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九州編① 【都井岬から天草を経て九十九島へ】四輪紀行

2023.03.06 ~ 03.16 の全11日間、船中2泊、現地 8泊 9日の旅程で九州四輪ツーリングに出掛けた。
さんふらわあ弾丸ツアーを利用し、バイクで現地 0泊の阿蘇くじゅうツーリングに行ったのはもう 2年前のこと。あのときに見た初夏の絶景は忘れられない。
今回はまだ見ぬ春の景色を求めて志布志港からグルっと右回りして別府港に至る四輪周遊ツアーをすることにした。
Day0 ~ Day4:九州編①Day5 ~ Day10:九州編② として紀行を記録する。

全体ルートマップ

Day0 3/6 自宅 → 南港 38km

南港まではナビの誘導通り咲州トンネル経由のルートで向かった。いつも渋滞している新御堂筋はなぜだかガラガラ。さんふらわあ 埠頭にはかなり早く着いた。

さんふらわあ埠頭

フェリーは定刻通りに出港。部屋に荷物を置いたあと船内のレストランに行き、夕暮れの波止場をゆっくり進む船窓の景色を見ながら夕食をとった。
志布志までは四国沖を通る太平洋航路だが、夜中に揺れで目が覚めることもなく翌朝まで快眠した。

さんふらわあ船室

Day1 3/7 志布志港 → 都井岬 → 鹿児島市 234km

定刻通り青空の 志布志港 に着岸した。
都井岬 をナビの目的地にセット。国道から外れた海沿いのルートを選ぶと、点在する小さな集落をつなぐ静かな道だった。
岬への入口にある料金所で御崎馬保護の協力金(400円)を払い、しばらく走っていると海の景色が一望できる駐車スペースがあった。

都井岬の駐車スペース

海を眺め休憩していると「種子島からロケットが打ち上げられる時間までもうすぐ云々..」近くに居た人の会話が耳に入ってきた。
天候の関係でロケットの打ち上げが今日に延期され、しかも打ち上げ時間はもう間もなくの 10:37 頃らしい。
種子島の方向を凝視していると、一瞬オレンジ色にキラッと輝いた細長い機体から、噴射煙をあげながら空に登っていくロケットが見えた。ちょっとした感動。周りの人たちも打ち上げ成功を喜んでいた。
ただ後にラジオを聞いて分かったことだが、二段目が点火せず失敗したとのこと。残念.. 次回の成功を応援しよう。

種子島から打ち上げられたロケットが見えた

都井岬の灯台 は工事中のため立ち入り禁止だった。

都井岬灯台 むにょむにょしたのが気持ち悪い

工事柵の外から写真を撮り、来た道を引き返していると、馬が 3頭、道の真ん中に普通にいた。その場でぼーっと立っている。

道路の真ん中に普通に馬がいた

しばらくすると馬たちが少し歩き始め、その隙間を縫うようにして前の車が進み自分もその後に続いた。
そういうシーンがもう一度あった。ここは馬が住む場所で馬が優先。今回の旅のミッションにしていた、都井岬で馬を見る、はこれで達成^^

くつろぎ中の馬たち

R220 を西進、道の駅くしま の売店でブリチラシ(398円)を買い、ベンチに座って昼食にした。旨い..

道の駅 くしまでブリチラシの昼食
ねこがいた

錦江湾沿いを更に北上。桜島 が見える駐車スペースで休憩していると、柴犬を散歩中の女性が「..今回の噴火は大きくて長い時間続いていた、気を付けて..」と声を掛けてくれた。
道理で灰まみれの車が多いはず、と納得するとともに、地元の方にとって桜島の降灰はよくあることなのかもしれない、とも思った。

桜島が見える駐車スペース
桜島に向かって走る

R224 に左折し 有村溶岩展望所 で休憩。ごつごつした溶岩がその辺り一帯に広がっている。快晴の空に少し噴煙を上げている桜島がデンと構えて抜群の景色だった。

有村溶岩展望所

時間がまだ早かったので、対岸の鹿児島市街には桜島フェリーで渡らず、錦江湾 沿いにグルっと回って向かうことにした。
大きな樹が、ちょうど車が通る高さの分だけ空けて道路に覆い被さり、車と共存していた^^

車と共存する樹

噴火により埋没した鳥居 の前で休憩。夕暮れが近い山の上からは黒い噴煙が上がっていた。

埋没した鳥居

鹿児島市内の宿泊先をナビの目的地にセット。R10 の無料ルートを選んでいたのだが、国分から加治木までは有料(560円)の高速道路に誘導された。ナビの情報が古いのかも..
加治木IC を降りたところから渋滞で動かない。のろのろ進んでいると R10 との合流地点でジムニーがひっくり返っていた。事故直後のようでパトカーがサイレンを鳴らしながら来ていた。
夕暮れが進む錦江湾の対岸に桜島が間近に見えてキレイだな、と思いながら走っているとまた渋滞。数台が絡む事故を起こしていた。気を付けて運転しないと..

