子どもの不登校、親だって結構頑張っている
昨日の11時頃、学校から電話があった。
「はじめまして。4年生の担任になりました〇〇です。教科書をお渡ししたいので、今日お家にうかがっても良いでしょうか?」
新しい担任の先生からだった。
苦手だろうが関係ない
わが家は校区の端っこで、学校から一番遠い。しかも外は雨。とてもじゃないけれど、始業式が終わって忙しい中、先生に来てもらうのは申し訳なさすぎる。
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。私が学校へ取りにうかがいます」
電話を切ったあと、ため息が出る。
私は、当日予定が入るのが苦手だ。特に人と会うときは、数日前から心の準備をして気合いを入れないと、正直しんどい。
でも、娘が不登校になってからは、そんなこと言っていられず、イレギュラーな予定にも対応している。
ちなみに、電話に出るのも初対面の人に会うのも得意ではない。接客業から離れてライターになったのは、それも大きな理由だった。
おまけに今日は雨。気圧のせいか頭が重い。さらに場所は学校だ。ちょっとひんやりとした校舎は、私の学生時代のつらい思い出を蘇らせる。
つまり、これからしなければならないのは、私の「苦手」のオンパレードなのだ。
どしゃ降りの雨
時刻は15時半くらいだろうか。
外は激しい雨。だけど「16時頃にうかがいます」って言ったのだから、行くしかない。
丈の短い長靴を履いて、真っ赤な傘をさし、学校へ向かう。地面は水たまりだらけで、どこを通れば極力ぬれずに済むのか、いちいち考えなくてはならなかった。
デニムの裾は湿って色が濃くなっている。スウェットも湿気を含んでいるせいか、ずっしりと重い。
心のなかでぼやく。
何でいつも自分の時間を使って、私が頑張らなくちゃいけないんだろう。本人は家でYouTube見ているのに。きっと、私が学校から帰ってきたって「ありがとう」もないんだろうな。
感情に追い詰められて、なんか泣けてくる。
先生の言葉
新しい担任は、30~40代くらいの女性の先生だった。「学習指導室」と書かれたプレートがついた部屋で、娘についてどう対応すればいいか、打ち合わせをした。
私が話すときは目を見てうなずいてくれて。親身な姿勢に、少しずつトゲトゲした心が落ち着くのを感じた。
そして「お母さん、一人で抱え込まないでくださいね」という言葉が、胸に響いた。
帰り道、先ほどの先生の言葉を繰り返しながら、また泣きそうになっている。
もう、ずっと前から私だけでは持ちきれなくなっていた。
ちょっとだけ、心が上を向こうとしていた。
私は一人じゃない
家につくと案の定、娘から感謝の言葉はなく、ワイングラスでコーラを飲み、うまい棒をかじっている。
と、心の中で意地悪を言いながらスマホに目をやると、ライター仲間やママ友から連絡がきていた。
って気持ちが詰まった、たくさんの言葉に癒される。
何気なくカーテンを開けて窓の外を見る。ぎりぎり傘をささなくてもいいくらい、雨は弱くなっていた。
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▼娘の不登校について、親である私が思うことを素直に綴ったエッセイです。
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