シェア
碧月はる
2020年8月21日 19:02
「そのことがずっと不安で、怖かったんですよね?」返事をしようと思ったのに、うまく声が出なかった。そのぶん、何度も何度も頷いた。マスクのなかに流れ込む滴を止めることができなかった。そんな私に、白衣を着たその人はそっとティッシュを差し出しながら、私が一番聞きたかった言葉をくれた。「大丈夫ですよ。だってあなたは、こんなにもお子さんを大切に想われているじゃないですか」*お日様がぎらぎらと
2020年8月9日 20:32
梅雨が明けた途端、一気に猛暑が襲ってきた。熱中症警戒アラートが鳴るなか、それでも何かとやらねばならないことは尽きなくて、一日中家の中で過ごすわけにもいかない。外に出た途端に熱気が喉を塞ぐ。むせ返るような暑さが、じりじりと内臓を焦がす。子どもたちのことだけで充電がゼロになる日々が続いている。予備のバッテリーが搭載されていないこの身体は、燃料が切れた途端に上手く動かなくなる。時間軸が大幅にずれ