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【たとえ、声が枯れても】
映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」を鑑賞した。向き合うのに胆力が必要だったが、今、この作品に出会えてよかったと心から思う。
鑑賞後、コラムを書くまでに、あえて1日時間を置いた。映画のテーマと重なる原体験を持つ私には、頭を冷やす時間が必要だった。
いつも以上に丁寧に文献を読み返し、ネット上に散らばる情報の中から一時情報を洗い出し、「私の主観」ではない「事実」を確認した。“私の思
【被害者の口を塞ぐ行為は、性暴力を加速させる悪手であるーー二次加害をなくし、加害者が正しく裁かれる社会に】
昨今、性暴力を受けたとして告発する被害者が後を絶たない。告発は、被害者にとって多大なるリスクを伴う。被害者の責任問題にすり替えられる、根拠のないデマを流されるなど、悪質な二次加害による堪えがたい苦痛に悲鳴を上げる被害者を、これまで数多く見てきた。そんなリスクを背負ってまで、なぜ「告発」という手段を選ぶのか。一重に、「それしか選択肢がなかった」からだと推測する。
事実を覆い隠すためには、加害者に罪
【ここでエッセイを書く前に、あなたにはほかに、やるべきことがあるはずです】
助けて、助けて、助けて。
頭のなかで、誰にともなく呟きながら、ぐるぐると旅先の寺を歩き続けた。縁もゆかりもない寺の神様が助けてくれるわけもないのに、ほかにすがれるものがなく、ひとり泣きながら新緑とツツジが彩る庭園を徘徊した。
2022年4月6日、私は、損なわれた。
ひとり旅をしよう。
そう思い立ったのは、今年の3月頃だった。解離の症状が軽快し、経済基盤が整ったことが決断を後押しした。何より、「
【今日この日まで命を繋いできた事実を、どうか、否定しないでほしい】~メンタリストDaiGo氏の差別発言により、希死念慮と格闘したサバイバーのひとりとして。
日々さまざまな人たちが、自身の価値観を元に多種多様な発言をしている。「個人の感性」では済ませられない発言を目にするたび、ぐらりと眩暈がする。Twitterのタイムラインに流れてくる情報は、振り幅があまりにも大きい。正しいもの、有益なもの、心休まるもの、笑顔になれるもの、美しいもの。それらに混ざって、この世の絶望を煮詰めたような台詞や主張、事件などが容赦なく流れ込んでくる。
メンタリストDaiGo