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背中を押してくれたのは弱虫な剣士

気付いたらパソコン画面の前で、涙を流していた。

アニメ「鬼滅の刃」に登場する剣士、我妻善逸(あがつまぜんいつ)の「俺は 俺が一番自分のこと好きじゃない」という言葉が、自分と重なったのだ。

***

元夫の言動に傷付き、現状を変えたいと思った私は、男女共同参画センターのカウンセリングに通い始めた。

「モラハラ」という苦しみの正体を知ってから、別居、離婚調停、離婚成立の直前まで、カウンセラーの力を借りながら、とことん自分と向き合った。

自分の生い立ちを振り返って気づいたのは、つらい現実。どうやら、私はアダルトチルドレンらしい。

両親から身体的な虐待を受けたことはないし、明らかな暴言を吐かれた記憶もない。私の親は過干渉・過保護型だったのだ。

今まで「愛」だと信じてきたものは、愛ではなかった。現実を突きつけられて、目の前が真っ暗になった。

私は大切なものを何も持っていない

絶望の中、苦しい結婚生活にピリオドを打てたものの、うつ病の再発によって、やっと手に入れた「正社員」の肩書きは消えてしまった。

私は多くの人のように、社会で生きていけないダメな人間なんだ

自分が嫌いで、嫌いで仕方なかった。

***

鬼滅の刃に登場する剣士たちは、複数の型を身に付けていたが、善逸はひとつの技しか使えない。

でも、彼を剣士として育ててくれた師範の言葉を思い出したのだ。

お前はそれでいい
一つできれば万々歳だ
一つのことしかできないなら
それを極め抜け
極限の極限まで磨け

鬼滅の刃 第33話「苦しみ、のたうちながら前へ」

結果、善逸は一人で鬼を撃つことに成功した。

そうか、私も自分ができることを極めればいいんだ

雷に打たれたような衝撃が走った。

私も昔から、多くの人と同じようにできなくて悩んだ。不登校もそうだし、仕事だって続かない。

だけど、外で働くのが無理なら、家で仕事をすればいいのだ。多くの人と同じ方法を、無理して選ぶ必要はない。文章ならどうにか書ける。それなら、とことん追求みようじゃないか。

基本ビビりだけど、やるときはちゃんとやる善逸のおかげで、「どうせ私には無理」という気持ちに負けず、ライターとしての一歩を踏み出せた。

***

来月5月12日から「鬼滅の刃・柱稽古編」が放送される。

善逸との出会いから4年が経った。彼と同じく、当時ヘタレだった私も、気付けばライター5年目だ。善逸が確実に成長しているように、私もちゃんと成長できているだろうか。

また、彼が奮闘する姿に勇気をもらいながら「書くこと」を極めよう。アニメを見るのが待ち遠しくて仕方ない。


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