夕方の帰宅渋滞が始まる頃にホテルの前に着いた。駐車場が分からずどうしようかと思っていると、スーパーの警備員が駐車場に入りやすい道順を教えてくれた。ありがとう..
チェックインしたあと、そのスーパーで夕食の弁当と朝食のパンを買い部屋に戻った。
宿の評価:部屋✕、料金✕、駐車✕、朝食ー


Day2 3/8 鹿児島市 → 薩摩川内市 165km

朝起きて窓のカーテンを開けると真正面に桜島が見えた。

桜島

今日もイイ天気。鹿児島の市街地をしばらく走り、谷山から 指宿スカイライン に入った。料金は100円。
尾根伝いに適度なカーブとアップダウンが続き、バイクで走っているように運転が楽しい道。

指宿スカイライン

錫山展望台 桶高展望台 からは、霞がかった錦江湾が見えた。

指宿スカイラインからの錦江湾

池田湖 まで快走。湖畔からは 開聞岳 が薄っすらと見えている。

池田湖畔からの開聞岳

開聞岳に向かう道を進むにつれて、次第に三角形の山体がくっきり見えてくる。
かいもん山麓ふれあい公園 で休憩。開聞岳の山頂がすぐそこに見える。公園内の手打ち蕎麦屋で昼食にした。ざるそばとおにぎりの定食(560円)。安くて旨い..

ふれあい公園内の蕎麦屋で昼食

知覧 に向かう海岸沿いの駐車スペースからは、海越しの真正面に開聞岳が見える。ほんとキレイ。

開聞岳

r27 に右折。北上するにつれて開聞岳は後ろに遠ざかり、やがて見えなくなった。進む道の両側には明るい丘陵地が広がっている。

知覧 の街に入った。道路脇には石塔がずらりと並び、静かで美しい街並み。

特攻平和会館 を見学した。音声ガイドを借りて見て回り、語り部の話を聞いているときにはマスクの内側は涙と鼻水でグズグズになった。たった78年前の出来事..

特攻平和会館

武家屋敷 の辺りを少し歩いてみることにした。

知覧 武家屋敷

人影のない通りを歩いていると猫が散歩していた。

散歩中のねこ

街中を流れる水路の水はとてもキレイで大きな錦鯉が泳いでいる。立ち止まって覗き込むと鯉たちが寄って来て大きな口を開けてパクパクしていたが、何も貰えないと分かると離れていった。

知覧の水路

宿泊地の 薩摩川内 に向かった。道の駅きんぽう木花館 で休憩していると、歴史交流館 の建物が目に入り、吸い寄せられるように玄関に向かった。

金峰 郷土資料館

館内の電灯は落とされ人影はなく、もう閉館したのかと思っていると館員の女性が出てきた。
有料エリア(310円)に入ると金峰山麓の遺跡の出土品が展示されていた。阿多氏のことも知った。思わぬところで博物館を発見、見学できてラッキーだった^^

ホテルのチェックインを済ませ、夕食にしようと思い外に出たが、地元のスーパーは見当たらず、結局ホテル内の食堂で夕食を済ませた。
以前は居酒屋に入って酒を呑みながら夕食にするのが楽しみだったが、酒を止め脂物を受け付けない体質になってからは、地元のスーパーや道の駅でその土地のものを買って食べることが多くなった。それはそれで結構楽しい^^
宿の評価:部屋〇、料金△、駐車△、朝食△


Day3 3/9 薩摩川内市 → 雲仙市小浜温泉 161km

朝から雷雨でドシャ降り..
今日は 2つのフェリーに乗る日。悪天候で欠航しているとルートを大きく変更する必要があるため、最初に乗る 三和フェリー に電話したところ、通常運行しているとのこと。とりあえず 蔵之元港 に向かうことにした。
海岸沿いの国道を走っているとワイパーを高速にしないと前が見えないぐらい。晴れていればキレイな景色が左手に見えるはず。残念..
道の駅が 2つほどあったが止まらずにフェリー乗り場に急いだ。
港に着く頃には雨は上がっていた。雨雲レーダーを見ると、どうやら今走ってきた辺りに雨雲が流れているようだった。
10:20 出航のフェリーに間に合い、乗船券(3050円)を買って待機。周囲を山に囲まれた港の海は穏やかで、水彩画を見ているような静かな景色だった。

蔵之元港
三和フェリーが来た

乗船する車は 4~5台ほど。小さなフェリーだが、海は穏やかで揺れることもなく 30分ほどで牛深港に着いた。

牛深まで乗船

天草 の西海岸沿いに北上するルートを走り、道の駅崎津 で休憩。停めた車の下が暖かいためか猫がやって来た。

ねこが暖まりに来た

近くにある 崎津集落 が名所のようなため寄ってみたが、どうもそれらしきものが分からず.. R369 に戻り 大江教会 に向かうことにした。

教会らしきものが左手の山の上に見えた。
バイクの免許をとった 20数年前に天草を訪れたことがあり、そのとき立ち寄った静かな海のすぐ脇にある白い小さな教会が今も強く印象に残っている。
そこを再訪したかったが、どうもここではなかったよう。あれはどこだったのだろう..
空模様が怪しいこともあり、大江教会には寄らず 鬼池港 への道を急いだ。

天草の西岸を北上中

鬼池港の 島鉄フェリー も通常運行していた。よかった..これが欠航していると有明海をグルっと周らなければならず大変になるところ..
乗船券(3040円)を買い、13:45 の出港までに昼食をとろうと思ったが辺りに店はなかった..

