐに辞めそう…」といわれて何もいえなかった記憶が新しい。でもなんだかんだいって、入社からまもなく8年半が経とうとしている。

これまでキャリア全体や複業の話のnoteはたくさん書いてきたが、今回は初めて本業について書いてみようと思っている。営業・復興支援、地域連携・広報…と大きく3部門を経験し、広報が一番長いキャリアになったが、自ら「やりました!」と言わない限り表に見えることもそう多くはない。しかし登壇や取材から私の仕事の話をさせていただく機会も増えているため、改めて私自身の想いを書いてみようと書き始めた。(機会をくださる皆さんに改めて感謝の気持ちを…)

ありがたいことに日々さまざまな場面で「ロート製薬」に接する機会があると思うが、この文章は組織に属する一個人の見解に基づくものとして認識いただきたい。

幅広い広報の仕事をするうえで考えていること

広報について5年目。一通りのことを経験してきた。製品を含めた企業発信のリリースや記者発表・イベントの準備や運営、メディア対応、コーポレートサイトやオウンドメディアの運営。社内広報として紙やWEBの社内報の作成。部門を横断して社内ラジオなどもやらせてもらっている。もしかしたら漏れているものもあるかもしれないと思うほどだ。

正直、何屋さんなのか分からないことも多い。それでも社内の仲間が少しでも多く新たなチャレンジへの後押しをすること。また社外の方々(世の中)との接点づくりをすることで、会社から生み出されるものごとやそこに挑む人を通じてロートを知ってもらい、新たな何かが生まれたらな、と。個人的に譲れない想いがある。

自らが表に出るよりも、そこに向けて調整やアレンジをする方が強みを活かして取り組める。だからこそ基本的には裏側に徹しているし、個別化も特長であるため、一人ひとりの伴走者でありながら社内のハブ、時に相談窓口でありたいと思いながら、一人ひとりと対話している。

ないものねだり…でも伝えたい。企業側の想いとの葛藤

皆さんは「ロート製薬」と聞いて、どんなイメージを浮かべるだろうか。

目薬や鳩、クイズダービーやSMAP×SMAPなど、世代に応じて返ってくる言葉はさまざまだ。確かに事実としては間違っていないし、認知いただけていることにありがたい気持ちでいっぱい。それでもないものねだりだが、リリースを出したりや取材をたくさんしていただいても、これらを超えたり、加えるイメージが生まれていないもどかしさを感じてきた。

そもそも企業名から浮かべるイメージもそう多くはないだろう。私も同じように聞かれたら、無難に知っている商品名や関連する言葉を返してしまうと思う。それでも今のロートは売り上げの約6割はスキンケアだし、クイズダービーやSMAP×SMAP、鳩は20代前半の方からすると???の域になってきた事実がある。そういった背景もあり、先日から編集部を立ち上げてnoteでの発信をスタートした。

まだまだ本数は少ないが、どの記事もたくさんの方にご覧いただいている。少しでもまたロートの新たな一面を知っていただくことができているだろうか。仲間の話を通じて知っていただきながら、どこかに共感や響くポイントがあったらいいな、と思うし、何か一緒にやってみたい!と新たなコミュニケーションが生まれたらさらにうれしい。(わーい!と飛んでよろこんでしまう)

一人ひとりに向き合う5年目のいま、見えるもの

基本的に終わりがない仕事であるが、「終わりはない」と思うとなんだか気が遠く、白目を向いてしまう感覚になる。でも私はそれぞれが変わるなかに最適解を見つけて、健康への新たな解釈や選択肢の一つとして提案をし続けることだと捉えて、向き合うようにしている。

そう考えるきっかけの一つ、「7つの宣誓」を紹介したい。社内にはCIやスローガンなどいくつかの共通言語があるが、そのうちの一つ、私が入るずっと前に定められた行動指針である。

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書かれているのは至極真っ当な言葉。理解はできる。でも行動まで追求していくことはそう簡単ではない。でも目指しているのがこの会社なのである。

社内の仲間も国内では約1,500人。多いか少ないかの解釈はさまざまだが「イメージよりも少ないですね」といただくことが多い。人数が少ないながらにも、事業領域を広げながら、少しでも多くの人の美と健康、Well-beingに貢献していきたいと思っている。

広報になって、ずっと「『ロートらしさ』とは」の問いと向き合ってきた。組織として集う価値観が同じでも、バックグラウンドが異なる仲間の価値観はバラバラ。対話からその難しさを感じる瞬間も多々ある。それでも最近、ロートらしさとは「生態系」のように同じ価値観を持った一人ひとりが表現し続ける集合体であることなのではないか、と思うようになってきた。

ここ数年、新規事業の広報をするなかで「ロートさん、こんなこともされているのですね!」との言葉をいただくが、「確かに心身ともに健康に…にですね」などと言葉が続く。一人ひとりが考えたものごとが、誰かの「なるほど」につながればいいなと思っているし、「すごくパワフルな素敵な方ですね!」と仲間にまで言及いただくことも多い。やはり生み出した人も伝わる一要素であると再認識する瞬間だ。そんな数々の場面をこれからも少しでも多くつくっていきたい。そう思っている。

もちろんこの「ロートらしさ」はあくまでも一意見。多分他の仲間に聞いたら別の言葉は返ってくるはず。正解は分からないし、これからも仕事をしながら考え続けていこうと思っている。

所属を超え、一人の中堅社員として

最初に私のスタンスは一人ひとりの伴走者でありながら社内のハブ、時に相談窓口でありたいと書いた。事業の伴走はもちろんのこと、それに留まらずにいるのが、ロートで8年半を過ごした私独自の立ち位置だと考えている。

実は明文化されていないことも多い社内。何かにつけて「聞く相手が違ったらすみません…!」を前置きにして質問をしてしまう。最近は先輩に聞いたけど分からず「広報さんに聞いてみて!」と言われたであろう、私に尋ねてくる後輩やキャリア入社の方もいる。分かるものに丁寧に対応したり、聞く相手が私ではなかったとしても「この人に聞けば分かるよ。こんな方でね…」と教えられる人でありたいとの願いも大きい。今後も何かあったら相談できそう…と「心の拠り所」の一つでありたいとの想いがあるからだ。

私が今も会社に残る理由の一つに、異動をしても変わらない関係性の先輩方の存在がある。仕事をするうえで大切にすることはもちろんのこと、120年を超える会社に眠る過去の話を、さまざまな年代あらゆる角度から教えてもらってきた。ちなみにまだまだ初耳なことも多く、終わりがあるのかは分からないほどだ。それでも少しずつ年次を重ね中堅社員となるなかで、新たなものごとはもちろんのこと、過去の話もたくさんの先輩方から受け継ぎ、ともにこれからを一緒につくる後輩やキャリア入社の方とシェアしていくことが私の役割でもあるように思い始めた。

ちなみに、社内でも初めてのやり取りには緊張するのも分かるが、すごく丁寧な言葉遣いで連絡をもらうケースも多い。そう感じさせてしまっている部分は、うまく崩していきたい…!と個人的な目標もある。笑

ここまで書かせてもらうなかで、全体的に社内での話が多くなってしまった。もちろん社内に留まっていきたいわけではない。社外の方々との交流も重ねつつ、自分の手でもこれからの未来に向けや取り組みを少しでも多くつくっていきたいと思っている。でもやはりロートとして生み出されるものごとすべては社員から生まれる。だからこそ仲間も大切にしていきたい

さいごに…

書きながらふと思ったが、noteで私がよく目にする記事は「退職しました」「転職しました」が多く、またそれなりに大きな・老舗の企業に在籍する方が発信をしている記事はあまり目にすることがないような気がしている。私自身キャリアに興味があるがゆえ、よりそう感じるのかもしれない。

この8年半で、別のキャリアを歩もうと思ったことも多々あるのが正直なところだ。でも結局辞めずにキャリアを歩んでいる一人の会社員として、それなりに大きな老舗の企業の広報PRパーソンとして誰かの何か後押しになるといいな、と思って終わりにしたいと思う。

いつもこんな私を支えてくれているすべての人に感謝の気持ちを。

さいごのさいごに…

公式noteをはじめたこともあり、本業についても振り返ろうと思っていたところ、ある種の〆切として今週、イベントでお話させていただく機会をいただいた。お二人とのお話は、とっても恐縮してしまうが楽しみでもあります。もしよければぜひ。
※イベントは終了しました。ご覧くださった皆さんありがとうございます。

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ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。