島鉄フェリー

フェリーは定刻通りに出港し島原の口之津港には 30分ほどで着いた。フェリーターミナルの売店でパンを買い遅い昼食にした。

フェリーターミナル売店のパンで昼食

天草でゆっくりしなかった分、予定より早く島原に着いたので、さてどこを走ろうかと思い地図をながめていると、雲仙グリーンロード が目についた。
海岸沿いの高台を通る広域農道で、花房展望所棚畑展望所 から見る景色は、色とりどりのパッチワークのようでとてもキレイだった。

雲仙グリーンロード
雲仙グリーンロード

小浜温泉 への道を下ったところのコインランドリーで洗濯を済ませたあと宿に向かった。

コインランドリー前の橘湾

チェックイン時にもらったクーポンで、近くのコンビニで夕食の弁当と朝食のパンを買い宿に戻った。
宿の評価:部屋〇、料金△、駐車△、朝食ー


Day4 3/10 雲仙市小浜温泉 → 佐世保市 179km

宿を出発する頃には天気が回復し始めてきたが、雲仙岳 にはまだ雲がかかっている。橘湾沿いの国道を西進し長崎市内に向かった。

雲仙岳

長崎原爆資料館 を見学した。音声ガイドを借りてゆっくり見て回ったが、どの展示品も胸が詰まるものばかり。後ろから迫ってきた高校生の団体も賑やかな声を発することもなく静かに見て回っている様子だった。

長崎原爆資料館

駐車場に戻る途中、長崎市歴史民俗資料館 の看板が目に留まり寄ってみることにした。
地下の展示室には、旧石器時代や縄文、弥生時代の遺跡から出土した遺物、ちょっと滑稽な風貌の小さな人形、昭和時代の生活用品、長崎ならではの異国テイストな展示物などがあった。博物館の中はなんだか懐かしい匂いがしていた。

長崎市歴史民俗資料館

長崎は亡母が生まれ育った街で、ここでどのような人生を送っていたのだろう..と思うと感慨深いものがある。

長崎の街

ガススタンドで給油してもらっていると「ずっと車で周っているのですか?」と声を掛けられた。母が話していたような長崎の言葉が懐かしい。

R202 を海岸沿いに北上し、道の駅夕陽が丘そとめ で休憩。売店で かんころ餅 を見かけた。子供の頃、焼いて食べたときの甘さが懐かしい。
ベンチに座って青い海を見ながら巻き寿司とかんころ餅を昼食にしていると、顔をこちらに向けながら頭上を飛び回るトンビたちと目が合った。コワイコワイ..

かんころ餅

左手に西海の海を見ながら北上、大島大橋 の案内標識があった。
大島大橋は白く高い橋桁が青空に映える大きな橋だった。橋を渡ったところに駐車スペースでしばらく休憩した。

大島大橋

佐世保方面に向かった。西海橋 を渡ると駐車スペースがあった。250mほど先に歩行者用の橋有り、の案内板に導かれ行ってみると、西海パールライン 新西海橋 の下が歩道になっていた。
橋の真ん中あたりまで行くと、眼下の海峡は、潮が渦を巻き急流の川のようだった。小さな船がエンジンを全開にしてよたよたしながら進んでいるのが見える。想像以上にスゴイ光景だった。

新西海橋からの眺望

展海峰 は佐世保の街外れの高台にあった。
展望台から見る 南九十九島 は正に絶景。佐世保 の街並みが右手に見え、正面から左手に目を移すと、文字通り数えきれないほどの小さな島々が点在し、漁を終えた漁船がその島の間を縫うようにして港に戻る景色が一望できた。これはスゴイ、と何度も呟いた。
子供の頃に九十九島せんべいを何度か食べた記憶がある。おそらく両親がここに来て同じ風景を見ていたかもしれないと思うと、しばらくその場を離れることができなかった。

展海峰からの眺望
展海峰からの眺望(逆光が残念)

佐世保の街に戻った。軍関係と思われる施設の周りには柵が張り巡らされ独特の雰囲気を感じる。
繁華街近くにあるホテルの駐車場は満車だったが、なんとか空いた場所に車を置きチェックインした。
クーポンをもらえた。ほんと助かる^^
地元スーパーで夕食の寿司と朝食のパンを買い部屋に戻った。
宿の評価:部屋△、料金△、駐車✕、朝食ー


(九州編② に続く)

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